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よくライブドアのような企業買収を繰り返している会社のことを、実業のない会社だということがいわれる。しかし実際はそうではない。
たとえば、リンゴで考える。リンゴを販売するには、リンゴを収穫して市場に運んで、市場から小売店へ、小売店から消費者へと渡っていく。このプロセスでは、農家の人や輸送の人販売する人など、いくつもの仕事が発生している。 しかしながら、上の話でいうと、いかにもリンゴを栽培して収穫している人が実業で、販売したり宣伝している人は実業でないかのような話だ。まるで肉体労働や効率の悪い仕事をしている人だけが、実業をしていているような話である。実際、今の世の中は、モノをつくるより、売るほうが難しく、高度な技術を必要とする仕事とされている。製造業よりもサービス業のほうが市場規模が大きく給料も高い。つまり世の中にはさまざまな職業があり、サービスを提供している以上は実業がないということはないのだ。 堀江氏の本にも書いてあるが、ライブドアのやり方は、取引の規模を拡大することで、労働の集約性が高めることを目的としているということだ。 セブンイレブンなどの規模でメリットをだす業態がよい例である。例えば、商品を売るお店が10店舗しかないうちは、ひとつの商品開発にかけられるコストは限られてしまうが、これが1000店舗で売ることができるとすれば、商品開発には100倍のコストをかけてもよいということである。1000店舗で売る商品を開発するほうが、10店舗の場合よりも質の高い仕事が求められる。規模が大きくなれば、ほとんどのコストがさがるのだ。 もうひとつの考え方は、企業買収がだめなのか、ということだ。昔は商店街のなかに、八百屋があって、肉屋があって魚屋があった。それぞれが、なにを売っているお店かといえば、野菜であり、肉であり、魚である。それぞれが専業のお店であった。そのあとスーパーという業態が登場して、そこは、なにを売っているお店かといえば、なんでも売っているお店である。そのあとコンビニが登場する。何を売っているかというと、便利さだ。便利で、消費者が求めているものであれば、なんでも売ってしまおう、という形態だ。コンビニは実業がないかな。なんでも屋だから、実業がないというのはおかしな話だ。ライブドアがなんでも手当たり次第に買収しているようにも報じられるが、ユーザーが求めているものであれば、なんでも売りましょう、というスタンスだ。 こういう事件になって、とても残念ではあるが、何よりも、僕は今回の事件でライブドアの報道姿勢に最大限の評価をしたい。 他局の不祥事については、鬼の首をとったかのように報道するのに、自らの不祥事については、ほとんど取り上げようとしないテレビ局や新聞社は、ぜひとも見習ってほしいと思う。フジテレビの「こういう状況になって公共性が保てない」という発言。もともと公共性をもった放送なんてしてないではないか。ぜひとも、自社の社員のスキャンダルが発覚した際には、特集を組んでとりあげてほしいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年01月21日 02時25分30秒
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