25.コスモポリタン(Cosmopolitan)
【現代の標準的なレシピ】 (単位ml)ウオッカ(40)、コアントロー(またはホワイト・キュラソー、トリプルセック)(15)、ライム・ジュース(15)、クランベリー・ジュース(30)=以上IBA・国際バーテンダー協会の標準レシピ(分量は計100mlで日本のバーで通常使うカクテルグラスでは多すぎるため、「ウオッカ(35)、コアントロー(10)、ライム・ジュース(10)、クランベリー・ジュース(15)」くらいが適切か) 【スタイル】 シェイク
※お好みでオレンジ・ピール(グラスのふちにオレンジの皮を添えて、皮の油脂分に火を付けて供することも)をしたり、飾りにはライム・ツイストを添えたり。
1970~80年代に米国内で生まれたという説が一般的ですが、その誕生の経緯については以下のような様々な説がありますが、現在でも決着は付いていません(長年の間に、複数の人が関わりながら、現在のレシピに発展していったという説もあります)。カクテルの歴史に詳しい米国のバーテンダー、ジム・ミーハン(Jim Meehan)氏は自著「Meehan's Bartender Manual」で(5)の説を支持していますが…。
(1)1970年代、米マサチューセッツ州プロヴィンス・タウンのゲイ・コミュニティから生まれた(出典:Wikipedia英語版ほか)。
(2)1980年代、サンフランシスコの「ジュリーズ・サパー・クラブ(Julie’s Supper Club)」で誕生した(出典:PBOのHP)。考案者は、このクラブのオーナー・バーテンダーであったジョン・ケイン(John Caine)で、1987年頃(同:Wikipedia英語版)。考案の時期については90年代という説もある。
(3)フロリダ州サウスビーチ・の女性バーテンダー、シェリル・クック(Cheryl Cook)が1985年または86年に考案した。ただし、クックのオリジナル・レシピは、シトロン・ウオッカをベースにトリプルセック1dash、ローズライム・コーディアル1drop、クランベリー・ジュース(適量)というもの(出典:同)
(4)現在知られている標準的なレシピ(上記)の「コスモポリタン」は、ニューヨークの女性バーテンダー、メリッサ・ハフスミスが1987~88年頃考案した。彼女は友人からフロリダのクックのバージョン(上記3)を聞いて、それに改良を加えたという(出典:同)。
(5)現在知られている標準的なレシピについては、ニューヨークのトビー・チェッキーニというバーテンダーが1987年(1988年説も)頃、フロリダのクックのバージョン(上記3)を元に考案したという(出典:同)。トビーが働いていた「ジ・オデオン」という店には、ルー・リード、キース・ヘリング、ジョニー・ディップ、マドンナら著名人が多く、彼のつくる「コスモポリタン」を気に入っていたという。
【注】前述のミーハン氏は、クックのレシピについて「ウオッカ、ライム・コーディアル、グレナディン・シロップのカクテルだった」と記す。
(6)1934年に米国で出版されたカクテルブック「Pioneers of Mixing at Elite Bars 1903-1933」に、禁酒法時代のジン・ベースのよく似たレシピのカクテルが掲載されている=名前は不詳。レシピは、「ジン45ml、コアントロー15ml、レモン・ジュース30ml、ラズベリー・シロップ1tsp」。このカクテルが原型となり、ベースがウオッカに代えられて、後年「コスモポリタン」となった可能性があるという(出典:Wikipedia英語版)。
コスモポリタンとは「国際人」「世界主義者」の意(あるいは「ニューヨーク」そのものを指すとも)。その甘酸っぱくて爽やかな味わい、美しい色目もあって、90年代以降、大都市を中心に全米で爆発的な人気を得るようになりました。とくに米国の人気TVドラマ「Sex And The City」(1998~2004年に放映)で、主人公たちがバーでよく頼んだことから、さらに人気に火が付きました。
現代でも、とくにニューヨークのバーの女性客の間では、常に人気ベスト5に入っているカクテルと言われています。映画「エビータ」(1996年公開)に主演した歌手・マドンナが、撮影中に好んで飲んでいたことでも知られています。
「コスモポリタン」が欧米のカクテルブックに登場するのは、、現時点で確認できた限りでは、「Complete world bartender guide」(Bob Sennett著、1993年刊)、「New York Bartender's Guide」(Sally Ann Berk著、1995年刊)あたりが最初期です(後日、もう少し早い時期の紹介例が見つかるかもしれませんが)。
日本にも90年代後半には伝わり、2000年以降は都市部のバーでは普通に提供されるようになりました。しかし、知名度はあるのに(意外なことに)収録しているカクテルブックは極めて少ないという不思議なカクテルです。確認できた限りでは、90年末が初出です。
【確認できる日本初出資料】 「ザ・ベスト・カクテル」(花崎一夫著、1998年刊)。レシピは、「ウオッカ2分の1、ホワイト・キュラソー6分の1、クランベリー・ジュース6分の1、ライム・ジュース6分の1(シェイク)」となっています。※もし70~80年代のカクテルブックでの紹介例をご存じの方はぜひご教示ください(→ arkwez@gmail.com までお願いします)。
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2023/01/15 10:47:33 AM
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うらんかんろ
大阪・北新地のオーセンティック・バー「Bar UK」の公式HPです。お酒&カクテル、Bar、そして洋楽(JazzやRock)とピアノ演奏が大好きなマスターのBlogも兼ねて、様々な情報を発信しています。
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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。