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テーマ:猫のいる生活(136651)
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みなさまご存知の通り、車に積まれているバッテリー(鉛蓄電池)には、中に液体が入ってますね。
この液体は希硫酸ですから、万一体につくと失明したり、やけどする危険があります。 それとバッテリーには、鉛の電極板も入っていますね。 正極(+)には二酸化鉛、負極(-)には海綿状の鉛が使われており、希硫酸と鉛の化学反応によって電圧が発生し、電気が蓄えられる仕組みです。 古代ギリシャ・ローマでは電気エイや電気ナマズを医療に使用した記録が残ってます。 日本の家庭用電圧は100Vなのに対して、電気エイは60Vくらい発生しますから、かなりの衝撃度だったと思います。 世界で初めて電池(ボルタ電池)を発明したのはイタリアの物理学者ボルタで、1800年のことでした。 ボルタ電池は、正極に銅板を、負極には亜鉛板を用いて、電解液には硫酸を用いるので、現在のバッテリーと同じ原理ですね。 家庭で使われる乾電池の電圧が1.5Vなのに対し、ボルタ電池は0.76Vの起電力しかありませんでした。 1932年(昭和7年)にバグダッド近郊の遺丘であるホイヤットランプファで発掘された土器の壺が今回のテーマ。 出土したのは民家遺構の中で、呪文が書かれた3つの鉢と共に置かれていました。 この壺がパルティアと呼ばれた古代イランの王朝時代(紀元前247年~紀元後224年)の「電池」と推定される器具として、西ドイツのヒルテスハイム博物館で開催された「シュメール・アッシュール・バビロン展」に展示されたことで世界中に有名になったのです。 この壺は「バグダッド電池」と呼ばれています。 壺の大きさは高さ約10cm 、直径約3cm の小さなものです。 どこにでも有るような粘土を焼いて作った素焼きの土器なんですね。 ところが1938年にイラク国立博物館のドイツ人研究者ヴィルヘルム・ケーニヒが「これはガルバニ電池の一種ではないか」とする論文を書いたことがきっかけです。 前述のボルタ電池のように、正極と負極に異なった金属を使って、電解液で満たした電池をガルバニ電池と云いますが、この壺もそのひとつだと。 なぜなら、壺にはアスファルトで固定された銅の筒が入っており、その中にアスファルトで塞がれたシリンダーの中に鉄製の棒が差し込まれていたのです。 また、底に何らかの液体が入っていた痕跡が残っていました。 しかし、アスファルトで口に封をした場合はすぐに電流が止まってしまったそうです。 しかし、もしこの壺が電池だったらどんな用途で? 白熱電球は1800年代中盤、イギリスのジョセフ・スワンの発明まで待たなければなりません(白熱電球=エジソンは誤りです)。 同様の壷がチグリス川河畔のセレウキアや、サーサーン朝時代のクテシフォンなど遺跡から多数発見されています。 セレウキアやクテシフォンの遺跡を発掘した考古学者は壺の中にパピルスの繊維を確認しています。 また、壷が建物の基礎部分から発見されていることから、実際は宗教的な祈祷文を入れて埋める壷であり、金属棒は巻物の芯棒、周りの金属は金属製の保護容器である可能性が高いと考古学者は見ています。 何より壺がでてきた周囲から配線や導体は見つかっていないのです。 壺が実際に電池として使用された場合、それはボルタの電池より千年前に存在したことになります。 古代ギリシャ・ローマ人は電気エイや電気ウナギを使って、痛風で痛みを伴う足が麻痺するまで上に立ってたと述べましたが、バグダッドバッテリーは、よりぬるぬるした鎮痛電気の供給源として使用されたのでしょうか? 記録がまったく残ってないので真相はわかりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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