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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2016/12/15
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20.カイピリーニャ(Caipirinha)

【現代の標準的レシピ】カシャーサ(ピンガ、アグエルデンテ、カニーニャなど他に様々な呼び方もある)(45~50)、ライム(1個分)=8等分にカット、シュガー・シロップ1tsp、クラッシュド・アイス 【スタイル】ビルドまたはシェイク

 カイピリーニャは、ブラジルを代表する国民的なドリンクですが、近年は欧米のみならず日本でのバーでもかなり知名度の出てきた、爽やかな柑橘系の味わいのラテン・カクテルです。

 発祥は、ポルトガルの植民地だった16世紀と言われています(出典:Wikipedia英語版ほか)。現代に近い形のカイピリーニャは19世紀半ばに遡り、カクテル史に詳しい米国のバーテンダー、ジム・ミーハン氏によれば、「(ベースの酒である)カシャーサの産地のパラチーで見つかった1856年の文書にカイピリーニャのレシピが確認されている」とのことです(出典:Meehan's Bartender Manual)。また、(裏付け資料は明示されていませんが)1910年代、サンパウロ州ピラシカーバという町で風邪薬代わりに生まれたドリンクが起源だと伝わっています(出典:http://blog.goo.ne.jp/catmananfa/e/ほか)。

 「カイピリーニャ」は、かつては「カイポーラ(Caipora)」(ポルトガル語で「田舎者」「田舎に住む人」の意)、または「カイピーラ(Caipira)」と呼ばれていました(※「カイピーラ」はインディオの言葉<トゥピ語>のクルピーラ<Curupira>に由来し、元々は「森の守護神」の意。現代では、「内陸部に住む人のこと」を差す言葉として使われていたと言います)(出典:http://tabatashingo.com/top/caipirinha/ほか)。

 しかし、若い女性がつくることが多かったため、その後、「カイピリーニャ」(「田舎娘」「田舎のお嬢さん」の意)と呼ばれるようになり、この名で定着したようです(出典:Wikipedia日本語版のほか、 http://blog.goo.ne.jp/catmananfa/e/ にも)。なお現代のブラジルでは、「田舎者」という意味で使うことはほとんどなく、このカクテルそのものを指すということです(出典:Wikipedia英語版)。

 ベースのお酒「カシャーサ」はサトウキビから造られたブラジル特産の蒸留酒で、ラムに近いスピリッツです。ラムはモラセス(廃糖蜜)から造られるのに対して、こちらは生のサトウキビの絞り汁を加水せずに直接発酵させ、蒸留して造ります。ラムよりも濃厚で風味豊かなホワイト・スピリッツです(出典:「Cachasa」のWikipedia英語版)。

 このカクテルが世界的にブレイクしたのは、カシャーサがブラジル国外へ広く輸出されるようになった90年代に入ってからです。それゆえ、欧米のカクテルブックで紹介している本は、近年までほとんどありませんでした。現時点で確認した限りでは、「ニューヨーク・バーテンダーズ・ガイド」(Sally Ann Berk著、1995年刊)が欧米での初出文献で、他に掲載例が確認できたのは「クラフト・オブ・ザ・カクテルズ(The Craft Of The Cocktails)」(Dale DeGroff著、2002年刊)、「カクテルズ(Cocktails)」(James Butler & Vicki Liley著、2007年刊)等です。

 プロのバーテンダーなら、ベースをカシャーサの代わりにウオッカを使えば、「カイピロスカ」という名のカクテルになることは常識かもしれませんが、ラムをベースにすれば、「カイピリッシマ」というカクテルになります。また、近年ではライムに加えて(あるいはライムの代わりに)、様々なフルーツ(パッション・フルーツ、キーウィ、イチゴなど)を使う様々なバリエーションが登場しています。

 日本には、1970年代以降に伝わったと思われますが、街場のバーで認知され始めたのは90年代以降です。ブラジル生まれということもあって知名度はいまいちだったのですが、ラテン・アメリカ圏のカクテルがポピュラーになってきた近年、日本のカクテルブックでも掲載される機会は多くなっています。

 【確認できる日本初出資料】HBAバーテンダーズ・オフィシャル・ブック(HBA編、2006年刊)(※もし、1970~90年代の日本のカクテルブックで紹介している例をご存知の方があればぜひご教示ください → arkwez@gmail.com までお願いします)。



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Last updated  2023/01/15 05:52:08 PM
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うらんかんろ

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