テーマ:おすすめ映画(4019)
カテゴリ:音楽と映画・ドラマ・TV
リョウ(成海璃子)は、内気で自分に自信がない女子高生。クラスで自分だけがケータイを持っていない。なぜなら、内気な性格で、ひととうまくコミュニケーション出来ないから、友達もいなくて、ケータイを持っていても誰からも電話がかかってこないだろうから。 誰からもかかってこないケータイをもっていてもしょうがない。 横浜の高台に住む彼女は、あるひ、帰宅の途中、公園でおもちゃのケータイがなっているのを見つけてひろって帰ってきた。 何回も、そのケータイがなる。しかしその音は他の誰にも聞こえない。 ある日、ケータイがかかってきたとき、勇気を出して出てみた。 それが、見知らぬ青年シンヤとの出会いだった(電話上の) シンヤは、実は、言葉がしゃべれない青年。(このことはリョウは最後まで知らない) リサイクル・ショップで、古くて壊れた機械や時計やラジカセなどを直す仕事をしている。 リョウとシンヤは、頭の中のケータイで電話をしていたのだ。 はじめは、おそるおそるだったふたりの会話は、だんだんうちとけ、お互いが心を開いていく。 リョウは横浜に住んでいて、シンヤは長野に住んでいる。 そして、奇妙なことにふたりには1時間の時差がある。 この時差は、あとでとても大切なポイントになってくるのだが、今はわからない。 例えば、リョウが横浜の夜の6時の月を見ているとすると、シンヤは長野で5時の月を見ている。ふたりが、頭の中のケータイで電話していると、そんな時差がある。 今から1時間後に流れ星が見えるから見てね。 そんな感じだ。 シンヤは、今度、デートしようとリョウをさそう。 昔、シンヤは鎌倉に住んでいたので、リョウだけが鎌倉に行き、シンヤと頭の中のケータイで会話しながら、彼が電話で案内してくれたのだ。 リョウは、ひとりで鎌倉を散策しながら、シンヤと常に会話している。不思議なデートだ。 打ち解けたふたりは、お互いのことを素直に話すようになる。 リョウは、人前で話すのが苦手で、緊張して、笑われるし、両親や妹は明るいのに、家庭でもひとりだけ、いつも沈んだように暗い。 もう「私なんて、いなくなっちゃえばいい」という。 するとシンヤがリョウを励ます。 「きみの声は大好きだし、きみの言葉も好きだ」 リョウは、頭の中のケータイでシンヤと話すことによって、だんだん自分に自信が持てるようになってきた。 大の苦手の国語の授業での朗読。いつもかぼそい声で消え入るように呼んでいたのが、ちゃんとはっきりした大きな声で朗読できるようになったのだ。 変化は、まだ続く。 体育のバスケットボールの時間、クラスメートに 「いくよ~」と言葉に出して、ボールを投げ返せるようになった。 長い間、弾くのが怖かったピアノも、ちゃんと弾けるようになった。 そして、ちょっとオシャレにもなった。 シンヤは、優しい人で、リサイクルショップでお客の小さな女の子と母親が持ち込んだた小さなオルゴール、お店はもう直せないと断るのだが、シンヤはその小さな女の子のために苦労してただで直してあげる。 子供の頃から、ガラクタを拾ってきてそれを直すのが大好きで、いったん直してしまうと、それを欲しがる人に、なんのためらいもなくあげてしまった。 一回、直してもらったモノは、直してくれた人のことをず~っと覚えているのだから、それでいいのだと。 この言葉の意味を、ぼくは映画を観終わってから、分かった。そういうことなのかと。 お互いを信頼し始めた頃、シンヤが東京に仕事で出かけるから、その時会おう、と約束する。 そして約束の午後3時過ぎ、横浜のバスターミナルで待ち合わせた二人に、衝撃的な出来事が起きてしまう。 ここからネタバレなので書かないが、その出来事があってから、リョウは、頭のケータイで、1時間時差がある(1時間遅れの)リョウに電話して、 「もうあなたが大きらいだから、会いに来ないで!」と叫ぶ。 あれ、これは、かなりネタバレしているなぁ。 そして、今度も。。。。。 ある日、リョウはシンヤの住んでいた長野を訪ねてみる。 そこはすごく緑に囲まれ美しい場所だった。 すごく見晴らしのいい高台で、リョウは、 「私は元気ですよ~~、元気に生きてますよ~~」と大きな声でさけぶ。 この映画は、景色、情景がすごく美しい。 横浜の高台、デートをした鎌倉と湘南の海岸。 長野の田舎の景色。 どこも緑あふれ、あかるい光と風を感じることが出来る映像だ。 横浜と湘南の海で、こんなに綺麗な景色のところってあったかなぁ? と、すぐにはロケ場所が分からない。 ロケ地選びには、相当こだわった映画だと思う。 とてもせつない、ストーリーなのに、観終わったあと、とても暖かい気持ちになるのと同時になんか、すがすがしい、晴れやかな気持ちになる。 リョウの変化を演じた成海璃子の演技力もすばらしい。 最初は、自分に自信がなく内気で暗い孤独な女の子だったのに、 それがだんだん、自分に自信を取り戻し、明るく元気な女の子に変化していく。 その変化を見事に演じ分けている。 最近、ぼくな彼女の主演映画、『神童』、『あしたの私のつくり方』を映画館で見たが、『きみにしか聞こえない』が、一番素直は自然な感じがした。 本人は、もっと強気な女の子らしいが、そんな強気で、でも10代の純粋さとひたむきさを感じさせる、本人と同じような役柄の演技は前から上手だったが、 内気で繊細で傷つきやすいちょっと暗い子、というのは本人の性格とは違って演じにくかったのではないかと思う。 しかし、インタビューで彼女は、「芝居の中のことはおぼえていないですよ。だって、私の中で、リョウが自然にしゃべりだしましたから」 と答えている。彼女は1982年生まれ、今年15歳になる。 ぼくが最初に、彼女の存在感に驚き、彼女に注目したのが、ドラマ『瑠璃の島』の時で、彼女が東京から沖縄の小さな島にやってきた女の子を演じたそのときは、まだ13歳だった。 これは驚くべき演技力としかいいようがない。 長澤まさみさん、ごめん。あなたより、成海璃子のほうが演技、上手いと思います。 長澤まさみの演技を見ていると、「癒され」ます。 成海璃子の演技を見ていると、「元気に」なります。そんな違いを感じました。 まだまだ15歳の女の子。そんな少女に感銘している自分はなんだ、とちょっと思いながらも、これからますます大きな女優として成長していくであろう、成海璃子。大注目だし応援していきたい。 「きみにしか聞こえない」 オススメの映画です。 おっと、最後にドリカムの作った主題歌がまたいい。 即納!■送料120円■通常盤■DREAMS COME TRUE CD【きみにしか聞こえない】07/6/13発売 映画の内容にあわせて、ひとはみな誰かと誰かにつながっている。そんなメッセージが込められていると思うが、 ♪誰かに(自分の声が)届いている。 誰かがこたえている♪ このサビの部分がとてもいい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[音楽と映画・ドラマ・TV] カテゴリの最新記事
|
|