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PPK手帳 2024

PPK手帳 2024

2017.03.27
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カテゴリ:一日一知


きょねんの今頃は、70年前の「海外からの引揚げ」の記憶を引っ張り出そうと懸命でした。
台湾の基隆港からリバティ船に揺られて紀伊田辺港へ。DDTの洗礼を浴びたあたりはかすかに覚えているが、大分県国東半島の終点までの数日がかりの汽車の旅の記憶は皆無。被災地大阪や広島を経由しているけれど、どんな状態だったのでしょう。途中ナニを食したのでしょうか。排泄はどうしたのでしょう。僕は言葉コンプレックスで吃音状態だったそうです。
今回の『孫たちへの証言』には95歳になる実姉が投稿しましたが、あの厳しい時代を次世代に伝えるのはきわめて難しいですね。
3月16日。朝日の「天声人語」に想像を絶する記憶力の持ち主が登場しました日常のどんな些細なことも永遠に忘れられずに記憶に振り回されているル・プライスという女性です。実話です。現在も研究者が彼女を科学的に測定しているそうです。『忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私』(講談社)。秀逸です。

(天声人語)防衛相の記憶と忘却

1980年12月19日は学校のあと午後7時までベビーシッターのアルバイトをした。翌年の同日、私は灰色のセーターを着ていた。翌々年の同日は……。米国のジル・プライスさんは、8歳の頃からの毎日の生活を鮮明に思い出すことができるという▼「超記憶症候群」という症状だそうだ。楽しいことばかりならいいが、侮辱された記憶や悲しみまで再生される。「胸がえぐられるような思いを何度も繰り返すのはほんとうにつらい」と、著書『忘れられない脳』にある▼想像もできない世界である。私たちは多くの出来事を忘れてしまい、気付かないうちに記憶を書き換えることもある。そんな不確かな記憶を堂々と主張していたのが、この方である▼国有地売却の問題で揺れる森友学園との関係を国会で問われ、稲田朋美防衛相は、「籠池泰典理事長夫妻から法律相談を受けたことはない」「裁判を行ったこともない」と断言していた。ほどなく学園の代理人弁護士として出廷していたことが判明した▼驚くのは、その後の発言だ。「私の記憶に基づいた答弁であって、虚偽の答弁をしたという認識はない」。ロッキード事件以来、国会でのごまかし発言といえば「記憶にありません」だが、その上を行く開き直りである▼勘違いで取引先に迷惑をかけた社員が「記憶に基づいた行動であって問題はない」と言い訳すれば、上司から大目玉を食らうだろう。忘却に基づく言動が不問に付される内閣とは、不思議な空間である。






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最終更新日  2017.03.27 20:27:19


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