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2016.10.06
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森博嗣の新シリーズの第1巻を読んだ。

○ストーリー
研究者のハギリの職場で爆発事故が起きる。だがそれは彼の命を狙ったテロ事件だった。現実感を得られないまま,ハギリは彼を保護しに来たウグイという女性の公務員と共にあまり知られていない研究施設に送致される。徐々に分かって来た事は,ハギリが開発していたプログラムが,ある団体からは危険視されていた,ということだった。誰をも信じられない環境で,彼が体験したこととは?

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各章の冒頭に「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」フィリップ・K・ディックの文章が挿入されている。

主人公・ハギリの研究は,人間と生体アンドロイドを見分けるためのプログラム開発なので,これはもうディックの「フォークト・カンプフ測定法」に限りなく近い。

とは言え,森博嗣はひじょうに技巧的な作家なので,ディックの有名過ぎる作品へのオマージュの強さについては,警戒をしながら理解を試みるべきだと思う。

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〈Gシリーズ〉の「χ(カイ)の悲劇」で語られた物語と重なる部分があるが,ある技術がより広く浸透した世界を設定して物語が語られている。

最初は,新しくてフリーな世界観を持つシリーズかと思ったが,早々にこれまでのシリーズの遺産として設定されていることを知り驚き,そして喜んだ。

読み進めると,時代や社会の設定も説明されるので,少しずつこのシリーズが〈森博嗣クロニクル〉のどこに位置するのかが分かってくる。

そんなことはないだろう?と考えつつも,森博嗣が語る世界観に引き込まれるのは間違いない。

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表面上はこれまでの作品以上に暴力的な事象が起き,とてもアクティブだ。

だが,そこは低体温,低テンションのキャラクターばかりの森博嗣作品なので,相変わらず受動的な主人公の言動に限定され,なかなかミステリー要素に進展が観られない。

小さな日常に満足していたハズの日常,非日常である政府の研究室,また反対団体の修理の実体を理解していないビルメン手会社の人々など,様々な人々は登場するが,昨今のミステリーのように必ずしもミステリー要素は解かれようともしないで物語は進む。

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もうこの作品1つで良いのではないかと思ったけれど,きちんと講談社の新しい文庫レーベルに合わせて,3巻までが発表されている。

ある意味,この作品から始まる〈Wシリーズ〉は,森博嗣作品の世界観でまだ語られていなかった部分に光を当てる貴重なものだと思っている。

むしろ往年の森博嗣ファンに読んでもらいたい。よく考えられている。











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Last updated  2016.10.06 21:48:30
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