サッカークリニッキ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　SOCCER CLINIKKI

「クリ、この前の試合のとき、サイドをドリブルで抜けていったのに、
ペナルティエリア前で２人に囲まれて、奪われたの覚えてる？」
「あー、うん。」
「ルーレットみたいに後ろを向いても、間合いが詰まって、後ろから押されるのにやっと耐えて、
誰かのバックアップを待つしかない状況になる。」
「う・・・ん。」
「思い切って、２人の間にボールを通し、２人の間か、脇をすり抜けて、
前に出れるかどうかの勝負をするしかない。
スピードで勝つか、相手を押さえて強引に行くかのどちらかだ。
それが、できたら、もっと点がとれるぞ。」


【ドリブル練習4　強引突破】

「ゴールは、マーカー。１５ｍ向こうから。DFのオレを抜いてシュートな。
ピッチの幅は、４ｍ。狭いぞ。タッチラインを出たら、腕立て５回。」
「えー。」
「オレはボール取ったら１点。ゴール決めたら、２点やる。」
「うっし。」

「なんでこんなに幅狭くしてやんの？すぐ出ちゃうじゃん。」
「強引突破の練習だ。ペナルティエリアとかバイタルエリアで、
DFが2人とか寄って来たとき、そこをゴールに向かってタテ突破できれば、点になる。
狭いDFの間で、素早い切り返しや連続フェイント、細かなステップが要るだろ？」
「そーだけど、こんなに狭いとすぐぶつかるじゃん。」
「そのとーり。一番大切なのは、絶対突破するぞっていう気合だ。
華麗に抜かなくても泥臭くてもいい。体ぶつけて抜けたり、強引に突破するのが目的だ。
試合じゃ、そんな場面がしょっちゅう来る。抜けたら、嬉しいぞー。
ゴールに繋がる勝負のドリブルだ。しっかりやれ。」
「ふーん。」
「頼りない返事やなー。ほら、来いやー。」

「おー。おまえ、股抜きのバリエーションが増えてるな。」
「えへへ。この前も、パンナ（PANNA・股抜き合戦）で10人達成1番だったよ。」
「小技に走りやがって。」
「おとーさん、こんど勝負してやってもいいよ。」
「やかまし。今は、強行突破の練習や。当りのレベル上げるぞー。」
「おとーさん、休憩して水飲んだほうがいいんじゃない。」
「・・・。そだね。」


【強引突破ゲーム】

「さっきのピッチでゲームやろ。」
「どれ？」
「縦長のやつ。」
「うん。」
「おまえは、マーカーの間で（足裏で踏みつけて止める）ラインゴール。
オレは、シュートでOKな。」
「ずるいよ。じゃー、２点にしてよ。」
「ずるくはねえだろ。おまえの練習じゃんか。オレもう走れない。
おまえのゴールは、２点にしてやる。ちゃんと止められたかどうかは、オレが判定する。」
「いーよー。」
「フランチェンか。」
最初は、テニスボール。次はソフトボール。リフティングボール。４号球。

「体格勝負ならまだ何とかなるぞ。かかってこんかい。」
「来てよ。」
「あほ。ゴール前の攻防で簡単に足出すDFはいないぞ。」
「何で。」
「出したら抜かれる。サポートを待って、二人ではさむ。
そこで待ってたら、相手の人数増えてやられる。
自分から、仕掛けなきゃ意味無し。
自分で、自分の力で突破する練習だぞ。おまえがすぐに仕掛ければ、1対１の勝負だ。
ひるむな。前に、タテに、ゴールに向かえ。」
「うっしゃー。勝ったら、お菓子ね。」
（それかよ・・・。）


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