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2007.04.19
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現代のイスラム教を巡る諸問題

政治的問題
 イスラームの項目でもあるように、イスラム教は宗教的理念のみ
ならず、民間の慣習や政治に深く関わっている。そのため、政教分
離を特徴とする欧米的なシステムとイスラーム的なシステムは相矛
盾することとなり、どの程度折り合いをつけるかが、20世紀以来の
イスラーム社会の大きな問題となってきた。

 多くの国は、イスラームの伝統と、欧米的なシステムの間で融和
を図ろうとしているが、こうした姿勢自体に対する反発も根強い。
いわゆる「イスラム原理主義」、あるいは政治的運動としてのイス
ラーム主義は、こうしたイスラーム的価値観の折衷に反対し、可能
な限りイスラームの伝統、クルアーンの教えにのっとらねばならな
いと主張する。しかし、世界経済の進展や、国際社会に対する欧米
諸国の国力の圧倒的な優位のもとではイスラーム主義的な主張は多
くの困難を抱えており、武力を行使してまで理想の実現をはかる人
々も少なからずあらわれる。ホメイニーが指導するイラン革命やア
フガニスタンのターリバーンがそれである。

 また、中東戦争など、ムスリムが大多数を占める国々に対する欧
米諸国の介入を目にして、欧米のキリスト教社会がイスラーム社会
を圧迫し、蹂躙していると構図でとらえるムスリムは多い。にもか
かわらず、イスラーム諸国は国際的な発言力が大きいとはいえない
し、イスラーム諸国の中に強い影響力を持つエジプトやサウジアラ
ビアなどが親米・欧米協調路線をとっているため、イスラーム諸国
はしばしばイスラーム社会が「被害者」となる情勢に対して無力で
ある。これらのことが、イスラーム社会の多くの民衆に反欧米感情
とともに、自国政府の「同胞の危機に対する無力」に対する失望・
不満を鬱積させることになっていて、暴力によって欧米社会の圧力
を排除しようとする過激派(アルカーイダ、ジェマ・イスラミアな
ど)の誕生のひとつの要因になっている、との見方もある。

現代国際社会の普遍的価値観との価値観の相克の問題
 イスラム教を奉ずる社会においては、現在の国際社会で信奉され
ている普遍的な価値観、すなわち人権などの近代思想から逸脱する
価値観が、イスラームの名のもとにしばしば正当化される傾向が普
遍的な価値観を奉ずる側から批判的に指摘されている。また、アッ
バース朝の時代にほぼ固まったイスラーム法を遵守する結果、その
後の社会情勢の変化に対する柔軟な対応を欠くようになったという
主張も根強い。

 一方で、イスラーム社会の内部では、イスラームの伝統の名の下
に行われてきた慣習や法を、イスラームの教えの解釈の適用変更に
よって改善すべきだという主張や、イスラームと人権などの価値観
は共存可能である、あるいはイスラームは本来人権を尊重する教え
である、といった言説も見られる。

 現実の社会では、多くの国では、イスラーム法に厳格に基づく刑
罰は既にあまり行われなくなっているが、サウジアラビアやイラン
革命後のイラン、ターリバーン時代のアフガニスタンなどでは、イ
スラーム法を厳格に適用した結果、国際社会から人権侵害として憂
慮された事例が報告されている。イランでは、道徳裁判所の判決が
人権を無視していると伝えられることが頻繁に起こっている。サウ
ジアラビアでは、窃盗の罪で手を切り落とす刑罰が実施されている
と伝えられている。また、アラブ民族主義に基づく世俗国家を志向
していたサッダーム・フセイン政権下のイラクでも、代表サッカー
選手が負けた場合、鞭打ち刑が実施されたためにFIFAが刑の執行中
止を勧告した例がある。

 全体的な趨勢としては、社会の都市化・近代化が進んだ地域では、
イスラームの教えを根拠とする価値観が薄らぎやすい傾向があると
される一方、都市化・近代化で伝統的な共同体が破壊された結果、
人々がアイデンティティの拠りどころをイスラーム的な価値観に求
め、生活を再び保守化する傾向があるとされている。

「女性差別」問題
 一般にイスラーム社会は男尊女卑の世界と言われているが、実際
に男尊女卑はイスラム教の教えに反するものである。法的に女性の
固有の権利も認められており、これを根拠にイスラーム社会の法慣
習に擁護的な論者はイスラームは男女同権であり、男尊女卑という
非難は不当であると主張している。しかし、クルアーン及びイスラ
ーム法が、男女がそれぞれ独立した社会活動をしている上、結婚・
出産等に関しては男女ともに大幅に制限が設けられるのは当然であ
るという思想を根本に有している。このため、男性と女性の権利の
差異が厳然として存在するという事実は否定の余地が無く、こうし
た事情を踏まえた上で、「イスラーム社会では男女は共存すること
はできず、男女間には完全な平等は存在できない」という解釈も唱
えられ、浸透しつつある。

 クルアーンには、当時低い立場にあった女性の立場を守るために
下された法令が書かれており、法的に女性の遺産相続や離婚、学習
の権利も認められており、男女同権であることを主張している。な
お、イスラーム法では男性は4人まで妻を有する権利を有する一夫
多妻制であるが(これは元々は男尊女卑的な思想に基づくものでは
なく、当時、預言者ムハンマド率いる2回の戦争で夫を亡くした女
性の地位を守り、母子の生活手段を確保するために神が下した啓示
であり、弱者救済策を目的としている)、現代社会では、一部の裕
福な層とかなり貧困な層を除き、イスラーム社会の夫婦の大部分が
一夫一妻である。複数の妻を有する場合は夫は妻らを平等に愛し、
扱うことが義務とされる。また、イスラム教は、妻の数を4人まで
と定めている唯一の宗教で、同じ一神教であるキリスト教やユダヤ
教には、そのような法律は定められていなく、当時は4人以上の相
手を妻に迎える事が主流であった。

 また、法慣習の建前から離れた現実においても、今日、イスラー
ム社会での女性の人権に対する問題は深刻である。さらに、イスラ
ーム法に直接には基づかない慣習が非常に多くの国に残されている
のも深刻な問題とされている。国ごとの違いや、あるいは一国の中
でも社会階層や地域による差は大きいが、「女子の就学制限」、
「名誉の殺人」、「女子割礼」などが現在も横行しており、イスラ
ームの伝統的な価値観に照らして正しいと少なからぬ人々が信じて
いる。

 特に、強姦罪において、イスラーム法によれば容疑者を有罪とす
るためには証人が4人必要であるとされることから被害者にとって
不利が大きく、国際的な非難の的である。さらに、貞操や名誉など
の伝統的な社会通念を重んじる地域では、強姦の被害を受けた女性
は被害者であるとみられるよりもむしろ「恥」とみられるような感
覚をもたれることになり、イランでは、道徳裁判所の判決により、
強姦の被害者が姦通罪により死刑になるような事例も伝えられてい
る。

 服装の規定を厳格に守れば、女性は自ずと家庭外での活動を制限
されることになる。これは、イスラームの教えのひとつに、女性は
家庭の外では夫以外の男性の視線から自身を守るために女性的な部
分を包み隠すべきであるとする教義が存在するためである。これが
イスラーム以外の宗教の信徒でも見られる西アジア社会の伝統的な
女性の服装習慣と結びついて、女性は外出時には体全身を覆う外出
用の衣装を身に付けることがイスラーム的に好ましいと多くの社会
では考えられており、サウジアラビアやターリバーン時代のアフガ
ニスタンにように、政府による女性の外出時の服装制限が行われた
地域も存在する。また、服装は西欧化が進んだ地域でも、イスラー
ム的な女性の外出時の習慣としてスカーフを着用し、髪を隠すムス
リムの女性は多い。一方、エジプトやトルコなどでは、学生など特
に若い層を中心に、日常生活のほとんどを西洋人と同じジーンズな
ど軽装で過ごす女性が多い地域も増えてきている。

 女性のスポーツの問題に於いても、服装が制限される結果、それ
によって競技ができない場合も少なくないため、多くの国で女性の
スポーツ浸透が大幅に遅れている。中には、イスラーム教の棄教及
び他宗教への改宗によってスポーツ社会に進出した女子選手も存在
する。女子バレーボールでは、エジプトの代表チームが近年登場す
るようになっているが、このユニフォームは、クルアーンに抵触し
ないようにデザインされている。また、スカーフ着用で試合に出場
する選手も多い。

 スカーフ着用に関しては、イスラーム社会の内外で現在、賛否両
論が相次いでいる。慣習に厳格な国では女性が外出する際にスカー
フを着用することが強要されている。一方で、世俗主義を標榜する
トルコなどでは、政教分離の原則に基づいて公的な場でスカーフを
着用することが忌避される。加えて、脱イスラームを標榜する人々
や、イスラーム社会外部の人々の中には、スカーフ着用を女性の人
権抑圧の象徴として着用を禁じるべきと主張するものも少なくない。
トルコや、あるいはフランスなどのヨーロッパにおける政教分離原
則の国々においては、法律によるスカーフの着用禁止を巡って、自
発的にスカーフを着用するムスリムの女性から逆に人権上の問題と
とらえられているような事例もしばしば発生しており、政治問題に
波及している。

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Last updated  2007.04.19 11:45:40
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