カテゴリ:本の感想(や・ら・わ行の作家)
~角川文庫、1985年~
横溝さんのジュヴナイル作品集。表題にある二編の中編が収録されています。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。
――― 「風船魔人」サーカスの催しの際、人気の馬が空中に浮いていった。馬は、風船がつけられていた。後日、風船魔人と名乗る人物が新聞広告を出し、空に注意していろという。広告に書かれた日に、すごいスピードで飛行する人間のようなものが見られた。三津木たちは、風船魔人の正体をとらえようと奮闘する。果たして、風船魔人の意図とは…。 「黄金魔人」16歳の少女たちが、全身金色の怪人―黄金魔人に狙われていた。はたして、少女たちに共通する条件とは。そして黄金魔人の目的とは。 ―――
どちらも、怪人の正体は比較的分かりやすいですが、斬新な設定の怪人で面白いです。挿絵があるのも良いですね。 さて本書には、『姿なき怪人』収録の座談会の続きと、山村正夫さん監修による横溝さんのジュヴナイル作品目録が付されていて、資料的にも貴重な一冊となっています。 特に興味深かったのは座談会です。今回は、岡山の疎開先での横溝さんの様子などが語られます。また、家族にとってはとにかくひどい印象が強かったようですが、一方で作家はそういうところがあっても仕方ないという思いも持たれていたことがうかがえます。江戸川乱歩さんを尊敬しつつライバル視していたことも語られて、横溝さんのいろんな面を知ることのできる内容です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.11.14 23:02:47
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