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カテゴリ:マンガ
古本屋で松本零士の「聖凡人伝」を購入した。
私は松本の「四畳半」シリーズが好きで集めている(文庫化されたときは知らなかったので専ら古本で)。 松本の作品は「男のロマン」を一貫して追及しているが、有名な「銀河鉄道999」以外はあまり知られていない。これはひとえに、作者の好きな世界観をひたすら書きなぐって放り投げる性格にあると思う。 四畳半ものの名作「大四畳半大物語」をはじめ、彼の作品はSFの名作「キャプテン・ハーロック」にしろ「クイーン・エメラルダス」にしろ、続けようと思えばいつまでも続くテーマである。そしてエンディングにしてもいつでも再開出来るようにオチもなく終わっているものが多い。「ええっ、これで終わっちゃうんすか!?」と突っ込みたくなる作品をいくつ読んだことか。 かっこいい(またはわびしい四畳半の)ロマンある世界観をひたすら描いて、適当なところで終わり。いさぎがいいのか何なのかよく分からない。だから、きちんと物語が設定されている「999」以外はあまり知られていないのだろう。松本ファンになれるか否かは、「世界観に入れるかどうか」にかかっていると思うのだ。 四畳半と宇宙が少しずつグラデーションでつながる松本の世界においてもう一つ重要なのは、メカマニア、もっというと「計器マニア」な点だ。オメガのスピードマスターに「999」モデルがあるのをご存知の方も多いと思うが、松本の宇宙船はイコールスピードマスターみたいなクロノグラフの文字盤の世界だ。自分の考えるロマンを一貫して押し付ける手法は、ある意味本宮ひろ志よりも男らしいのかもしれない。 私の部屋は練馬の四畳半ではないが、どこかが「大純情くん」みたいに異世界につながっていはしないか、とちょっとだけ期待している。 2000年問題で機械の身体を手に入れちゃった(と言い張る)二人 《送料無料》ダフト・パンク/ディスカバリー(CD) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.26 12:36:00
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