影丸＠雑記帳

　ジル・アイアランド　Jill Ireland
　１９３６年４月２４日生まれ、１９９０年５月１８日没
　イギリスのミドルセックス州出身で最初はイギリス映画に、チャールズ・ブロンソンさんと結婚してからはアメリカ映画で活躍した女優さんです。本名はJill Dorothy Ireland。

　この雑記帳で２０１２年５月３０日に書いた映画「地獄特急」。

「地獄特急」（1957年イギリス映画）HELL DRIVERS

監督 サイ・レイカー・エンドフィールド
脚本 ジョン・クルーズ、サイ・エンドフィールド
撮影 ジェフリー・アンスワース 
出演　スタンリー・ベイカー、ハーバート・ロム、パトリック・マクグーハン
　　ペギー・カミンズ、ジル・アイアランド、デヴィッド・マッカラム、ショーン・コネリー
　　　本編１０８分　モノクロ　スタンダードサイズ

　日本公開は１９５８年１月だそうで、武骨な感じのスタンリー・ベイカー演じるトラック運転手が主人公のアクション映画です。私が見たのはＫｅｅｐ社の５００円ＤＶＤですが、これは画質も字幕翻訳も良くて、しかも内容が大傑作。出演者たちも豪華な顔ぶれです。

　建築工事現場への砂利運搬回数を競いあう１０トントラック運転手たちの物語。
　ＤＶＤジャケットには「命知らずのドライバーたちが操る爆走トラック！度重なる妨害に男と男の意地がぶつかりあう。若き日のショーン・コネリーも見逃せない」と書かれていますが、まさに誇大な文句ではありません。

　白黒の古い映画だけれど、これは見て良かったと思う、満足のいく作品でした。このイギリス映画に若き日のジル・アイアランドさんが食堂で働く女の子役で出ています。
　そして見逃せないのがデヴィッド・マッカラムが主人公の弟役で出ていること。

　デヴィッド･マッカラムといえばテレビの「００１１ナポレオン・ソロ」のイリヤ・クリヤキン役でお茶の間の人気を集めた人です。このイリヤことデヴィッド･マッカラムの奥さんがジル・アイアランドでした。２人が結婚したのがアイアランドさん２２歳の時だというから、ちょうど映画「地獄特急」（57）の頃です。もしかしたら、この「地獄特急」が縁になったのかもしれない。

　ジル・アイアランドさんは「００１１ナポレオン・ソロ」の第２話「ユーゴスラビアに潜行せよ」と第６話「アンデスにロケットを撃ちこめ」にゲスト出演しています。あと１本、タイトルが何だったか？に出ていたと思うのですが。

　この「００１１ナポレオン・ソロ」でアンクル捜査官イリヤを演じる旦那さんのデヴィッド･マッカラムと夫婦共演したあとに、２人は別れてしまうのですね。２人は１９６６年に離婚し、ジル・アイアランドさんは翌１９６７年にチャールズ・ブロンソンと再婚する。

　ブロンソンさんの愛妻となったアイアランドさんは、このあとブロンソンさんとおしどり夫婦として共演作をかさねていくことになります。

「戦うパンチョ・ビラ」（68）「雨の訪問者」（70）「狼の挽歌」（70）「夜の訪問者」（70）「扉の影に誰かいる」（71）「バラキ」（72）「メカニック」（72）「ストリートファイター」（75）「軍用列車」（75）、そして「ブレイクアウト」（75）・・・・・。

　このなかで、重要な役で出演したのは「狼の挽歌」です。

　ブロンソン扮する殺し屋が裏切られても裏切られても、愛する女への激情を忘れられずに破滅への道を進んでゆくイタリア製アクション映画の傑作。野望のために男を裏切り、利用してのし上がってゆく悪女ヴァネッサを演じるのがジル・アイアランドさん。この映画はいいな。