時代遅れの株主総会
6月29日(木)は、3月期決算企業の株主総会ラッシュでした。その中から1社、自宅から比較的近い会場で総会を開く会社の総会に、初めて出席しました。社名は控えますが、業種はバス会社で、相模湾中央部の街に本社があり、神奈川県の中央部に路線バスを展開している会社です。って、社名伏せた意味ないかなバス専業では日本最大規模、鉄道兼業を含めても、九州の西鉄に次ぐ第二位の規模なので、バスに詳しい方なら「ああ、あの会社ね」とすぐ分かることでしょう。無論神奈川県内の方なら、もう既に分かっているはず。会場は本社ビルと一体化したホテルの2階広間。午前10時に始まり、1時間もかからず終了しました。株主総会なるもの、私他にはミニストップ株式会社しか参加したことがないので、余り大きなことは言えませんが、「今時まだこんな運営しているのか。時代のトレンドから20年は遅れてんじゃねえの!」というのが率直な感想です。ミニストップの場合、配当金や定款変更、役員選出等の議案ごとに、必ず議長が「何かご質問はございませんか?」と丁寧に問いかけます。しかしこのバス会社ではそんなことは一切なし。またミニストップでは、全議案の審議が終了した後、経営全般について、幅広く質問を受け付けます。時間の関係上、1人2問以内という制限はありますが、経営陣にとって耳の痛い指摘事項でも、決して阻止される様なことはありません。どんな質問にも誠心誠意答えてくれるので、逆にミニストップという会社への信頼が、より強まりました。翻ってこのバス会社、全議案の審議が終了すると一方的に「ではこれにて閉会を・・・」と閉会宣言を出そうとしました。ここである株主が「質問があります」と大声で挙手すると、経営陣はそれを認めましたが、周りの株主たちがロクでもない連中ばかり。議長が「本件に関しては、誠意を持ってお答えいたします」と言っているのに、「そんな質問は裏でやれ!」とか「こんなところでそんな質問してるんじゃねえ!」とか大声を上げていました。そういえば議事進行中も盛んに「了解!」とか「異議なし!」とか叫んでいましたね。社員株主なのか、地元の有力者か知りませんが、株主総会というよりは「田舎爺の寄り合い」といった方がふさわしかったかもしれません。今時まだこんな古臭い運営をしているのですね。びっくりです。片やコンビニ、片やバス会社と、いずれも大衆一般消費者向けの商売をしていますが、ミニストップの場合は、一般消費者の声を極力今後の経営や店舗運営に活かしていこう、という姿勢が見て取れましたが、このバス会社の場合は、一般利用客よりは、許認可権を持つ国土交通省を頂点に、県庁や市町村役場といった、行政側に視点が向いている気がしました。総会参加者を見ても、ミニストップでは老若男女取り混ぜ、様々な年代の人が参加していましたが、このバス会社では、スーツ着用のおっさんばかりで、女性参加者は限りなくゼロに近かったです。わずかばかりの希望は、閉会宣言しようとした議長が、株主の唯一の質問を阻止することなく、丁寧に回答しようとする姿勢を見られたことです。例え行政ばかりに顔が向いていても、一般利用客が呼びかければ一応は振り向いてくれる、そこに一筋の光明を見出した思いがしました。