(低い)鼻につくアクセント
以前、大阪訛りで某国際的に有名なところのガイドをしていて、あきらかに関東の方
に
「あなた、なぜ関西弁を使っているの」(=ちゃんと標準語お使いなさいよ)と言わ
れたことがある。
「人の勝手だ」と心の中で当時の私は相手にしなかったが、今になって思っても、ご
丁寧に、かつ御節介であると思う。大阪弁でやったのでなく、幾分なまっただけであ
る。
ことばの魅力は訛りであると思う。標準語というが、東京あたりのことばが元になっ
て出来たことばなんて、「けったくそわるい」(気持ち悪い)というものである。
これは差別であるかもしれない。そうだ差別だ。
東京あたりの関東のアクセント(訛り)を使っているからといって、決してその人は
関西人より偉いということはないのである。
方言は「なんであかんのや」「あきまへんのんか」(なぜいけないのか)である。
意味がわからなければ、意思が通じないという不便さもあるが、訛りは自分の生まれ
て育ったところの誇りのようなものである。
カタカナ語でアイディンティティー、いわゆる
IDである。
太平洋戦争の頃のこと、鹿児島の言葉は読解不可能なことばとして、誰も意味がわか
らなかった。もしアメリカ国籍を持った日本人、それも同郷の鹿児島男児がいなけれ
ば、日本の勝利に一役買ったことになったかもしれないのだ。
(とは「二つの祖国」(山崎氏)から)
訛りを持つ皆様、どんどん使ってやりましょうね。
「なぁ~んも、あかんことあらへんで、ぎょうさん使うておくれやす」
と京都の友人なら言ってくれるだろう。