あたしをあたしと成らしめる構成要素の分子の一部
俺を殺せ 彼は呻いた
あたしを愛して 彼女は泣いた
なら
殺せ。
愛せ。
飾り立てて酔ってるつもり?
ねぇ
突き刺して絡んで
いっそ
ほどけなければいい
素足でさ
浸透して
売り飛ばしてよ
カーテンの向こう側に広がるは
知らん振りの青空太陽白い雲 あたしに似合わないのは承知
生ぬるい空間を塞ぎ
血のような影を落とし
染まり
溶けて
臆病なあたしは反発しながらも融合し
愚かなあたしは吸ってばかりいて吐くことを忘れ
軽率ね
そう呟いて逝った、あたしはね、思うの
笑ったあなたも同じ
共犯者
なのにやっぱり
そうやってあなたは笑うのね
だけどあなた
時は流れるものだという認識を覆さない故
やがて訪れた
赤い夜。
ねぇ
あの星の向こうに何が見える?
あたしはね同じ同じ
デジャブなんかではなく紛れもない繰り返し
でしかないの
どうせね
乾いていても潤っていてもあたしは
ただの単細胞
脳みそは化石になっていて、ただの化石されど化石、化石の存在
バカにしてもいいわ
カランコロン
ねぇあなた
許してあげる
カランコロン
無い物ねだりは仕方ないの単細胞に憧れる多細胞
無様に分散すれば万々歳
おひとついかが?
泣け
叫べ
愛せ
狂え
そう
生きて
死んで
やっぱり
あたしはここにいる
あなただってそうでしょう
愛か救いか憎しみか
ねぇ
何を求めている?
すました顔して 必死こいて 何をしている?
疼くは
支配欲か独占欲か破壊欲か気のせいか
ならば
デザートには甘い甘いモルヒネを
あらあなた
優しい嘘ならいらない
生憎
間に合っているのです
自らの水に冒されるゆえ
どうせ壊せないの
くそくらえ
真摯に生きている
そんなあたしは幼い幼いどうしようもなく無知な胎児
角はない
無防備なの
そう呟いて逝った気がしたあたしは結局
甘っちょろい死んだ振りなわけでつまり
曖昧に満ちていて所詮
あたしで
くそやろう