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ラスタ・パスタのレレ日記

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2007年10月21日
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テーマ:Jazz(1965)
カテゴリ:音楽:ライブ
(1から続く)

さて、ここで
ラリー・グラナディア(b)
ジェフ・バラード(ds)


のふたりが登場して、カルテットの演奏に移行する。

カルテット中
【CD】パット・メセニー&ブラッド・メルドー /カルテット<2007/3/28>
パット・メセニー&ブラッド・メルドー/カルテット
 カルテット / パット・メセニー&ブラッド・メルドー
カルテット


演奏は

05. A Night Away 
06. Santa Cruz Slacker 
07. En La Tierra Que No Olvida 
08. Ring Of Life
09. The Sound Of Water
10. Towards The Light
11. Vera Cruz 


5,6,7,9,10が、CD「メセニー・メルドー・カルテット」から。

「A Night Away」は、同CDの冒頭の曲だが、

ドラムスのスティックのおとから始まり、
ラリー・グラナディアのアップライト・ベースがはずんだ音を出す。

パットが、弦を高音から低音にスライドして、ぶ~ん、という音を出す。
これなら、かつてのパット・メセニー・グループのような、アコースティック感が出ていて非常にいい。
もちろん、当時と音楽性は違うが、アコースティックなジャズのリズムの上を、透明感あるギターが響き渡る感じは最高に気持ちい。

8曲目の「Ring Of Life」は、デュオCDで、ドラムスが参加していた曲。
ギターも往年のパット節が気持ちい。

ドラムスのジェフ・バラードは、不思議なミュージシャンだ。頭を左にかたむけて、一生懸命、パットとメルドーの演奏を聴きながら敏感に反応している感じ。

ドラムスのソロも、シンバルとスネア、タムが中心で、
いわゆる最近の、バスドラを連打するような、ヘビーなドラムスではない。

どこで、リズムをとっているのかと思うようなドラムスだが、変幻自在のドラミング、その柔軟性は驚くべきものがあった。

メルドーとドラムスの追いかけっこのような演奏も素晴らしい。
このカルテット、実に一体感があると思ったが、それもそのはず、メルドーのトリオにパットが参加している、という形なのだ。

しかし、パットのギターがシンセ音を出し始めた頃から、完全にパット主導のパットの音楽に変化している。

パット・メセニーがシンセ音を使うのは、透明な感触のまま、スピード感や上昇感、いっぱいいっぱい、ぎりぎりの上空飛行をしているような表現をしたいのだとわかる。

パットのギターがまた元の透明感あるアコースティックな感触音に戻る。

9曲目の「The Sound Of Water」で、
パットが不思議な弦楽器を持ち出した。

12弦と6弦のダブルネック・ギターに、
サウンド・ホールをまたぐように、別の弦(4弦~6弦くらい)があり、

ここまでなら、ジョン・マクラフリンが、インドのシタールの音を表現したくて、こういう楽器を演奏していたことがあるが、パットの楽器は、さらに、

さっきの弦とは対角線上に、放射線のようにギターのボディに広がっていく弦(8~10弦くらい)

がついているのだ。これを使って、不思議な、ちょっとエキゾチックな演奏をした。

10曲目の「Towards The Light」で、

パットのギターのシンセ度がたかまり、いっきにエンディングにまで高まっていく。

カルテットになってからの演奏を聴いていると、

きっとパット・メセニーというひとは、頭の中に原風景のようなものが映像としてあって、それをギター、音楽と言う形で、ひとびとに魅せているのではないかと思った。

この原風景は、透明感があり洗練されているが、決してヨーロッパの風景ではない。
アメリカのどこか中西部の、荒涼とした、雨風がときどき吹くような、そんな風景なのではないかとおもう。

パットは、ギターでその風景を表現しているのではなく、頭の中にもともとある映像を音楽として、外側に出している。
だから、彼は、ギターという楽器の、アコースティック度にあまりこだわらず、きいきい限界まで「明るい緊張感とスピード感」を感じさせるシンセ音が必要なのではないかと思った。

ベースのラリー・グラナディアとドラムスのジェフ・バラードは、目をつむりながら一生懸命、集中してパットの音に耳を傾けながら演奏しているのは、きっと彼らも、その映像を観たい、または自分達の頭の中に必死に映像を描き出しながら演奏しているからではないかと、ふと思った。

メルドーは、長年のパット・フリークなので、そのへんがごく自然に出来るのだろうと思おう。

最後の曲は、なんとブラジルのミルトン・ナシメント
「Vera Cruz」

圧倒的な浄化感というのか、観客も、原風景を見せられたかのような高揚感でステージは終わった。

もちろん、会場はアンコールを求める大手拍子と歓声。

再びあらわれたメセニーとメルドー、まずデュオで

12. Bachelors III

を演奏。アンコールの声と手拍子は鳴り止まず、カルテットで

13. Say The Brother's Name

を演奏してステージは終わった。

ひさびさに聴いた良質の音楽。久しぶりに堪能したパット・メセニー。
素敵な夜だった。







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最終更新日  2007年11月29日 20時27分40秒
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