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テーマ:猫のいる生活(136229)
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H.G.ウェルズが1898年に発表したSF小説「宇宙戦争」は、宇宙から火星人が襲撃してきてイギリス南東部をほとんど破壊してしまうお話ですね。
これにヒントを得て映画「第三の男」でお馴染み、アメリカの俳優で映画監督 オーソン・ウェルズが担当していたCBSラジオの「マーキュリー放送劇場」で「宇宙戦争」の舞台を現代のアメリカに置き換えて臨時ニュース形式で放送したところ、これを本当のニュースだと勘違いした聴取者が「すわ、火星人来襲!」とパニックをおこした有名な話がありますね。 ところが調べてみたら、パニック現象は全く確認できず、番組を事実と信じた聴取者はほとんどいなかったことが分かっています。 かなり以前にご紹介したブラジルのアーティスト"エンリケ・アルヴィン・コレア"が1906年にウェルズと相談しながら描いたイラストがみごとな出来で、これの複製版が今でも売られています。 「宇宙戦争」は過去に2度映画化されてます。 どちらの作品も登場する火星人の兵器は似たようなものですし、火星人そのものもよく似ています。 1本目に映画化されたのは1953年で、昔、TV朝日で放映してた西部劇「バット・マスターソン」の主役を演じてたジーン・バリーとアン・ロビンソンと云う女優が主役を努めていた作品です。 舞台は2本目としてご紹介する作品と同じくイギリスからアメリカに変更になってますが、大筋はウェルズの原作に忠実ですね。 ただ、この作品では原作に登場する「トライポッド」と呼ばれる三脚型の機械から、「マーシャーン・ウォー・マシーン」と呼ばれるUFO型の宇宙艇に変更されてます。 この作品で、前出1953年の映画でヒロインを演じてたアン・ロビンソンは、トム・クルーズの義母役で出演してます。 まぁ、スピルバーグらしい遊びですな。 どちらもスピルバーグのが有名になったので、陰に隠れてしまったのですね。 ひとつは「H.G.ウェルズ 宇宙戦争 -ウォー・オブ・ザ・ワールド-」で、もう1本は「ザ・カウントダウン 地球大戦争」と云う作品なんですが、私は観たことありません。 どっちにしてもウェルズの「宇宙戦争」が同年に3本も映画化されるなんて、2005年は「宇宙戦争」の当たり年だったのですね。 映画はそんなとこなんですが、2019年には、イギリスのBBCが12億円の制作費をかけてTVドラマ化してます。 このときの作品は全4話と云う力作なんですね。 そしたら今年になって、また「宇宙戦争」のTVが宣伝されてます。 こっちは詳細がつかめなかったので、ご案内できませんが、映像がどんどんエスカレートしていってます。 どの作品も原作そのままに「トライポッド」を火星人の攻撃の主軸において(1953年の作品だけUFO)、ワザと古典的な雰囲気づくりをしてます。 今ではCGが発達しすぎて、どんなに見事な映像でも、映像そのものだけで感動は薄いですものね。 まぁ、しかし、そんな事態になってるとはつゆ知らず、ひとり悪者にされてる火星人にはいい迷惑です(笑) ところが ここに来て、2014年にもう1本、別の「宇宙戦争」が制作されてるの知ったのです。 こっちの制作は「ヒストリーチャンネル」と云う衛星放送で、日本でもスカパー!などのケーブルTVやHuluなどのデジタル配信でも放映してるので、この作品をご覧になった方は多いのでは? しかも この作品、いかにもドキュメンタリータッチなんですね。 どこがドキュメンタリーかと云うと、使ってる映像が実際の第1次大戦のときのものなのです。 要するに第1次大戦で戦ったのは連合国対ドイツ帝国を中心にした中央同盟国ではなく、地球人対火星人の戦い。 つまり、地球は未曽有の危機に際して、一致団結してると云う構図なんですな。 実際の戦争フイルムを使うのは不謹慎なんですが... 火星人は最後に地球のバクテリアで滅びるストーリーですから、逆に云えば人類だって未知のウイルス(コロナ)で滅びるかも知れないと云う警鐘なんでしょう。 The Great Martian War 1913 - 1917 Footage Colourised お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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