サッカークリニッキ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　SOCCER CLINIKKI

「クリ、どんな練習だって、考え方ひとつで実のある練習になるぞ。」
「ふん？」
「たしかに、対面で向かい合ってただのパス練やっても、意味なし。世界基準から言うてもな。
試合で、そんな場面なんかないし、動きとプレッシャーの中でできなきゃ、役には立たん。
ましてや、蹴った後もその場に停まってりゃ、なおさらだ。
ウォーミングアップにしたってもったいない。」
「そーでしょ？いくらやっても面白くないしさ。」
「けどな、1対１の対面パスでも、自分の練習になるようにする方法はあるぞ。例えば、
■ パスを受ける前に一旦後ろに下がってから、目印のマーカーの前にダッシュして取る。
敵のマークを外す動きをしてから、受ける。必ず、前に出て受けること。
のんびり受けてたら、敵のインターセプトに遭うから気をつける。
■ パスを受ける前に、首を振って、後ろ、横を確認してからパスを受ける。
■ トラップは、アウト、インとか足裏タッチ、意識して色々使う。必ず次の蹴り足の前に置く。
というよりも突っ込んで来る敵のチャージを外して即パス。小さなタッチでは、かわせない。
受ける前にフェイクを入れるのもGOOD。
■ 蹴ったら、蹴り足を第一歩として数歩前に出る。止まらない。
■ 蹴る方向と、顔、体の向きを逆にしてノールックパス。
＊簡単なのから始めて、だんだん、やることを付け足して複雑にやる。

■ 対面でなく、三角や四角パスのときは、次にパスを出す方向の相手を見る。パスを出す人が、受ける人が次にどっちにパスを出すか、指示するのもいいね。「シュン。」とか「タクー。」とか、「戻せー。」とか。受ける人は次のパスの相手を確認してから、パスを受ける。
・・・ってな具合に自分で工夫して、実行する。
単純な練習も複雑になるし、実戦で役立つようになる。」
「けどさ、対面パスで、一人だけそんなことしてたら、コーチに怒られるよ。」
「そりゃ、そーやな。けど、この中でできることもあるだろ？」
「んー？」
「みんなで同じ練習しているときにだって、工夫して自分のためになるようにすることが大切。」
「ふん。」
「パスを受ける前と受けた後に動くこと。受ける前は、首を振って後ろや横を向く。
蹴る前には必ず、相手を確認する。ノールックでパスもやってみる。
蹴った後、踏み出し足から前や横に瞬間的にダッシュするのをクセにする。
ファーストタッチで、敵の寄せを想定して、大きくボールを動かし、間をおかずに一歩で返すこと。
トラップは、色んなところを使う。フェイクを入れる。
そういうことは、みんなと一緒の単純なパス練でもできるやろ。」
「そだね。」
「乗りが悪いな。やってみよう。」
「いーよぉ。」

「首を振ってるだけじゃダメ。確認できるくらいにしっかり周りを見ろ。」
「ふぁーい。」
「止まらない。蹴る前、後も必ず動く。それをクセにしろ。」
「ふん。」
「よーし、できるようになったら、蹴った後、横に動いてから下がる。」
「そんなに忙しくなくてもいいじゃん。」
「忙しいのに慣れたら、試合で余裕ができる。早いプレスも受け流せる。」
「試合より大変だよ。」
「やかまし。パスが雑になったら意味がない！首振んの忘れてるぞ。」
「ひー。」
「あと5本。パスはしっかり確認して、しっかり当てろ。ブレてるぞ。」
「やってるじゃん。」
「目の前に敵がいるんやで。そんなトラップでかわせるか！」

【対面トラップ＆ドリブル】
15mの距離から、対面にパス。
出した方は、蹴ってすぐDFになってチャージ。受けた方は、寄って来る相手をかわしてドリブル。
場所を入れ替わる。DFのチャージは、最初はハーフプレス。だんだんとフルプレッシャーに。
「受ける前に下がって前で取る。首振れ。ボールがその場に止まってる！
こっちを見て確認しないとオレが行く方向にボール落としてどないするんじゃ！」
「パニパニパニックだよ。」
「まだまだ。おまえの力を見せてくれ。」