カテゴリ:我が社のないしょ話
大変なことになった。
私はいつも私の近所に住む(つまりミラノの果ての)レセプションの女の子と同じ時間に 誰よりも早く出社する。今朝、会社に着いて玄関のドアを押すと開いていたので、ああ、今日は彼女が先に着いたか、と中に入った。でもすぐに彼女のふくよかな背中にぶつかって後ろにのめった。 みると彼女が呆然と入り口に立ちふさがっている。「どうしたの?」中をみたいが 彼女の面積が大きくてみえない。 「みて!」と彼女がどいた。レセプションのシャッターがやぶられ 窓が開いている。全ての棚の戸が全開になり、書類が床に散らばっている。 やがて社長が来た。 「またか!」と言う。そう、実は数ヶ月前もやられたのだ。しかも真っ昼間、レセプションの横の部屋の社長が留守でレセプションの女の子、マリーナが風邪で休んでいたとき。そのときは社長室からめぼしいパーソナルコンピューターなどが盗まれただけだった。 だが今回は違う。会社中の棚や引き出しが全部開けられ、調べてみるとパーソナルコンピューター、撮影用のデジカメ、会計士のおねえさんのめがねに至るまでごっそり盗まれている。 救いといえば、金庫は鍵をわからないところに隠していたので無事だった。でも、開けようと試みたらしく鍵穴に金属の破片が詰まっていて、鍵を使っても開けられなくなっていた。 社長はざっと見渡した後、ため息をついて「警察に電話して、バールでコーヒー飲んでくる。」と出て行った。 こんなときにコーヒーかい!!と2人で残されて 不安になっているとあっと言う間に社長よりも先に警察が来た。 マリーナが状態を警察にみせる。警察は念入りに会社中をみていく。ここで気が着いたのが すぐにわかるところにあった小金庫には手をつけてなく、すぐにでも売れそうな新しいDVD、CDが詰まった箱は無事だった。小物には興味がないのか? でもめがねは盗まれたし。。。それでも、大物の会社中のPCは無事。。。わからない。 やっと社長が来た。そしてぞくぞくと社員が到着して、みんな唖然となっている。 レセプションのやぶられた窓のそばに鍵の束が落ちていた。警察が「これは誰のものですか?」と聞く。みんなが首を振る。なんと、まぬけな泥棒は重要証拠を残していったのだ! 警察が拾い上げて丹念にみる。キーホルダーはベネチアの中古車センターのものだった。つまり、この泥棒は はるばるベネチアから出稼ぎにきたんだろうか? 社員のひとりが「ここから指紋が割り出せるじゃん!」と叫ぶ。警察は首を振って「いやあ、指紋なんてほとんどの場合残らないか、崩れているものなので割り出せないですね。」と。 これには私たち全員は うそだ! と思った。警察はミラノじゃ日常茶飯事な盗難にわざわざ手間ひまかけて、指紋から犯人を割り出すなんてしたくないんだろう。 そのあと警察はいろいろと社長に事情聴取をしたあと、出て行く前に私たち全員にこう言った。 「みなさんご存知だと思いますが、ミラノの南で毎日曜日、開かれる市があります。(通称どろぼう市。盗品ばかりが売られているので有名なサンドナート市、というのがある。)今週末からしばらく そこに通って、おたくの会社から盗まれたものが並べられていたら こっそり警察に通報してください。我々はすぐにかけつけます。」と。 つまりは自分らで泥棒をみつけろ、ってことね。 数ヶ月前に盗難にあったとき、被害品に保険はかけてあったが、すぐに届け出たのに、まったく保険会社からも音沙汰なし。どうやらミラノは盗まれた者損なようだ。 ところで、前回の答えを発表します。 答えは 2.金魚を買った。でした。 と、いうのは 3ユーロと聞いたとたん、あまりにも安すぎて、おっとの中で「どこかから盗んで来た犬?」「もしかして病気持ち??」と迷いが生じたのをみて、すかさず私が話題を変えて おじさんから、金魚1匹 4ユーロを、3匹 5ユーロで売ってもらったからでした。 金魚もとても愛嬌があります。その話はまた別の機会に。(覚えてたらね。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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