高田崇史『QED 憂曇華の時』
~講談社ノベルス、2019年~
久々の、ventusやflumenのつかないQEDシリーズです。
『QED~ortus~白山の頻闇』で金沢を訪れた棚旗奈々さんたちですが、今回の舞台は山梨県石和です。桑原崇さんに誘われ、に鵜飼を見に行くことになった奈々さんは、古来から、鵜が重要な役割を果たしていたことなどについて勉強していきます。
そんな中、共通の友人の小松崎さんから連絡が入り、長野県安曇野市で殺人事件が起こったといいます。
公民館で伝統的な祭りの稽古を三姉妹が行っていた中、主役級の踊りを踊ることになっていた男が血まみれで歩いてきて、外の窓に逆Sの字を記し絶命。警察たちがかけつけたときには、男の耳はそがれていました。さらに関係者が死亡する事件が相次ぎます。
果たして事件の真相は。そして、安曇野に隠された歴史とは。
…というのが大きな流れです。
今回も、歴史の謎も事件の謎解きも、どちらも興味深く読みました。歴史の謎の方は最近理解がおいつかなくなってしまいましたが…。
今後の崇さんの展望もほのめかされていて、今後の展開がますます楽しみになります。
(2021.05.02読了)
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