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「明け方ごろに目覚めてやけに寒いと思って窓を開けると、白銀の夜明けが世界に広がっていた。見慣れた風景は一夜で塗りかえられてしまった。音という音がすべて去ってしまったかのように、ただ窓の外の景色はぼうぜんと幻みたいな雪におおわれていた。」 島本理生著『シルエット』より 雪について、思いを巡らせた。 雪は、音もなくしんしんと降り積もるというイメージがある。 さらさらと ゆっくり舞い落ちてくる静けさ、 ずっしりと 積もった重みによる静けさ、 が世界を満たし、包む。 しんしんとした冷えまでもが、音のない白銀の世界を作り上げる。 それはまるで日常から離れた別世界。 音も無く降り続ける雪以外、全てが静止しているのではないかと錯覚に陥るほどの静寂の中、 私はたったひとりで立ち竦む。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011/02/21 02:58:56 AM
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