久しぶりに蜜蜂の話ある。
庭先でニホンミツバチを飼おうと思って小さな庭に巣箱を置いた10年くらい前には、ここは農地と荒れ地と畑に囲まれていた。庭先で優に2〜3群は飼えるだけの蜜源に恵まれていた。まさか自宅を取り囲むようにマンションが出来、水田や畑が宅地化されるとは思わなかった。それでも蜜源植物を植栽しておこうと、友人からもらった苗の中にケケンポナシがあった。人の肩ほどの高さだったが、10年しないうちにこうなってしまった。
夏の暑い時期などには、木陰をつくってくれて、いつのまにか我が家のシンボルツリーのような大きな顔をしている。しかし、ちっとも蜂たちが寄って行く姿を見かけないし、花の時期が短いのか、気をつけていないと、その花さえ見逃してしまう時さえあった。
時移り、前述のような環境になったので、今年は庭先の巣箱も山に移してしまった。
・・・と、ところがである。
今年は春先から異常気象が続いたせいなのか、ここにきて、白い小さな花弁がさして大きくもない庭に雪のように散り敷く日があるばかりでなく、時に、分蜂の時のように賑やかな蜂たちの羽音がする。花も近年になく多いような気がする。最初は西洋蜜蜂ばかりが多かったが、ここにきてニホンミツバチの姿も多くなった。てんとう虫や大型の蜂たちもいる。蜂のいない生活はさびしい。山から巣箱を庭先に持ってこようかとも思ったが、このケケンポナシの流蜜期をもう少し見定めないと、蜂たちを飢えさすことにもなりかねない。今年は指をくわえて見ているしかない。