カテゴリ:私のすきなこと
今回は妹背山女庭訓(いもせやまおんなていきん) (庭訓とは教訓というような意味で女性に対する教訓ということだろうが、この話に出てくる様々な女性の生き方を考えてくださいということかと私は思っている) 妻たちの忠臣蔵とか女太閤記のように、歴史上の事件の陰にいた女性たちに焦点を当てた物語である。 ここでは「大化の改新」という事件を軸にした様々な人間模様が描かれている 。 第一部は雛鳥と言う娘と久我之助の悲恋を中心に物語が展開していく。 (前提 ) 天智帝は目を患い政務を執ることができず、蘇我蝦夷子は天皇の代理として権力を揮っている。そして政敵藤原鎌足に謀反の疑いありとと言いがかりをつけて、蟄居させているところ。 小松原の段 春日大社に近い小松原で久我之助が休んでいるところに雛鳥と言う娘が腰元をしたがえて登場する。久我之助を見た雛鳥は一目見るなりビビビと恋に落ちてしまう。 雛鳥の様子で気持ちを察した腰元たちが、うまくとりなして、雛鳥は久我之助の横に座らせ、二人は楽しく語らっていい感じになる。 そこへ、蝦夷子の家来玄蕃(げんば)登場し、「かねてより領地のことでもめている、大判事(官職名)の息子と太宰少弍 (だざいのしょうに官職名)の娘がこんなところでいちゃついているとはあきれて物も言えん。この事みんなに言いふらそう。」と騒ぎ立てる。 お互いの素性を知った二人は、お互いの家がこういう立場では添い遂げることはできないのかと嘆き合うのだった。 腰元の機転で雛鳥は家に帰る。 久我之助が残った所に、御所からの使いが現れ、帝の寵姫采女の局(うねめのつぼね)が行方不明になったと知らせる。久我之助は采女の局の警護役だったのだ。この事蝦夷子に注進しようと玄蕃も去っていく。 宮中に戻ろうとした久我之助の前に采女の局が登場する。引きとめる久我之助。 采女は藤原鎌足の娘で、蝦夷子が我が娘橘姫を宮中に入れるのに邪魔な存在になるので、鎌足を失脚させた。「私が宮中にいれば、父も私ももっといやがらせをされるでしょう。宮中を出て父のもとに行きたいのです。」 久我之助は采女に同情し、咎めをうけるのを承知で采女を逃がしてやるのだった。
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