あなたは愛する人を何て呼んでいますか?うちは出世魚の如し、もはや原形なし。
うちの電子レンジです。結婚当時に購入しましたので、かれこれ15年使用しています。三菱のRO-l90という機種で、当時、料理研究家の栗原はるみさんが商品企画に関わって開発されたことが売りになった商品。今は、とっくに廃盤でしょう。その頃の電子レンジは、機能や使い方がこれ見よがしに絵で表現してあり、社名のロゴなどが、デカデカとデザインの主要な部分を成していて、正面のデザインで取扱説明書を兼ねるって感じの商品が多かったと思います。そんな中、妻のお眼鏡に叶ったのがこの機種で、当時では「え?これでいいの?」って、ちょっと心配になるくらいシンプルなデザインだったんじゃないかな。この15年で他の家電は全て故障して買い替えていますので、この電子レンジがQ輔家の初期からの家電の最後の生き残りです。なんかホント故障する気配がないっすね。いつ壊れるのコレって感じ。三菱!恐るべし!妻はぼちぼち買い替えたいみたいですけどね。僕的には、15年も一緒にいる家電ですから、情も移りますし、長い年月を経た道具には精霊が宿るなんてことも昔から言いますので、なんとかぶっ壊れるまで使ってあげて欲しいですけどね。まぁ、掃除ひとつしたことがない奴が何を言うって感じですけど・・。さて、突然ですが、海には出世魚という種類の魚がいます。稚魚から成魚までの成長段階において異なる名称を待つ魚です。出世魚の代表的な魚がブリで、関西圏では、ツバス→ハマチ→メジロ→ブリと「呼び名」を変えていきます。出世魚のこれ、人間にも当てはまる場合があります。恋人同士や家族など、親しい相手を呼ぶ時の「呼び名」がそうで、時がたつにつれ出世魚のようにその「呼び名」が変わっていき、もはや原形をとどめていないなんてことをよく見受けます。「まさお」という名前なのに、奥さんに「ぷー」と呼ばれている男性、「ともこ」という名前なのに、ご主人に「ぴーちゃん」と呼ばれている女性、そういった人たちに出会うと、ああ、この人達は何度も何度も「呼び名」の出世をも繰り返し、今現在の「呼び名」に辿り着いたのだな、なんて勝手に感慨に浸ったりしてます。ちなみに、僕たち夫婦も漏れなくそのたぐいです。僕が妻と初めて出会った時、妻はまだ17歳でした。なんだかんだあって、当時23歳の僕と、まだ未成年のU子さんの交際がはじまりました。未成年との交際につきましては、結果として責任を取って結婚ましたので、まぁ何卒ひとつ、ご勘弁を。出会ってから結婚するまでの交際期間は5年、その間、交際が深まっていくにつれ、お互いを呼ぶ「呼び名」も、出世魚の如く変わっていきました。以下は僕と妻の「呼び名」の出世歴です。(ちなみに「Q輔とU子」はニックネームですが、ほぼ本名だと思って読んで下さいね。)では先ずは、僕が妻を呼ぶ時の「呼び名」の出世歴。【出会った頃】 U子ちゃん↓【交際して半年頃】ゆーぴー↓【交際1年目】ゆぴっち今思えば、この辺りまでは、若くて初々しいカップルにありがちな「呼び名」の出世でしたね。↓【交際2年目】ちっち名前の原形なくなりました。↓【交際3年目】ちっち子お!「子」の字がカムバック!↓【交際4年目】ちっちコーリング何故か、現在進行形になり・・。↓【交際5年目】ちっちコーリング三世もう、何がなんだか・・。U子さんは当時、とても可愛らしい女の子で僕が「ねぇねぇ。ちっちコーリング三世」と呼んでも、「なあに?」と何の違和感もなく返事をしたものでした。人の手垢のついていない、げがれなき馬鹿でした。そういうところが好きでした。帰ってこーーい!あの頃のU子ぉーーー!時は流れ、結婚してからは、「U子」。子供の前では「ママ」って感じです。それでは今度は、妻が僕を呼ぶ時の「呼び名」の出世歴。Q輔君↓Qちゃん↓かっぱ↓らっきょ↓ひょうたん↓びーんず↓ちゃーびん↓ちゃーびんちゃーびんハゲちゃびん↓トロピカルパイナップルボーイいや、呼ぶのしんどくねーか!結局妻も、一周まわって、今のところ「Q輔」、または「パパ」で落ち着いています。ちなみに僕は、「長女が保育園で僕のことを『ハゲツルピッカ』と呼んで、大騒ぎになって困った。」という内容のブログを以前書いたことがありますが、その騒動の後、その件について妻に相談しました。「やっぱり、他の薄毛の人にウッカリ失礼なことを言ってからでは遅いでよぉ、普段から僕のこともハゲとか呼ばせんほうがいーんじゃない?U子さんからP子に注意してくれ!」「大丈夫だて!他の大人やお友達に、相手の傷つくことを言っとるところは見たことないで。あんたの前だけだがね、なめきって、ふざけきっとるの。」「いや、それはそれで問題じゃんね!」結局、妻はその晩、半ばしぶしぶ、長女に教育的指導を行った様子。翌日、P子が僕のところに来て、かしこまって言うことにゃ。「パパ、今までハゲとか言ってごめんね。」「ん?P子ちゃん、ママに人の傷つく言葉は言っちゃ駄目だよって注意されたんかな?」「うん。でもP子、パパのことだけはど~してもハゲって呼びたいって、ママとケンカしたの。」「何でじゃ!何でそこまで執着するんじゃ!」「そしたらママがね。これからど~してもパパのことをハゲって呼びたくなった時は、ハゲの代わりに『漫画みたいな人』って言いなさいって。」「何じゃそりゃ!」「よろしくね。漫画みたいな人。」「はい、こちらこそ。じゃねーつーの!」「ねぇ。公園連れてってぇ~、漫画みたいな人ぉ~。」「ああ、もう、何がなんだか・・。」電子レンジと同じく、我が家で15年の時を共に過ごした、愛犬モモちゃん。P子よ!パパや、ママや、電子レンジや、モモちゃんから言わせれば、お前なんか、まだまだ我が家の新参者なんだぞ!解ってんのか!おい!聞いてんのか!こら!お~~~い!漫画みたいな人が話をしていますよぉ~!・・・後日談。その日から更に三日後には、漫画みたいな人がもう出世していて、↓漫画さんになってました。漫画さん・・・とほほ。にほんブログ村