カテゴリ:映画パラダイス
↑「伝説日本チャンバラ狂」・・時代劇製作のウラを独特の画で描いた興味深いドキュメント 70年代後半にテレビのバラエティ(たとえば「クイズダービー」)などに出ていた印象が強いですがその実、黒鉄ヒロシはナンセンスギャグ「赤兵衛」や歴史もの「新撰組」や「幕末暗殺」などの時代もの漫画を多く手掛ける優れた漫画家です。 その面白さはナンセンス(やや、古い言い回しですが同時代の凡庸な作家と比べて本当にナンセンスな上時折非常に黒い)な笑いに絵のシュールさとそこから生まれる凄みにあるのではないでしょうか。 「日本チャンバラ狂」はその作品から十分推し量れる通り時代劇映画に影響を受けた作者によるあまり語られることのない「時代劇」製作の裏側のドラマを描いた連作です。 時代劇コラムでおなじみのペリー荻野という相棒を得て黒鉄節が炸裂、映画、TVに関る人々の姿を活き活きと描いていています。 語られているのは 「新撰組血風録」 「木枯し紋次郎」 「三匹の侍」 「水戸黄門」 「てなもんや三度笠」のテレビ時代劇 「十三人の刺客」 「眠狂四郎」の映画。 「東映太秦映画村」誕生と「柳生一族の陰謀」 それに時代劇映画への思いを綴った終章です。 何にせよ裏側は知りたいものなのですが、素の中村敦夫(インテリ俳優)の紋次郎らしくなさとかやたらとスタアのカッコよさ(たまりません)全開の市川雷蔵、財津一郎の狂乱の演技ぶりなど俳優や監督の姿が興味深く面白いですね。しかし何よりもその画の面白さに価値があります。 司馬遼太郎や柴田錬三郎なんかの作家の画も描写も魅力的で面白いので時代劇映画・小説ファンには必見の一冊だと思います。 これを読むと「十三人の刺客」や「薄桜記」、「木枯し紋次郎」が見たくてたまらなくなります・・。 続編では勝新太郎を是非是非おねがいします・・。 時代劇とややははずれますが黒鉄ヒロシ版成田三樹夫とかの俳優列伝が読みたいなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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