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2016.10.05
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道尾秀介の1年半ぶりの新作を読んだ。

○ストーリー
車でランチ販売をしている夏都(なつ)は,ある集団が試みた犯罪に巻き込まれてしまう。だが,そのリーダーが夏都の甥が写真をスクラップしていたネットアイドルのカグヤであること,またカグヤが本当に困っているらしいことがきっかけで,気付くと夏都は彼らに協力をしていた。切ない気持ちの集まりは,いつしか大きな危険へと突き進んでしまう。そして???

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主人公の夏都(なつ)は30台前半なのだが,元アイドルと間違えられてしまうのだから,魅力的な女性なのだと思う。だが,彼女を説き伏せてランチワゴンへの脱サラを決心させた夫は,大してきれいでもない若い女へと走り,離婚した夏都は元のマンションに住み続け,脱サラ&ランチワゴン計画を実行する。

そうした気の強い,実行力のある女性を主人公にした作品だ。

彼女はある事件に巻き込まれるものの,逆にその事件の実行者たちに協力して,犯罪を防ごうとする。

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この作品の欠点は,あらすじ紹介から伝わってくるユーモアミステリー的な流れと,道尾秀介作品らしい登場人物たちの気持ちのウェットな行き違いが,最後まで分離したままだということだと思う。

夏都は気が強く,元夫への当て付けのように,脱サラ&ランチワゴンを実現している。なのに実は,元夫,その彼女,世界的に活躍している姉,自分と暮らし始めた姉の息子との関係,また暮らしの経済的な危機に,こまごまと思い悩んでいる。

それなのに,ある非日常をきっかけにして,彼女は日々の売り上げを度外視して,ある集団に無償奉仕をし始める。

この主人公の設定のブレブレは何なんだろう?

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この作品に登場するキャラクターは,ほぼ全員不自然に誇張がされていて,最初から読むのが苦痛だった。

もちろん一番イタイのはネットアイドル・カグヤの親衛隊とやらのオタク4人組だ。この人々が登場したところで,その不自然さ,オタクへの理不尽な差別感丸出しの描写で,読むのをやめようかと思った。

次に状況説明キャラとして登場している甥の塾講師の菅沼(名前を思い出せなくて本を手に取った)。この作品の中では役に立っているけれど,ヘンに計算高いところがあり,間違いなくストーカー気質だ。

そして夏都がサポートしようとするカグヤと甥・智弥の2人の少年少女も,傷付いてはいるものの,それを言い訳に他人を不幸に巻き込むことを躊躇しない反社会的な性格の子供だ。

いったいぜんたい,こんなキャラばっかりの作品で,何を楽しめというのだ?

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終章で実は・・・的な展開となるけれど,全部は無理だけれど,ある程度は予測が出来るので,驚きはあまりない。

ただ事件を起こした登場人物たちが,”可哀相”というだけで赦されているようだし,それよりもそもそものきっかけとなっている無神経なキャラがそのまま野放図に訪れて,また帰っていくという図式に驚愕した。

しかもこれで「さあ,感動しろ!!」という作者からのプレッシャーがひしひしと伝わってくる。

無理だろ。

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道尾秀介ブランドでなければ,編集者が出版をさせないレベルの作品だと思う。

1年半ぶりの作品がこのどん底レベルだと,もうこの作者の作品はいいや,とさえ思わせる。













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Last updated  2016.10.05 21:59:04
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