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カテゴリ:がちがちハードボイルド
大沢在昌の〈サラリーマン・坂田〉シリーズの第3作目を読んだ。
○ストーリー 日本一不運なサラリーマン・坂田は,新商品のPRのために週末は下町の地域老人会の手伝いをしていた。坂田にとってそれは,最初のうちは仕事だったが,同じように会に参加しているボランティアの咲子と仲良くなるにつれ,楽しみな時間となっていった。のんびりとした日常は,ある男が坂田に目を付けたことによって終わりを告げる。果たして坂田は,ヤクザと偽警官と警察から逃げ切って,状況を解決することが出来るのか? ----------- 人質に取られているのは,主人公をはめようとした詐欺師。警察にも話は伝わっている。状況打開のために相談をする仲間もいる。しかも舞台は生まれ育った東京。 あれ?なんだか,ちっとも困っていないよね?どちらかと言うと,主人公が自分のスジを通すために,あえて危ない橋を渡っているという気がする。 同じ巻き込まれ型ハードボイルドでも,前の2作と比べると,はるかに緊迫感が薄い気がする。 たぶん,ここがこの作品の欠点なんだと思う。 ----------- そして坂田が巻き込まれる事件。これがホントはそれほど難しくないのに,2つの暴力団の関係者が絡むことで,みょうに分かりにくい大事となる。 後半は事件は大したことがない,ということがもう分かっているのに,一部の悪人が意固地になっているため,主人公は最後まで巻き込まれ続ける。 状況設定も不自然だし,解決方法も偶然に頼っていて,いい加減なんだよね。 ----------- やはり〈日本一不運〉ならば,もっともっと危険で逃げ場のない状況に,キッチリと追い込んでもらいたいよなあ。 前作と比べると,だいぶパワーダウンした気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.12.05 22:57:26
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