テーマ:カクテル大好き!(496)
カテゴリ:カクテル誕生の逸話
◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(1)
【おことわり】レシピは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、違う材料でつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。 1.アディオス・アミーゴス(Adios, amigos) 【レシピ】ホワイト・ラム(30)、ブランデー(15)、ジン(15)、ドライ・ベルモット(15)、ライム・ジュース(またはレモン・ジュース)(20) 【スタイル】シェイク 【グラス】ラージ・カクテルグラス 3種類のスピリッツをベースにした、ユニークなカクテル。スペイン語で「さらば、友よ!」との意味のカクテルだが、誕生の経緯や考案者は不明。おそらくは、友との別れに際して、飲むカクテルとして考案されたのだろう。 著名な「トレーダー・ヴィック・バーテンダーズ・ガイド(Trader Vic Bartender's Guide)」=1947年刊=でも紹介されており、欧米では少なくとも1940年代には誕生していた可能性が高い。日本にも1950年代には伝わっていたものと思われる。 欧米の専門サイトでは、同名で別レシピのものも紹介されているが、こちらはとてつもない量とアルコール度数のヘビーなカクテルである。レシピ(=2人分に匹敵する量!)は、ゴールド・テキーラ(20)、ダーク・ラム(20)、ジン(10)、ウオッカ(10)、アマレット(10)、グランマルニエ(10)、カルーア(10)、トリプルセック(10)、クランベリー・ジュース(適量)。シェイクしてロック・スタイルで。 【確認できる日本初出資料】カクテール全書(木村与三男著、1962年刊)。 ************************************** 2.アドミラル(Admiral) 【レシピ】ヨーロピアン・スタイル:ジン(30)、チェリー・ブランデー(20)、ライム・ジュース(15)/ アメリカン・スタイル:ドライ・ベルモット(40)、バーボン・ウイスキー(20)、レモン・ジュース(15)、レモン・ピール 【スタイル】シェイク 【グラス】カクテルグラス ヨーロピアン、アメリカンという2つのレシピが伝わるが、そのレシピの違いから考えると、それぞれ独立した形で考案されたと考えるのが、無難だろう。 「アドミラル」とは海軍提督の意。おそらくは英国内(海軍内?)発祥のカクテルと思われる。英海軍では、上級士官にはジンが、下級士官にはラムが支給されるのが一般的だった。上級士官でも将官クラスになると、パーティーなどではこのようなカクテルが振舞われたという。 ヨーロピアン・スタイルの誕生経緯や考案者ついては詳細不明だが、有名な「シンガポール・スリング」の現代レシピ(ハリー・クラドックが1920年代に考案)によく似ており、このバリエーションとして誕生した可能性も。 なお、アメリカン・スタイルが考案されたのは、1933年以降(米国の禁酒法廃止後)の30年代で、考案者はあの有名なジャズ・ミュージシャンのべニー・グッドマンと伝わり(欧米の複数のWEBサイト情報)、1956年刊の「エスクワイア・ドリンクブック」でも紹介されている。 欧米では、この「アドミラル」を取り上げているカクテルブックはなぜか少ない。現時点で確認した限りでは、「トレーダー・ヴィック・バーテンダーズ・ガイド」(1947年刊)くらい。日本では、1971年発行の文献がヨーロピアン・スタイルの「アドミラル」を紹介しており、少なくとも60年代には伝わっていたと思われる。 なお国内外のWEBサイトでは、カクテル「アドミラル」は数多く紹介されている。内訳では、ヨーロピアン・スタイルが優勢で、アメリカン・スタイルは2割ほど。 【確認できる日本初出資料】カクテルの本(間庭辰蔵著、1959年刊)※ジン・ベース ************************************** 3.アドニス(Adonis) 【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021/07/03 11:01:39 AM
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