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2017.01.28
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島田荘司『御手洗潔の追憶』
~新潮文庫、2016年~


 御手洗シリーズの番外編短編集を集めた作品集です。
 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

―――
「御手洗潔、その時代の幻」
 アメリカで「私」と御手洗さんが久々に再会し、「私」がインタヴューをします。「周囲のみなが、群れて赤信号をぞろぞろと渡っている腰抜けぞろいなら、一人青信号を待って渡ればそれは狂人です。噂にもなる、村八分にも遭う、正義と道徳の生け贄ともなる。だがそれがどうしたんです、何も恐れる必要はない。どうせ相手は腰抜けだ」(29頁)という御手洗さんの言葉は、『21世紀本格宣言』ではじめて読んだときから印象に残っています。

「天使の名前」
 真珠湾奇襲の前。外務省に勤める御手洗直俊さんは、なんとかアメリカとの開戦を防ごうとします。しかし、軍部の暴走になすすべもなく…。

「石岡先生の執筆メモから。」
 犬坊里美さんが、石岡さんに見せてもらった執筆メモから、気になる未発表事件を紹介してくれます。

「石岡氏への手紙」
 女優・松崎レオナさんから、石岡さんへの手紙です。

「石岡先生、ロング・ロング・インタヴュー」
 島田さんが、石岡さんにインタヴューをします。石岡さんの、「面白いことが言えないんです。面白くないでしょう?」という言葉への、「いや、ある意味ではとても面白いです」という島田さんの回答は秀逸だと思います。

「シアルヴィ」
 スウェーデンのシアルヴィ館というカフェでの、御手洗さんや教授たちのやりとり。館に刻まれた絵の意味するものとは…?

「ミタライ・カフェ」
 スウェーデンでの事件の記録者、ハインリッヒ・フォン・レーンドルフ・シュタインオルトが、ウプサラに引っ越した御手洗さんの後を追い、ウプサラに引っ越します。そして、御手洗さんに大学の中を案内してもらいます。
―――

 最後の3編以外は全て別の作品集で読んだことがありますが、それでもとても楽しめました。「天使の名前」は名作だと思います。
 「石岡先生の執筆メモから。」の未発表事件が刊行されるのはいつになるのでしょうか…。2016年に刊行された『屋上の道化たち』も、このリストにはない事件ですし。今後が楽しみです。
 日本人論もからめたあとがきも興味深く読みました。

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Last updated  2017.01.28 15:55:55
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