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りらっくママの日々

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2009年12月27日
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今日の日記(年賀状書きと「アンタッチャブル」「外事警察」(最終回ネタバレ)感想☆ )




「ある女の話:カリナ55(彼を知りたい)」


初めて乗った青山くんの車は、青山くんの空間って感じがした。
青山くんが好きって言ってたミュージシャンのCDが沢山あって、
きっと部屋もこんな感じなんだろうな、って思うとちょっとカワイイなって思った。
弟もそうだけど、男の子って好きな物を集めるんだよな~って。

でも、青山くんはちょっと気を使ってくれたのか、
最新のHIT曲をかけてくれた。

青山くんといっしょにいると気が緩んで、
つい歌を口ずさんでしまって、
彼が私を見て嬉しそうに笑っていると、
我に返って恥ずかしくなったりした。

親に毎月バイト代で返済してるんだ。
青山くんは、親ローンのことを恥ずかしそうに話した。
そんなところも何だか育ちの良さを感じた。
当然って思わないところも。

もう得体の知れない人と付き合いたく無い。
そう思ってしまっている自分がいることに気付いた。

いつからそんなこと思うようになってしまったんだろう…
付き合う相手の素性を値踏みするような。
そんな自分がちょっと嫌になった。

でも、そんなことをミキやユウに話せば、
当然のことだって言う。
現実を見ることだって大事だよ。って。

マッシーは、私が言ってること、何となくわかるって言ってくれてた。
ユウやミキが言ってることも頷けるけど、
何も無くてその人のこと好きかどうかって、
ホントは大事なんだけど、
その人が持っている状況なんかも魅力なのかもしれない。
そんなことを言っていた。

私はミツルと付き合ってた頃は少しは運転してたけど、
ほとんどミツルが強引に運転してしまっていたし、
ケンちゃんにはバイクに乗せてもらえてたので、
車に乗ることはほとんど無かった。

お陰ですっかりペーパーになってしまって、
こうして青山くんがスイスイ運転するのを見てると、
何だかホッとしてしまう。

青山くんといっしょにいるとホッとすることが多いから、
沢山いっしょにいたくなってしまうのかな…
そんなことを思った。

動物園で、青山くんは動物をジックリと見て、

「どうしてこういう形になるのかな…」

って呟いた。

「え?何で?」

「ん~、ボクらの腕が羽になってた可能性だってあるのかな~って。
空とか飛んでみたくない?」

「うん。飛んでみたい。」

「でも、そうすると今度は物が掴めなくなるじゃない?
でもさ、見た目は違うのに、ちゃんと心臓とか同じ機能が体の中にあるんだよ。
そういうのって不思議だよな~って。」

私はクスクスと笑った。

「面白いね、アオヤンって。
いつも感性が独特な感じがする~。
でも、言われてみればそうかな、って思うことが沢山あるよ。」

「え、そう?
みんなそういうこと思ったりしないの?
僕は亀は泳いでるって言うより、水の中を飛んで見えるんだよ。」

「そしたらペンギンも?」

「あ、そうそう!ペンギンも!」

私たちは顔を見合わせて笑った。

この人のこういうところが好き。

「天使とかだと、ちゃんと手と羽が別々になってるよね。
それって、さっきの話だと何となく贅沢な空想な気がしない?」

「そうそう。物も自在に掴めて空も飛べてってね。
うん。僕もそう思ってたんだよ。」

そう言えば天使が出てくる映画でさ…
って、青山くんが話を夢中で続ける。

私は楽しそうにそんな話をしてくれる青山くんを見てるのが好き。
このいっしょにいる時間がとても好きだと思う。

トテトテと小さい男の子が走ってきて、青山くんにぶつかった。

「あ、ごめんね!気をつけてね。」

青山くんは私に言うのとはまた違った優しい声を出した。
青山くんに子供がいたら、こんな声を出すのかな?って、
ふと思った。

男の子は親の方へ走って行った。

「アオヤンって子供好きなの?」

「う~ん、実は、そんなに好きじゃない。嫌いでもないけど。」

コレはかなり意外だった。
ふとミツルのことを思い出した。
あの人は子供好きじゃないように見えて好きだったっけ、って。
子供がいたから当然なのかもしれないけど。
それを、冷静に思い出せる自分に少し安堵した。

もう全てが私の中で風化したんだな…って。
青山くんのお陰かなって思った。

「末っ子だからかな。
小さい子と過ごすこと、あまりなかったんだよ。
だから、どう対応していいか、わからなそうだと思って。
それが女の子だと思うと、恐怖だね。」

青山くんは、うちの弟と同じようなことを言った。
でも、弟は下がいないせいなのか、外で後輩相手にイバってるようだけど。
同じ末っ子でも違ってたり似てたりするものだ。

「ふ~ん、でも、そうだね。
育てるとなると、カワイイだけじゃないかもしれないもんね。
私は逆よ。
弟のめんどう見たり、
イトコとか、小さい子の世話ばっかりしてたから、
現実的に大変だと思うわ。」

私がそう言うと青山くんが笑った。

「何?どうしたの?」

「いや、女の子ってみんな子供が好きなのかと思ってた。
ほら、将来の夢は保母さん…って子多いじゃない?
小学校の卒業文集とかで。
お嫁さんとか。」

青山くんも私が子供好きだと思っていたらしい。
でも、すんなり私のことを受け入れてくれたような気がした。
だから私も安心して自分の思ったことを言う。

「う~ん、カワイイと思うよ。
でも、出産の話とか聞くと怖そうなんだも~ん!
卵で産みたいなぁ!」

「そうなの?
じゃあ、産んでくれないんだ?」

「え?」

一瞬意味がわからなかった。
恐竜みたいに言葉が心に届くまで時間がかかった。
そして、間違いじゃないか、
もう一度聞いてみる。

「何~?もう一回言ってよ!」

「何だっけ?忘れたよ。」

「ねえ!アオヤン!もう一回聞きたい~!」

私は青山くんのシャツをひっぱった。

今のは、もしかするとプロポーズ?
プロポーズだったりする?

青山くんは笑いながら耳元で小声で囁いた。

「その前に、子供いっしょに作ってよ。」

私はビックリして、とっさに青山くんの体を叩いた。

「もう~!アオヤンって、エッチだね!そういうこと言う人だと思わなかったよ!」

「男はみんなスケベだよ~!」

青山くんはキリンのいる方へ笑いながら逃げた。

今日は知らなかった青山くんをまた発見したような気がした。
それでもやっぱり好きだと思う。

もっともっと青山くんのこと知りたいと思った。

だからかもしれない、
もう大丈夫だと思ったからかもしれない。

夕食後に青山くんがもっといっしょにいたいって誘ってきた時、
私はとうとう頷いてしまった。




前の話を読む

続きはまた明日

目次





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最終更新日  2009年12月27日 19時40分54秒
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