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カテゴリ:教授の雑感
私より7つ年長の先輩同僚、アニキことK教授が、この3月で定年を迎えることになりまして。
で、後期の期末試験も終わり、成績も出してしまうと、K教授にはもうやることがない。入試関連の仕事にも、もう関わっておられないのでね。 となると、後は長年使ってきた研究室を明け渡すべく、部屋の片づけをする以外ない。 ということでK教授はこのところ毎日、研究室の片付けに明け暮れております。研究室配架の本を附属図書館に返却したりね。 そして私費で買った本に関して、既に大概は古本屋に売っちゃったんだけど、残りはもう捨てるしかない。ということで、そういう本や雑誌を紐で縛って、大学のゴミ捨て場に持っていく。 そんな作業をしていると、すぐに疲れちゃうんですって。 しかし、想像するに、その疲れには、寂しさの分も含まれているんだろうなと。 一昔前であれば、定年退職する先生方のために、大学も送別会を用意したりしたんですけど、コロナでそれもなし。もちろん、学生主宰の謝恩会もありません。それに退職教授の花道たる「最終講義」も、コロナでなくなってしまった。となると、もう黙って消えるのみ、という感じになってしまう。寂しいですよね・・・。 で、K教授曰く、この状況の中で何が一番寂しいかというと、退職するのに花束をもらうチャンスがないということだそうで。 ふうむ、そうか。花束か。 そうね。人生の節目には、花束があるべきだよね・・・。花束って、そういうもんだよな。 ま、K教授とは同僚として三十年の付き合い。私も7年後には、先生と同じ気持ちになるのかなと思いながら、いつもアニキのことを見ていた。7年先の自分を先生に重ねて見ていたといいましょうか。 だから、7年後に、誰かが私に花束をくれることを期待しつつ、いよいよご卒業のアニキには私から花束をお渡しすることにしましょうかね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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