今日の桜
合邦の曳き車に俊徳丸をのせ、歩き出そうとする浅香姫
(つづき)
再会を喜んでいると、次郎丸が家来を引き連れて現れ、「浅香姫がいる、俺の女房になれ。」拉致しようとする。入平はそれに応戦して、敵を追っていく。俊徳丸と浅香姫が入平を待っていると、次郎丸が戻ってきて、浅香姫を連れて行こうとする。
寝ていた(様子を見ていた)合邦が起きだし、次郎丸を抑えて、浅香姫に「俊徳丸様をその車に乗せて、西へ走りなさい」と指示する。浅香姫は車を引いて駆け出す。次郎丸は合邦に万代池に投げ込まれてしまう。
合邦住家の段(がっぽうすみかのだん)
合邦の家では近所の人を集め念仏講をしている。
「今日はまた常にも増してのおもてなし。仏壇にも新しい戒名がありますが・・・」
合邦「長い間あっていない親せきで、亡くなった人がいると話に聞いたので回向のつもりです。」(娘が死んだものとして、回向をしている)
近所の人が去った後で「娘お辻は継子に言い寄った挙句、夫を捨てて家を出た。今頃は通俊様が追っ手をかけて、娘は成敗されているであろう。そのようなふしだらな人間に育てた覚えはないのに」と二人で嘆いている。
ところが、娘の玉手御膳(お辻)が親を訪ねてくる。
合邦はお前の顔など見たくないと一度は突っぱねるが。娘から「いろいろ説明したいこともあるので、中に入れてくれ」と言われ、中へと入れてやる。
母は継子に言い寄ったなどのうわさは嘘であろうと、言うが
玉手「どうしたわけか、俊徳丸様に恋しい思いが募り、夜も眠れません。この気持ちを汲んで、私と一緒に俊徳丸様の行方を探してもらえませんか。」
この言葉に合邦は激高「何を言うか、そなたが通俊様に望まれて、後妻となった時、娘のつてでよい目をすると人に思われないように、親兄弟はなしということで通させたが、それでも、お前を通じて過分な合力金をいただいた。勝手に家を出たお前を、打ち取りもせずみのがしてくれているのは、通俊様のご厚情。それを思えばなんとしても、自分の思い断ち切るのが人の道、わしがお前を成敗してくれるわ。」
妻はおおいにあわて「命だけは許してやってください。私が何とか説得してあきらめさせます。せめて一刻でも時間をくれたら、こうなったら尼にでもさせて、ご迷惑をかけた人に許しを請うしかないでしょう。」
玉手「私は尼なんぞなりたくありません。もう少し若作りして派手にしたらいいかしら。俊徳丸様もきっと気に入ってくれるでしょう。」とまだいう娘を引き連れて妻は奥の部屋に入っていく。
(つづく)
今日もはりきってお散歩しています。いつも楽しいこといっぱいです。byコロ