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カテゴリ:日本の作家 橋本紡
★★★★
書道教室で生まれた、長い長い片想いの行方 小学生の頃から通う書道教室の先生に、長い片想いをしている佳奈。けれど先生には奥さんがいて・・・・・・。春から夏へと移りゆく季節のなかで、ひとりの少女の成長を繊細に紡ぎだす長編青春小説。 葉桜 2011年8月発行 集英社 247p 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 高校生の佳奈は、書道教室の継野先生へ思いを寄せてきた。けれど、先生には由季子さんという奥さんがいて…。美人で天才、自由奔放な妹の紗英が背負っている、命の不安。他の教室からやってきた津田君の、真摯に書道に打ち込む姿。周囲の思いに背中を押されるように、佳奈のなかで何かが大きく変わろうとしていたー。春から夏へ、少女から大人へ。まぶしく切ない青春恋愛小説。 感想 ★★★★ 女子高生が自分が習っている お習字の先生に恋をして それを告白する、というお話なのですが なんとみずみずしく、なんと透明感あふれる 物語となっていることでしょう。 書道教室の 少し暗い部屋の中に漂う墨の香り。 墨をする音、筆と半紙が触れ合う音。 そんな中で育まれた佳奈の恋。 それを届けるべきか自分の胸にしまっておくべきか。 悩んだ佳奈がとった手段があまりにも美しくて、 そしてせつなくて涙が出ます。 書道と和歌のある日本の文化が誇らしい。 深く奥行きのある文化を 私たちが持っていることに気付かされました。 それを自分のものとして使えないのが悔しいな。 書道教室で培ったものを糧として きっと佳奈は素敵な女性になると信じています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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