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カテゴリ:ケアマネ物語
二人きりでいると煮詰まると言っていました。このままでは・・。
そこでまず、デイサービスを始めました。子供である介護者は仕事があるので、家にいません。そこのデイサービスは玄関まで迎えに来てくれます。本人は楽しみにデイサービスのお迎えを待っています。たいてい若い優しいデイの職員の人が来てくれます。お迎えが来たときの認知症の母親の微笑みを家族に見せてあげたい。どういうわけか、介護者の前では笑わないのです。まるで仮面をかぶっているようです。介護者が席を立つと楚々として、お茶を入れてくれます。今まで母親の愚痴を言っていた、介護者の入れてくれたお茶より美味しいのです。 認知症の母親はお客様を大切にもてなそうといつも思っています。ヘルパーが入るようになると、家の中にある上等なお菓子や果物を無理にでももたせようとします。 断らなければいけませんが、そのことによって対象者との関係を壊したくないので、その場はいただき、そっともとの所に戻す、または一つだけいただいて、他はおいておくというようにしてきました。 そのような家族に見せない姿を私は一生懸命説明しますが、目の前にみえていなければ信用してくれません。 なぜか母親は娘の前では本当の姿を見せません。どうしたら分かってもらえるか・・。 母親にもなにか意地のような物があるのか、陽気で愛想の良い姿を見せて娘から叱られたことがあるのか、いえ家族は家族同士で演技をしているのです。よい母親の演技。よい娘の演技。良くなくても長い家族の歴史の中で、娘に見せていなかった顔を今更見せられない・・。 また、我慢できないと相談される。 「では、とにかく、ショートステイを試してみましょうか」 「・・、母がいけるかしら」 「デイサービス、楽しんでいますよ。お母様、若い娘さんがお好きのようですよ。ショートでも若い職員さんがお世話してくれますから、喜ばれるのでは・・」 私から見ると、どうしても殺さなければならないほど困った母親ではありませんでした。詳しくは述べられませんが、家族の歴史に関係がありそうです。 さて、母親を殺すと言われたとき、どう答えたか・・。 じゃあ、殺せば。などとは言えません。何が何でも止めなくてはいけません。が反発を買ってもいけません。教訓や諭すようなことをいっても、水に油になるかも・・。 もしプロのカウンセラーなら、まず精神科の診察を強く進めるかもしれません。 この場合、母親のかかりつけの精神科医師がいるので、そのケアもしてくれていました。 ですから、私はこの後、担当医師と相談することになります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.22 18:03:34
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