現在日本の知られざる現実
私が気になっていた二冊の本を、今読んでいます。
アメリカの情報局員だったエドワード・スノーデン氏へのインタビューです。
情報社会の発達による、最新の日本の現実を知る手がかりを与えてくれています。
1.『スノーデン 日本への警告』(集英社新書 2017年4月19日刊行 720円)
2.『スノーデン 監視大国日本を語る』(集英社新書 2018年8月22日刊行 800円)
つい先日、スマホの画面をひらいて神さんが言ってました。
「現在自分がどこにいるか、周りにどんな施設があるか、自宅の場所も、登録画面ですぐわかる」
携帯の保有者はすべて、お釈迦さんの掌の上にいるようなものなんだ、との話。
また、以前に、ドイツのメルケル首相の携帯電話が盗聴されていたことが問題になりました。
また、007的な非現実的な印象でいたアメリカの元情報局員のエドワード・スノーデン氏のニュース。
これらが、一つにつながりました。
後者の本は、元NHK解説員の国谷裕子さんがインタビューアーで、自由人権協会の監修によるもの。
2017年に日本に関連する機密文書があきらかにされた、その中身の問題です。
XKEYSCORE(エックスキースコアー)という技術が、アメリカから日本政府に提供されたというんです。
これはメールにしても何にしても、すべてのインターネット上のやりとりが、この機械をとおせば、その情報はすべて捕捉され記録され、政府が検索できるようになるというんですね。
空想世界のことではないんです。
「ハワイでNSA(米・国家安全保障局)の仕事をしていた時、Xキー・スコアという大量監視ツールを用いていました。このツールを用いると特定の調査対象の通信をすべて把握することができます。」(1.P36)
スノーデン氏が、実際にそれをつかった部署で活動していたんですね。
メリケル首相の会話が盗聴されていたのも、こうしたいステムによるものだそうです。
いや、そう言っちゃあ言いすぎですね。
国際問題になった、通商条約にたいするアメリカ政府の盗聴行為が、どの様におこなわれたのか、現実的な想像がつくというものです。
日本でも、最近の国会で、特定機密保護法や共謀罪などの法律が強行されたでしょう。
これは、Xキースコアを日米政府が使う上での条件の付け合わせの意味もあったのではないかと。
それまでの日本の国内の事情からは、ことさら新法の必要は必要性が無かったのに、どうして強行したのか、との問題です。共通の前提となる法の整備だったとすれば、理解しやすくなるというものです。
ようするに、政府は「問題ありません」と、いっさいを国民に明らかにせずに進めているんですね。
しかし、こうした技術を使いさえすれば、これまでの様に、捜査令状をとる必要なし、盗聴器を設置するも必要なし、尾行する係官を配置する必要もなし。
交信のデターがその気になれば誰でもどこでも集めれるんですね。
アメリカでは2001年の9.11テロ事件あたりがきっかけとなったようですが、
日本への導入は、ついこの数年前くらいからとのこと。
プライバシーや人権、民主主義制度と権利にとっての危険、政府の闇の国民監視。
すべては議論されてませんね。国民には隠されたままに事態が進行しているということです。
こうした私たちの今の社会が直面している現実問題を考えるうえで、
この2つのインタビューは大事な問題を提起してくれていると思います。
ご一読をお勧めします。