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テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:小説
人間が己の領域をわきまえず、森林を伐採し生態系を破壊した報いなのか。餌を求め熊は里へ下りてくる、そして人間に牙を向けるのだ。 今こそ真剣に共生について考える時だろう。 数年前に読んだ『邂逅(かいこう)の森』を思い出す。 このタイトルに惹かれ手に取ったのがこの本との出会いである。 ページをめくるのももどかしくなる程、面白い本だった。 秋田の寒村に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし獣を狩ることの喜びを知るのだが・・・。 山と生きる狩人マタギの物語だ。 山の神様を信じ、獣と対峙するため己の感覚を研ぎ澄まし獣の領域に近付こうとする。 彼らは山を徘徊し、雪になり、石になり、目前に迫る熊との壮絶な戦いを待っている。 この『邂逅の森』は、直木賞と山本周五郎賞を史上初ダブル受賞した熊谷達也の長編小説である。 心揺さぶられる愛と感動の物語である。 是非、読んで欲しいお薦めの一冊。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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