2363905 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

りぶらりだいあり

りぶらりだいあり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

りぶらり

りぶらり

Category

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

How Japan's younges… New! 恵子421さん

ぬる燗 熱燗 New! なすび0901さん

読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん

Calendar

Comments

おきま@ Re:「PRIDE 池袋ウェストゲートパークX」石田衣良を読んだ(07/30) 約32年前に池袋のウェイターに騙されて風…
深青6205@ Re:「恩讐の鎮魂曲」中山七里を読んだ(08/16) こんにちは。御子柴シリーズはお気に入り…
りぶらり@ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) なすびさん,お久しぶりです。僕が本を買…
なすび0901@ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) 好きな作家の一人 図書館で借りないでア…
2013.07.17
XML
お気に入りの作家・三羽省吾の連作短編集を読んだ。

○ストーリー
流れ者の飯場暮らしをしていた〈俺〉は,海沿いの呑み屋で目覚める。昨晩,派手なケンカをして倒されていたのだ。〈俺〉はケンカの相手・シンジと再会し,仲良くなる。いつもの呑み屋で飲んでいた時,シンジの郷里の母親から,父親が倒れたとの報せが入る。迷うシンジに対し,〈俺〉は・・・

-------------

デビュー作「太陽がイッパイイッパイ」とよく似た空気の作品だ。ただし,あちらが建築現場でつながっている仲間で構成されていたのと比べ,こちらはもう少し世界が広い。主人公は高校生から30才まで幅広い年令で,関係ももっとゆるい。

この作品も男の子の世界観で隅から隅まで出来上がっている。男子校を舞台にした作品なんて,そのリアルさがホントに見事で,何十年ぶりに生々しく,そして懐かしく思い出した。

例によって,三羽省吾が出身である岡山のキツメの方言が多く語られる。その時代がかった言葉とシンクロするように,作品で語られるテーマや人生観は懐かしく昭和の匂いがする。

そういう意味で,小説の面白さはあるものの,現代を切り取ってみせてハッとさせる,というチカラには欠けている気がした。

でもありきたりだけど,「男っていいね」という気分にはさせてくれる愛すべき作品だ。

-------------

各編について簡単に感想を述べる。

「ヨンパチ」:ケンカをした相手・シンジと再会し,飲み仲間になった〈俺〉は,シンジに両親の元に戻るようにさとす。だが〈俺〉もまた,帰るべき場所を持っていたのだった。・・・工事現場で働き,海辺の呑み屋に通う〈俺〉は,「太陽がイッパイ」の主人公たちによく似ている。ただし〈俺〉には別の目標があるのが大きな差だ。

「褌(ふんどし)トランス」:高校1年生になった孝平たちは,町の伝統行事である褌まつりに参加するように先輩に誘われる。孝平は躊躇していたが,幼馴染の優子にまつりをバカにされたことで・・・すごーくフツーの高校生が主人公だ。ちょっとバカだけど。(「ヨンパチ」のシンジが再登場。)

「キリン」:選手を引退して一般の社員待遇になった辻本は,会社に居心地の悪さを感じていた。選手時代の友人と会う呑み屋の帰り道に,防波堤の上に座り続ける小学生と出会う。2人はやがて話をするようになり・・・辻本そして友人の大河原も,現役に未練を持っていて,なかなかイタイ人物だ。やや微妙な終わり方をする。(「ヨンパチ」の呑み屋が再登場。)

「俺、もうオ○ニーだけでいいや。」:どこのクラブにも属さず,ダラダラとバカ話を続ける〈俺〉たちの興味はただ1つ,「童貞を卒業すること」だった。だが女性の部屋に行ったはずのメンバーが,爆弾発言を行い,〈俺〉たちは混乱する。・・・バカ過ぎていい。実によく高校生の男子をとらえている。タイトルは朝井リョウの作品を意識していると思うけど,はるかにリアルだ。そうそう,男子校にはスクールカースト以外に,もう1つの価値基準があるんだよね。
(「キリン」の大河原と「褌トランス」の転校した浅倉が再登場。)

「鉄の手」:鉄筋の加工工場で働き始めた〈俺〉は,吉川の爺さんという無口な男とコンビを組む。鈍い爺さんと思われた吉川は抜群の仕事のスピードを持っていた。〈俺〉は爺さんの傷だらけの無骨な手に感心をする。・・・「太陽がイッパイ」に近い現場の物語だ。主人公いいヤツなんだよね。(「ヨンパチ」の烏丸鉄筋と「俺、もう」の鉄筋屋になった従兄弟が再登場。)

「R.S.V.P.Boss」:安斉と〈俺〉は,高校の時に世話になった教師・菊池の葬式に出席する。2人が思い出した事件とは・・・またまたバカなんだけどリアルな高校生の物語だ。でも,いい話なんだなあ。(ある人が再登場している。これは読んでのお楽しみ。)















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.07.17 23:52:43
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X