約束のネバーランド~「捕食による能力向上」は正か否か
ペラグラ脳症とかウェルニッケ脳症とかあるじゃん。子供の脳は、鬼の必須アミノ酸なんだよ!【美味しいものを食べると、優秀な子供に育つ?】『捕食によって得た遺伝子が水平伝播を介して獲得形質となって遺伝する』って話とは別にね。やっぱ、「美味しいモノ」「快適な生活空間」っていうのは能力を向上させるっていう現実がある。そして、同じ環境であっても、個体に優劣差は出てくるんだよ。まず、狭い限られた例として。毎日、美味しくて栄養のある食事をして、優しい母親に世話をしてもらった個体。毎日、食べる楽しみもなく栄養価の低い食事を与えられ、必要最低限の言葉しかかけられなかった個体。そこに能力の差がでるのは明らか。ロシアだっけか?実際に、孤児院で明確な環境の差をつけたら、能力に差がでてきたって実験をしたのは。『人間は環境か素材か』みたいな論争に決着をつけるために、孤児院で「優しく世話をしてもらった群」「白い壁で覆われて声掛けも無く食事だけ与えられた群」に分けたら、「良質な刺激がなく栄養だけ与えた場合には白痴化する割合が非常に高くなる」んだったよね。なので、鬼ってやつが「基本的に白痴水準の知能しかない」ってことにして、栄養価の高い食事によって能力の向上が望めるっていうのは不思議じゃない(←いや、不思議で良いんだけどネ次に、大きな世界で考えた時。ジャレド・ダイアモンドの「鉄・銃・病原菌」でも示されているように、継続的な良質の食事は民族や地域における文明の差を生む。食糧の獲得に時間や手間がかかれば、その時間の分だけ文化的な思考や作業に割く時間が減る。小麦や米などの炭水化物を得ることが容易である地域は、文明の進歩が速い。大豆やトウモロコシのような植物を主食としていた地域は、文明の進歩が遅い。大豆は蛋白質が主体で、脳内に充分な糖分が届かない。トウモロコシ主食ではトリプトファンが欠乏する。そのため、ユーラシア大陸(小麦・米を主食とする地域)では文明の発達が早く、アメリカ大陸では文明の発達が緩やかだったという説がある。これをネバーランドの鬼に当てはめると、「人間の子供の脳にある何らかの栄養素を鬼は自力で作りだせず、子供の脳を摂取することでしか得られない」っていう考え方。人間は、必須アミノ酸だとかビタミン類だとかを外から摂取しなくちゃいけない。鬼はそれと同様に、「人間の子供を摂食することでしか得られない栄養素」があり、その栄養素が欠乏すると脳症を起こして知能が低下する。ほら、人間でもビタミンB欠乏脳症とか、葉酸欠乏脳症とかあるじゃん。あんな感じよ。微量元素欠乏脳症とかで知能が低下した人間だって、動物みたいに外見が変わるわけじゃない。鬼も、鬼のままだけど、野良鬼みたいになっちゃうんじゃないの?水平伝播だとか7つの壁の向こうの鬼だとかよりも、こっちのほうがもっともらしくない?でも、このアイディアって書きながら思ったんだけど、既にどっかで使われてた気がする。多分、そっちを読んで、ネバーランドの原作者が水平伝播にすり替えたんだな…。でもって、それはfakeで、元から作ってあった「7つの壁の向こうの鬼」に帰着すると。タノシミですねー。