【子ども何人に対して保育士ってどのくらい必要なの?】
みなさんこんにちはRyU先生です!今回は保育の現場の安全管理についてテーマを分けて簡単に触れていこうと思います。
まずは各テーマに入る前に基本的なこととして「保育士の配置基準」について触れていきます。
保育園には「児童福祉法」に基き「保育士の配置基準」というものが存在します。現行の規則としては、子どもの年齢に合わせて以下の様に保育士を各保育室に配置しなければならない最低人数を定めています。
<保育士1人に対しての年齢別子どもの数>
0歳児 :3人
2,(1)歳児 :6(5)人
3歳児 :20人
4,5歳児 :30人
ここに各自治体が定めることのできる最低基準が付加される場合もあります。つまり児童福祉法の基準を下回る配置は規則違反となりますが、子どもの安全や保育の質の向上の為により厳しい基準を設けることもできる。ということです。
さて、どうしてこのような基準が存在するのでしょうか?
<保育士配置基準の意味とは?>
答えは簡単ですよね。子ども達の生命の安全を守り、成長のサポートをする為に保育士の数が必要だからですね。
保育園は多くの子ども達が同時に生活をする場所であり、年齢ごとに留意したい事柄は変わってきますが命を守り、健やかな成長と発達を促す為には専門家と言えどこれだけの人手が必要不可欠だからです。
もう少し例えを加えようと思います。現在保育園に通われている方は知っているかと思いますが、保育園のクラスはどこも(日中の幼児クラスは異なります)複数人になっていますよね。
小規模保育園でも最低2名は必ずいます。これもまた児童福祉法で定められたものになっています。例え子どもが1人だけであろうと、もし1人だけで見ていたら安全の確保はできませんし、正直保育士としても1人だけで見てくださいと言われたら怖くてできません。
ちなみにRyU先生が勤めていた保育園は俗に言う『中規模の保育園』です。
正確には認可保育施設に当たる保育園です。保育施設は大きく「家庭的保育」、「小規模保育」、「認可保育施設」と人数が規定されて3種に分類されるます。しかし、認可保育施設の中では定員数が少ない方なので、「小規模ではないし、かといってマンモス園なんて呼ばれるほど大規模でもない。んー、まあ中規模ってところ?」ってくらいに捕らえてもらって差し支えないです。笑
定員は0歳児9名、1歳児10名、2歳児10名、3歳児10名、4歳児10名、5歳児10名となっています。まだ3年目の園だったということもあり、当時は空きがあるクラスも存在しましたが、全クラス定員に達しているとすると園児数は59名となります。
さあ、59人もの子ども達を何人の保育士が見れば、子ども達の安全を守りながら、楽しく生活をすることができるのでしょうか?
ここで先ほど説明を簡単にした保育士配置基準がでてくるわけですね。
では次のセクションでは保育士は位置基準に照らし合わせながら、RyU先生が務めていた保育園の様な定員数に必要な保育士の数を計算していこうと思います。
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<ある中規模園の保育士の必要数>
※写真は勤務先の保育園のものではありません。
※フリー画像「写真AC」URL:
https://www.photo-ac.com/
保育士1人が見ることのできる子どもの人数は「0歳児3人」、「1,2歳児6人」、「3歳児20人」、「4,5歳児30人」でしたよね。
例えば0歳児クラスを例にすると、保育士1人で3人の子どもを見ることができるので→
「子どもの合計数÷配置基準に定められた各年齢別子どもの数=必要な保育士の数」
という公式に当てはめると「9(0歳児クラスの子どもの数)÷3(配置基準に定められた0歳児の数)=3(必要な保育士の数)」という様に9名の0歳児がいるクラスには3名の保育士が必要であるということが求められますね。以下もその公式に当てはめていくと
0歳児クラス9名:保育士3名
1歳児クラス10名:保育士2名
2歳児クラス10名:保育士2名
3歳児クラス10名:保育士1名
4歳児クラス10名:保育士1名
5歳児クラス10名:保育士1名
なので、この保育園に必要な保育士の最低数は10名であることが分かりますね。
<端数の計算は??>
ちなみにですが、例えば0歳児さんが7名しかいない場合はどうなるかと言うと「6名も7名もほとんど変わらないし2人で頑張って見ちゃえば良いんじゃない?」と考えたくなるかもしれませんが、そうではありません。
配置基準は「2人の保育士では6名までしか見てはいけません」と規定しているのでたった1名だろうと6名を上回れば保育士を補充する必要があるのです。結論としては7名の0歳児クラスであっても3名の保育士が必要であるということになります。
<実際に保育園を回すには保育士配置基準に則せば可能か?>
ここで1つ問題が出てくることに気付いた方はいらっしゃいますかね?
そう、じゃあこの園は10人いれば運営することができるの?という素朴な疑問です。保育園は保護者の勤務時間に合わせて保育園を開園している必要があります。保育園によって開園時間は様々ですが多くは朝7時から夕方の7時くらいになるのではないでしょうか?
全園児がいる時間帯には10名が必ず必要になるのでおおむね9時~17時の間には全員が出勤していなければなりませんね。
そして登園の早い子どもと降園の遅い子どもがいる場合にはそこでも配置基準(年齢別でない統合保育の場合には異なる基準があります)に則した保育士が必要になります。
つまり、この保育園の場合には10名の保育士がいれば保育士配置基準に則した人員がいるけれど、実際に保育を回すには早くからくる人、遅くまで勤務する人、休暇を取る人などのことを考えると10人では不足してしまう可能性が高いと言えるのです。なのでこの規模の園であればパート保育士が2,3人と主任保育士などがいると時間のカバーもできるようになりますね。更に2,3人のフリー保育士がいたら相当に潤っている環境になるのですが・・・・・・保育士不足が叫ばれる現状では難しい所があります。
蛇足ですが、この保育士配置基準に関してはもっと保育士数を増やす必要がある。という意見も強くあります。
基準の強化を現場の保育士や子どもの安全を願う保護者は求めているのですね。しかし一方で政府は待機児童問題の解決の為に基準の緩和について議論をしていることもありました。
子ども達を限られた空間で、長時間安全に過ごすことができるようにする責務が僕たち保育士にはあるわけですが、現行の基準では相当な負担がかかっていることは認めざるを得ません。
こうした現場の声や、今ではSNSなどでの保護者の方の意見なども政治の世界へと届いてくれると良いのですけれどね・・・・・・
【まとめ】
今回は誰もが望んでいる「安全な保育」を行う為に、国が規定している「保育士配置基準」という保育施設に必要な最低限の保育士数について簡単にですが解説をしていきました。
次回はもう少し現場に踏み込んで、保育士が実際に行っている安全管理、リスク管理、怪我や事故の予防策について掘り下げていこうと思います。
では、また学vivaしょうね(・ω・)ノシ
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