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りらっくママの日々

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2009年12月28日
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今日の日記( 今年一年の私的ドラマランキング! )




「ある女の話:カリナ56(好きなのに)」


大丈夫だって思ってた。
青山くんのこと大好きだから…。

青山くんはラブホテルの駐車場に車を停めた。

部屋に入る流れで、
来たことあるんだな…って、わかった。

瞬時に初めてミツルとラブホテルに来たことを思い出した。
それから、ケンちゃんと別れ間際、
もうカリナのこと抱きたくないって言われたことも。
しても良くないし、もうそういう気にならないし…って言われて、
ボロボロだったことも…。

思い出しちゃダメだ。

そう思うのに、勝手に私の頭の中が回想を始める。
まるで呪われてるみたいに。

シャワーのお湯が、
大丈夫だから。
青山くんなら大丈夫だから…
って私の体に温かく降り注ぐ。

でも、ケンちゃんだって結局ダメだったじゃない?
ミツルだってケンちゃんだって、
最初は優しかったよね?

もう一人の私がイジワルに言う。

ホントに初めて?とか、
すぐやらせてくれると思った、とか、
そういうようなこと、青山くんも私の体から感じて離れていく…

そう思ったら、
この場から出るのが怖くなった。

私が遅いからか、
テレビの音が聞こえてきた。

いい加減ふんぎりをつけないと…。

付き合ってたらいずれはこうなる時が来るだろうし、
拒んでいて嫌われるよりは、
そうなって嫌われた方がいい。
青山くんならいいよね?

自分に言い聞かせて、シャワーを止めて、
体を拭いてバスタオルを巻いた。

入れ替わりにシャワーを浴びた青山くんはすぐに出てきた。

私はテレビを見ていたけど、
頭の中は堂々巡りで、
内容が全く入ってこなくて、頭の中をサラサラ通り過ぎていた。

私が座っていたベッドの隣に、
腰にバスタオルを巻いた青山くんがドサリと座った。

「怖い?」

私の気持ちを言い当てられた気がした。
私の態度、そんなに怯えてるんだろうか?

そんなことに頷くのは恥ずかしいことのような気がした。
だって初めてなワケじゃない…

「別に…大丈夫…」

私は目を逸らして下を向いて答える。
本当は初めての時より怖い。

青山くんがすごく好きな分、
どうなるかわからない不安が湧き上がって止まらない。
私はその気持ちを頭の隅に無理やり追いやった。

青山くんは私の肩を抱いて、
そのまま優しくキスをしてきた。

ベッドに柔らかく押し倒して、私の体に巻かれていたバスタオルを解くと、
私の裸が青山くんの前に曝された。
体を見られていることが恥ずかしくて、たまらずに目を閉じる。

肌に青山くんの舌と唇を感じて、
体がピクリピクリと反応する。
心臓の音も聞こえる。

青山くんがテレビを消して、照明を暗くすると、
途端に始まることが怖くなった。

「やっぱりダメ。やだ。」

「待てない…。ヤダよ。」

青山くんが私にキスしてくる。
ジラしてると思われたのかもしれない。

深く青山くんの舌が私の中に入ってくると、
腕に籠められた力の強さからも、
止められない想いが、
好きだ、好きだって伝わってきた。

もう一人の私が私に言う。

する前の男なんてみんなそうなのよ。
みんな変わっちゃったでしょ?
体を知ったら、酷いこと言うようになったでしょ?

そんなこと無い。
青山くんは違う。

ホントにそう?

もう一人の私の質問に、
私は叫びだしそうになる。

お願い、やめて!

逃げ出したい衝動に駆られるけど、
彼の体は私をかなり欲しがっていると思ったし、
自分の体だって、彼を欲しいと言っている。
コレを止めるのは酷だろうと思った。

なのに怖いって、
体が昂ぶるほどに不安の波が爆発しそうなほど押し寄せてきて、
私の心を支配してしまった。

「ダメ…ダメなの…
やっぱりお願い…やめて…」

痺れてきた体と裏腹に口からはそんな言葉が漏れてた。

「どうして…」

青山くんが私の体から顔を上げて、
悲しそうな顔をした。

「嫌いになっちゃう。
アオヤン、きっと私のこと嫌いになっちゃう…」

泣くつもりなんてなかったのに、
言葉を出そうとしたら、いっしょに涙が溢れて出てきた。

「嫌いになるって、どうして…?」

「だって…、だって、私の体、良くないもの。
きっと絶対良くないもの。
アオヤンがっかりして、もう私と会わなくなっちゃうもの。」

とうとう言ってしまった。
しかも他の男を匂わせるような、最低なことを。

不安が口から出て行くと、
それは真実なことのように思えた。

それでもいいの?
青山くんはいいの?
って、言葉で確認して何になるんだろう?

私はバカだ…

青山くんは私の顔をジッと見て、
目を逸らすと私の体からゆっくりと離れた。

取り返しのつかない、
何かを壊してしまったように感じた。

「ごめんなさい…」

「いや…いいよ。」

離された体が、スゥっと無くなった体温の名残りで寒くなった。
その体に布団をかける。
体温と違ってカバーが冷たくて無性に淋しく感じた。

ベッドで隣に移って体を起き上がらせた青山くんは哀しそうに宙をみつめていた。

何て声をかけていいのかわからない。


好きなのに…




前の話を読む

続きはまた明日

目次





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最終更新日  2009年12月28日 20時37分07秒
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