VIVA L'ALLEGRIA !!!

[０歳日記（まーや編）] カテゴリの記事

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  イタリアン 対 和食対決

  （朝ダーリンが散歩に行った時に写した池の写真） 日本に到着をしてから５日が過ぎたが、いまだ娘のまーやの時差ぼけが取れない。１１ヶ月の赤ちゃんに、いきなり８時間ずれた時間を合わせよう、と言うのが無理な相談なのかも知れないが、始終眠たそうにし、無理やり起こした時には丸に横棒を引いた漫画の目が描けそうなぐらいに腫れぼったい目をしている。 そしてそれに加え、今までに無いほど食欲がない。イタリアにいた時には大人のお皿分をお代わりしていたほど何でも食べていたのに、日本に到着した途端にスプーンで口に運んだ数を数えられる位しか食べなくなった。イタリア料理中心の離乳食から、ご飯食中心の離乳食に変わった為なのかなあ、とも思ったがイタリアにいた頃も雑炊やうどん、白米をそのままあげ食べてくれていたのでそれ以外の何かが問題なのだろう。『郷に入れば郷に従え』をモットーにしている私は、イタリアから日本に出発する時に普段まーやに与えている子供用パスタを持って行くべきか迷ったが結局荷物の中に入れなかった。日本に行ったらイタリアにはない食材がたくさんある上、その土地にある食べ物を食べさせるのも大事だと思ったからである。 しかしその決心もこの５日間で崩れ去り、今日のお昼は久々にパスタを作ることにした。トマトをぐつぐつ煮てトマトソースを作り、スパゲティをゆでた後小さく切って食べやすくし、ソースをかけ、上にイタリアから持って来たパルメザンチーズをかけた。お皿に盛ってテーブルについているまーやの前に出したところ、手を振って大喜びである。食べている最中も嬉しさに興奮してニコニコし、結局一皿全部自分で食べてしまった。「やっぱりまーやはイタリア人なんだよー。」と嬉しそうに言うダーリン。 イタリア料理にしろ、なんにしろようやく量を食べてくれたので、母の私としてはほっとひと安心だったが、今後まだまだ長い時間日本に滞在することを考えると少しずつでも和食に慣らして行きたい、と夕飯は納豆ごはんをあげることにした。 何を隠そう私は大の納豆好き。そしてダーリンは大の納豆嫌いである。子供と言うのは親の姿を見て、真似て大きくなっていくもので、食べ物の好き嫌いも親を真似る可能性があると聞いている。イタリア人の友人などは、「わざと子供の前で、”ケーキ嫌いだなー”って言ってたら甘いものを食べなくなるかもね。」なんて言う冗談を言っていたが、あながち冗談とは言えないだろう。 そうした訳で今日の夕食、納豆ごはんとイカと大根の煮物、かぼちゃの煮物を用意した私に向かってダーリンは、「・・・僕は今日MAYAに夕飯はあげられないからね。（納豆の匂いが苦手）」と言った。それを聞いて『よし！』と納豆好きの私としては好きな食べ物をまーやも好きになってくれたら、と願いながら納豆ご飯をあげ始めた。一口、二口、三口・・・口を大きく開けて食べている！よしよしこの調子、と大根も小さく切ってあげたところむしゃむしゃ食べていたが、次第にペースが落ちてきた。そしてとうとう食べ遊びが始まり、最後にはなんと食べたくなくて大泣きをする始末。「・・・そんなに、そんなに納豆を食べたくないの？そんなに納豆が嫌い？」と肩を落としてまーやに問いかける私に、ダーリンは「僕は嫌な顔を見せなかったよ。やっぱり彼女はイタリア人なんだよなー。」と嬉しそうだ。まあ今日はメニューがあまりにも大人向けで渋すぎたかも知れない、と反省する私。 最近、卒乳をしたばかりでご飯からの栄養が大事になってくる時期なのにこの調子では栄養失調になってしまわないか、と心配だ。 時差ぼけのせいか、それとも土地が変わったせいか・・・いずれにしろ早く元の食欲が戻りますように。

  2006/11/20

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  冬時間の生活リズム

  （誰もいない公園で１人ハイハイをするまーや）　１１月に入りすっかり冬になった。日中こそぽかぽかと暖かい日もあるが朝晩は大変冷え込む時期がやってきた。特に私が住むヴィチェンツァは湿度が異常に高い為、気温はそんなに低くなくても『寒い』と肌が感じる。マイナス２０度にもなるドイツの冬を経験してきた私に取って、『イタリアの冬はへっちゃら』と思いながらイタリアに引越してきたのに、いざ住み始めたらこちらの方がはるかに寒く感じるためにがっかりした。この湿度の高さにはスリランカ人の友人は「毎朝起きると体中が痛くて・・・。特に腰痛がひどいのよ。本当に嫌だわ。」と嘆くぐらいにじっとりとしている。　さて、寒くなった途端に先ず公園から子ども達の姿が見えなくなった。最初は「今日はやけに少ないなあ。調子でも悪いのかしら？」などと思っていたが、毎日毎日公園に行っても子どもの数は１人、２人と数える程しか見えないので、これはやっぱり寒いのが原因だろうと思い当たった。寒いのに加えて湿度の高さのせいでブランコや滑り台などがぬれている為、子ども達も遊ぶことができないのだ。かくして、午前中は祖父母やママが乳母車を押しながら子どもを連れている姿をよく見かけるようになった。どの子ども達も頭には帽子、手には手袋、首にはマフラーをぐるぐる巻いて上から下まで防寒ばっちりにしながらぬくぬくと居心地良さそうにバギーの中におさまっている。例にもれず私もまーやには厚着をさせて外出する。いかんせん帽子と手袋嫌いでいくら帽子をかぶせても自分で取ってしまうので仕方なくコートのフードをかぶせて、腰から下には毛布をかけて暖かくしている。全身が暖かくなると乳母車の揺れが心地よいようで、しばらく歩くとすぐに眠ってしまうのが常だ。故郷の東京で日差しが入った暖かい電車の車中で、がたんがたん揺れる心地よさを感じながら居眠りをする感覚に似ているんだろうなあと乳母車の上からぐっすり眠るまーやを覗き込みながら母の私は想像している。まあ、まーやだけでなく今の時期はどの子ども達もこうして外で眠ってしまうパターンが多いようですれ違う乳母車の中にいる子ども達は気持ち良さそうに眠っている姿が多い。　さて、夏の間は乳母車の中で眠ることなど先ずなかったまーやが、冬になった途端に散歩中に長時間眠るようになったため、私達の生活に支障ができた。つまり、夏の間は公園などで思い切り遊んで疲れ果てて帰り、ご飯を食べてお昼ね（夜はお風呂に入ってご飯を食べて就寝）と言うパターンができていたのだが、今では散歩中に眠ってしまう為に自宅に帰るともう眠くないらしい。そうした訳で日中自宅でお昼ねをすることがなくなり、私は自分の時間が全く取れなくなってしまった。これは私に取って辛い事で、お昼ねをしている時間に今までならばパソコンや家事を片付けることができたのに今では夜まーやが就寝するまでそうした時間を取ることが出来ない。「やりたいことができない」と言うのは我慢とストレスの連続だと思う。　最近は夜中に何度も起きたり、昨日の夜は１０時に目がぱっちり覚めて寝てくれなかったりと不規則になって来たので、思い余って今日の午前中は「一睡もさせるものか！」ととにかく寝かせないように公園でくたくたになるまで遊ばせて過ごした。　結果は自宅に帰ってお昼の後、すぐにこてんとお昼ねをしてくれて大当たり。　赤ちゃんの生活リズムは周りの環境が作ってあげなければと思うので、これからも徐々に夏時間の状態に戻して行くつもりだ。

  2006/11/08

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  １１ヶ月を迎えて

  （いつでも元気いっぱい）　今日、娘のまーやは１１ヶ月のコンプレメーゼ（誕生日）を迎えた。この１ヶ月の間に、下の歯が２本にょきにょき生え、今は上の歯が１本でてきている。日本に住む妹から、「歯が３本ぐらい生えたら歯ブラシを加えさせるといいみたいだよ。」と聞いた。歯科医の友人から聞いた話で、歯ブラシを加えさせて慣れさせることで歯磨きをすることに抵抗がなくなるのだと言う。歯磨きをさせるなんてまだまだ先のことかと思っていたが、このアドバイスにしたがってそろそろ歯ブラシを買って与えてみようかと思っている。　一方、歯が生えたことによって離乳食のメニューが広がり私も嬉しい。最近では私達が食べているものを常に欲しがるので、同じメニューを薄味にしてあげたり、私達の食べる食事をかなり薄味にしてそれを取り分けてあげている。　また、イタリア人と日本人の両方の血が入っている彼女は、パンとごはんが大好きだ。パンはおやつ代わりにも食べさせており、最近は歯を使うことを覚えたため、パンを噛み千切ってむしゃむしゃ食べている。今までも歯茎でパンを噛んでは食べていたが、するどい歯で噛むほうが食べがいがあるに違いない。　１１ヶ月になり、大分知能を使った行動が増えてきたが、その中でも「チャオ～」（ばいばい）ができるようになった成果は大きい。イタリアでは『チャオ』を、相手に手の平を向けて全部の指を曲げて、伸ばして、を繰り返してあらわす。これが小さい子にはなかなか難しく、できない子は日本式のばいばいの様に手首を横に動かして『チャオ』をする。まーやは随分前からとにかく会う人、会う人に『チャオ』を教え込まれ、「まだやらないわね～。」「ほら、こうやってやるのよ～。」「あ、もうちょっと！」などと、『いつチャオをするのか？』とみんなの期待を背負っていたのだが、最近突然（！）このチャオをするようになったのである。そして、折角覚えたんだから使わなきゃと勿体無いとばかりに、最近の彼女は誰にでもこの『チャオ』をしてあいさつしている。人に対してだけでなく、病院に行けばかかっている絵に『チャオ』、公園に行けばブランコに『チャオ』、はとに『チャオ』、挙句の果ては今日自宅でアイロンに向かって『チャオ』をしていたのを見たときには思わず笑った。　何はともあれイタリアでのあいさつの基本の『チャオ』を１１ヶ月目にしてできるようになったことに、『成長しているんだなあ。』とつくづく感じる。スポンジのように吸収する時期だから、次には何を披露してくれるだろうと日々楽しみだ。

  2006/10/27

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  １２ヶ月検診

  （検診前の待合室で）　娘のまーやは現在１０ヶ月だが、早々と１２ヶ月検診を受けることになった。来月半ばから日本に帰国をするので、１歳の誕生日を迎える頃はイタリアに居ないためだ。　１２ヶ月検診は、ドクターのこんな質問から始まった。ドクター「何か単語を話しますか？」私達「話しません。」ドクター「一つも話さないの？」私達「お喋りはよくしていますが、意味のある単語はまだ話しません・・・。」ドクター「パパもマンマも？本当に一つも？」この時点で私の気持ちは不安でいっぱいになった。『１０ヶ月で単語を一つも言えないって問題なんだろうか？』その後、ドクターはドクター「あなたたちは何語で話しかけているの？」と言う質問をし、私達「パパがイタリア語で、マンマが日本語で話しています。」と答えるとドクター「２ヶ国語使用の場合は話すのが遅いのかも知れないわね。」と言った。　その後も『子どもを呼んだらどう反応するか？』『注意をしたらその注意を聞くか？』『移動について』『睡眠について』『食事について』などの質問が重ねられた。どの質問についての答えも特に問題はなく、続いて行われた身体測定でも初めて「成長しているわね。」と言う言葉をもらうことができた。この１年、検診の度に『体重の増えが悪い』としつこいぐらいに言われていたが、今回初めて体重の増加を誉められ、やっと肩の荷がおりた気がした。　しかし、その後『今度は歩かせてみるように』と手を取って歩く姿を強要され、まーやがあまり速く歩かないことから、『言語』同様『問題あり』のように言われたので私の心の中はますます不安でいっぱいになった。　子どもには成長の個人差があることを理解しているが、小児科医に首をかしげられると成長が遅いのかと思い、やはり良い気持ちはしない。　ところが、検診の最後の最後になりドクターがまーやの誕生日を改めて確認したことにより、私達の間に大きな誤解があることが判明した。ドクターは、まーやがてっきり１歳を過ぎた子どもだと思いながら診断していた。ところが実際はまだ１０ヶ月。１歳にはまだ２ヶ月もあり、赤ちゃんの２ヶ月と言うのは本当にいろいろ成長をするものである。ドクターからは、『何ゆえ１０ヶ月なのに１２ヶ月検診を受けにきているのか？』と聞かれ、私達は『日本に行くからだけど、その理由は電話で予約をする時に説明した。』と答えた。　いつも検診の度になにかしらドクターとの『問題』を抱え、帰宅する私達だったが、今回ばかりはあまりの忙しい診断に、小児科医を変えたほうがいいのでは？と周囲からも声があがった。いつも待合室にたくさんの子どもが順番待ちをしており、忙しいのはとてもよくわかるが、せめて今何ヶ月でどういう状態で名前は何かと言うことを踏まえたうえで診断を始めて欲しいなあ、と思う。　今回の検査中もまーやはおお泣きし、ドクターの髪の毛を引っ張ろうと一生懸命の様子を見て、私は内心『よっしゃ、復讐だ、復讐。引っ張ってしまえー。』と応援していた。　次の検診は１８ヶ月目。問題がありませんように。

  2006/10/23

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  サポートの大切さ

  （ヴィチェンツァの中心にあるシニョーリ広場。たくさんのピエロが子ども達の為に余興をしていました。）　子育て１０ヶ月目の最近、つくづく『子育ては私１人じゃできないなあ。』と思う。もちろん世の中にはママ１人で子どもを育てている人はたくさんいるが、私には無理だ、と自分のスタミナのなさと疲れやすい体を考えて思うのである。　最近、そんな私をダーリンのママと妹が上手くサポートしてくれる。隣に住んでいる妹は、家が近いと言う利点から、夕方の忙しい時間にちょこっと預かってくれたり、まーやの離乳食を作って持ってきてくれたり、または私達にいろいろとおすそ分けをし私の食事の支度の負担を減らしてくれる。対して義母は、まーやを数時間外に連れ出してくれる。来客がある日、自分ひとりで手一杯な日、１人になりたい日、徹底的に掃除をしたい日など、義母がまーやを外に連れて行ってくれることは大きなサポートになる。　実はまーやの生後しばらくは義母と私の関係はあまり良いものではなかった。義両親から見れば私は子育ての経験がない頼りないママ。対して彼らは２人の子どもを育てた経験者なのでいろいろと新米パパ、ママに口を出したくなる気持ちはよくわかるが、自分でも一応勉強をして、私達流の子育ての仕方を考えながら育てていたので、そうしたアドバイスが段々と耳に障ってきてしまった。今思うと聞き流せば済むアドバイスも、その時は初めての子育てへの気負いとそこまで考えられる心の余裕がなかった。かくして、段々と義両親に会うのが苦痛になり、そうした私の心理がまーやに伝染したのか、確か生後４ヶ月頃までまーやは義両親に会うたびに泣いてばかりいた。　そして、私達が子育てに慣れ、人からのアドバイスをしっかり受け入れられる心の余裕ができた頃からまーやは義両親に会うとニコニコと笑うようになり、今ではすっかりノン二（おじいちゃん、おばあちゃん）が大好きでごろごろ甘えてばかりいる。義両親の方も、しつこいぐらいに繰り返した『甘いお菓子はまだあげない』など、私達の子育ての方針をしっかり尊重してくれるようになった。　そうなるともういつまーやを預かってもらっても問題はない。孫大好きのノン二は『いつでも預かるから』と歓迎してくれるので、最近は週に２回ぐらいの割合で午前中預かってもらっている。一番心配だったまーやの反応も、いつも嬉しそうにノン二と出かけるのでほっと一安心だ。　先日公園で犬の紐のように、１歳の孫を紐でくくりつけて散歩をしているおばあちゃんを見た。てっきり孫が活発すぎるので紐を使っているのかと思いきや、祖母の返事は「年寄りで身体が動かないから紐を使ってるのよ。どうやって１歳の子をこの身体で連れて歩く事ができるの？」だった。見ていると、子どもを起き上がらせるのも上から紐をぐいっと引っ張って起き上がらせる。子どもが走り始めるとぐいっと引っ張って止めさせる、などまるで『犬』を連れているかのようである。「孫の両親はいい顔をしないんだけどねえ。」と言っていたが、まさしく私が両親でも『ちょっと・・・』と思うだろう。高齢の祖母に過酷労働（子育ては重労働だ）を与えるのも考え物なのではないか？と思った。　幸いにもダーリンの両親はまだまだ元気いっぱいで、実際の体力は私よりはないと思うが、それでも私よりははるかにスタミナがあるように見える。　健康が何より。　いつまでも元気で子育てのサポートをしてもらえたら、と心から願う。

  2006/10/17

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  風邪こんこん

  (秋だ！） 最近公園に行くと鼻水をたらした子ども達ばかりが集まっている。どの子も、鼻の周りを真っ赤にして取れなかった鼻水が乾燥をしてこびりついている。わが娘のまーやも例外ではなく、先月ようやく治ったと思っていた風邪をまたどこからかもらってきたらしく、先週末から鼻水と咳でとてもつらそうにしている。１０ヶ月の彼女にはまだ『鼻をかむ』と言う行為がわからないらしく、私がどんなに「鼻をちーんとして！」「鼻に力を込めて！」「鼻から息を吐き出したら楽になるから！」と言っても、ちり紙を鼻に当てただけで顔をぶんぶんふって嫌がる。　近所のシニョーらが「鼻をきれいにしてばかりいたらちり紙でただれちゃうわねえ。かわいそうに。」と私に話したことがあったが、それは一重にイタリアのちり紙が分厚くて、紙質がごわごわだからなんだろう。赤ちゃんや子供用の敏感で繊細な肌（鼻？）にこそ、触ると今にも破けそうなくらいにソフトな肌触りの日本のちり紙が必要なのではないか、と思う。　風邪を引いてからのまーやは食欲が少し落ちた。元気なときには大人の量ほど食べているのに、いまではその半分ほどでもういい、と残してしまう。その分水分を欲しがるので、麦茶やほうじ茶を温めてあげていたが、その内ダーリンもまーやから風邪をもらってしまったために『ええい、２人とも元気になれい！』とばかりに『生姜湯』を２人に与えてみた。どう考えても赤ちゃんにはしょうがの味がきつすぎて好まないだろうと思えたのに、まーやは生姜湯を嬉しそうに飲み干してしまった。渋好みの赤ちゃんで大助かりである。　他にも、『ビタミンＣを多く取らせなくちゃ』と、ダーリンには生レモンを絞って与え、まーやにはプレーンヨーグルトにレモン、バナナかりんご、それに赤ちゃん用のビスケットを砕いて混ぜてあげている。こうして家族の中で唯一元気な私がせっせと看病をしているうち、まーやの咳がおさまり、ダーリンも次第に元気になってきた途端、今度は私が風邪を引いてしまった。本末転倒である。　風邪を引いて具合が悪くなっても母親業に休みはないところが辛い。こうなれば気力で治すしかないな。風邪よ、我が家からでていけ～！

  2006/10/12

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  プール通い

  （イタリアのプールレッスンはとても賑やか）　ある日の公園で、２５年間小学校の先生をしていたシニョーらから「０歳から３歳頃までは身体の発育時期なのよ。いろいろなことに興味を持って身体を動かして、知能も発達して行くの。」と言う話を聞いた。現在まーやは１０ヶ月。正にいろいろなことに興味を持ち、身体を動かしたい初期の頃である。いつも雨が降らない限り、朝と夕方に公園に連れて行きくたくたになるまで遊ばせるのだが、最近はそれでも足りないと見えて、家の中をはいはいで走り回っている。知能も、良くも悪くもどんどん発達している。まず『引き出しや戸棚を開ける（→お蔭で家中がひっちゃかめっちゃかである）』イタリアには子どもが戸棚を開ける防止用の物が売っており、我が家もその防止をところどころに付けているが全ての戸棚やタンスにつけている訳ではない為、最近急に力がでてきたまーやはうんうん言いながら開けてしまうのである。同じく防止用で、机やテーブルの角につけるゴムの物をベッドやテーブルの角につけているが、これまたまーやはいとも簡単に取ってしまい、噛んで嬉しそうに遊んでいる。防止用のはずが防止でも何でもないただの遊び道具になってしまっている困った状況だ。更に『ステレオのボリュームを上げたり下げたりする（→日曜日の早朝に聞いていた音楽のボリュームを最大にされて鼓膜が破れるかと思った）』『まやのお出かけバックの中にビスケットが入っているお弁当箱を入れてあるが、それを自分で探して開けて食べる（・・・。）』など、まあここに書ききれない程よく自分で楽しみを探し出していることだ。そして、そうした小さないたずらの一つ一つを発見する度に、「ああ～、成長しているんだなあ。」と両親の私達は感慨深く思う。　さて、生後５ヶ月からはじめたまーやのプール通いは、すぐに夏になってしまった為にほんの１ヶ月程しか実現しなかったのだが１０ヶ月になった今、ようやく屋内プールでの子どもの授業が再開したので、ダーリンが再びまーやをプールに連れて行くことになった。実は生後しばらくお風呂に入れる度に喜んでいたまーやも、最近では水の中に長く要ることを好まず、お風呂も１０分が限度になってしまった。小さい頃にはわからなかった水の恐怖心や冷たさ、温かさなどを最近自分で特に感じるようになったらしい。　子ども用のプールにまーやを連れて行くと、案の定そこにいる子ども達の中で彼女が一番若かった。子ども達は年齢や能力別に別れ、それはもう楽しそうに水と遊んでいる。日本で私が小学生だったときにやはり水泳教室に通ったことがあるが、２５メートルプールを泳いでいるだけの授業だった。ところがイタリアの水泳教室は（またはここの水泳教室の方針か）先ず第一に水に慣れることを前提とし授業を進めているようだ。マットレスの上に子ども達を乗らせ、そのマットレスをひっくり返して沈ませたり、大きな輪っかの中に飛び込みをさせたり、いろいろな遊び道具を使って楽しそうに授業を進めていた。　肝心のまーやはそんな楽しそうにはしゃぐ子ども達の間をくぐりぬけながら、パパと一緒に水の中でボールを追いかけて遊んでいた。１時間ほど水の中にいても泣きもせず嬉しそうにしていたので、久しぶりのプール通いは大成功で私達もほっと一安心だった。　水泳は体を動かすことに最適なスポーツだと聞いているので、まーやが泳ぐことを気に入ってくれたら嬉しいな、と願う。

  2006/10/07

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  靴を履こう

  現在９ヶ月半のまーやは、最近になってようやく靴を履くことを覚えた。それまでは終始はだしか靴下で過ごしており、私達夫婦は『まだ歩くことができないから靴はまだ必要ないよね』と話していた。　ところがここはイタリアである。最近こそ家の中ではスリッパで過ごす家庭も増えたが、一般的な家庭は靴のまま家の中に入り生活をしている。そういう国の人たちが、いくら赤ちゃんだとは言え靴を履いていないまーやを見たらなんと思うだろうか？答えは、「靴を履かせたほうがいい」である。　随分前から公園に散歩にでかけると、どうみても生後数ヶ月しか経っていなく、まだ起き上がることすらできないのにきちんと靴を履いている赤ちゃんをよく見かけた。動き回ることはできてもまだ歩くことができない位の赤ちゃんも夏だと言うのにしっかりと靴下と靴を履かせられているのを見て、『暑くないのかなあ』と思いながら見つめたこともある。　また、まーやのところに３歳くらいの女の子が寄ってきて「なんで素足なの？靴を履いていないの？」と聞いてきた事もある。「まだ歩けないから靴は必要ないの。」と答えると、納得したのかしないのか不思議そうな顔ではだしのまーやを見ていた。この女の子だけでなく、もう少し大きな女の子は「靴を履かないと小石が落ちているから痛いわ。ガラスも落ちているかも知れない。」と私に忠告をした。小石ぐらいなら踏んでも別になんともないが、ガラスとなると大変だ。それからは公園内の地面にも注意をするようになったが、幸いにもガラスの破片が落ちているのを今まで見たことがない。　実は、ダーリンのパパとマンマも「靴を履かせたほうがいい」と最近になって言うようになった。　まーやがつまかり立ちをはじめ、公園内のいろいろな場所で立っては歩こうとするのでそろそろ靴を履かせたら？と言うアドバイスだ。　それに伴って、隣に住む義妹が彼女の娘の赤ちゃんの頃のサンダルを「試してみたら？」と貸してくれることになった。　早速まーやにサンダルを履かせてみたところ、心なしかとても嬉しそうにしている。どうやら赤ちゃんなりに『やっと靴デビューできた！これであたしも歩くことに問題がないわ。』とでも思っているんだろうか、と想像するととてもかわいい。　サンダルの季節が終わると、そろそろ秋、冬用の靴を用意しなければならない。その頃にはもしかしたら歩けるようになっているかも知れないので、かかとがついた足にフィットする靴を買わないとと思っている。　私の手のひらにすっぽり入ってしまうサイズの靴を見ていると、こんな小さな足で歩こう、歩こうとがんばっているんだなあと感慨深く思った。

  2006/09/14

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  イタリアの肥満児

  （近くの公園に障害馬術を見に行きました。柵につかまり立ちをして熱心に馬を見つめるまーや）　先日『イタリアの肥満児』について書いてある新聞記事を読んだ。その記事によると、３６パーセントのイタリアの子どもが肥満児なのだそうだ。５，６年前から年々増加をしているこの肥満児現象の原因は、『テーブルについてゆっくり食べることをしなくなり、サンドウィッチやファーストフードで手軽に済ませる子どもが増えた』『公園に行ってかけっこをするよりも、家の中でテレビ鑑賞やテレビゲーム、コンピューターで遊ぶ子どもが増えた』ことだと考えられている。　一昔前の貧しいイタリアだった頃は、昼食になるとみな家へ帰り、テーブルについてきちんとお皿に乗ったパスタや野菜料理などを食べていた。ところが今ではマクドナルドなどのカロリーたっぷりのファーストフードを手軽に取って昼食を済ます人が多いと言う。　そこには『仕事をしている女性』の率が増えてきたことも理由にあげられる。仕事をしている女性は、昔の様に手作りのおやつを作る時間もないため、コマーシャルで宣伝されているこれまたカロリーが高いおやつを子どもに与えることになり、肥満児を作る原因になっている。『もはや肥満の問題は、アメリカだけではなくなった』と新聞記事が書いているが、毎日公園にまーやを連れて行くと、ぽっちゃりしたイタリアの子ども達をよく見かけるので、あながち大げさな話しではないなあと思う。　実は、９ヶ月のまーやは小児科医から検査の度に「成長が悪いですね」と言われている。確かに現在の体重が７キロちょっとと、数字を見ると平均的なイタリア人の子どもに比べてかなり体重が少ない。でも、彼女はとにかくご飯（この場合はお米ではなくごはん一般のこと）をよく食べ、そしてよく動き、よく笑って声を出す。見た限りでは健康そのものなので、最初の頃こそ小児科医の言葉を真面目に受け取り心配していたが、次第に体重の増えが悪いと言われようが『馬耳東風』で行くようになった。　ダーリンはこの肥満児の新聞記事を読み、「次の検査のときはこの新聞記事を先生に見せるぞ。」と張り切っている。　さて、この新聞記事のアドバイスによると『マクドナルドの代わりに、ミートソース味のパスタとサラダ付のステーキを食べることをお勧めします。』だそうだが、日本人の私にはそれもどうだか・・・どっちにしてもカロリーが高いんじゃないの？？と思わざるを得ない。

  2006/09/06

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  幼児虐待？

  (あたしを助けて～の図）　実は前回書いた日記（８月３１日分）には裏話がある。まーやを連れて小児科に訪れたときに、小児科の先生は私に「事故が起こった状況を説明してください。」と言った。　事故が起こった夜、まーやは居間でダーリンと一緒に遊んでいた。しばらくするとまーやの大きな泣き声が聞え、別室から私が飛んで行くとダーリンが「この箱で遊んでいて、間違えて自分の頭と顔に打ってしまったんだ。目を傷めたらしい。」とまーやをあやしながら私に説明したので、取り合えずまーやの頭と目を見たところ、目尻についている傷を見つけた。動きたい盛りのまーやにはこの程度の傷はしょっちゅうの事なので、『なーんだ』と安心していたところ、翌日の午前中に改めて明るいところで顔を見た時に、実は目の中にも血の傷があることを発見して、びっくりして小児科に連れてきた、と言う訳である。　この一連の説明を聞き、小児科医は先「じゃあ、あなたは状況を見ていなかったのね？旦那さん一人だったのね？」と何度か聞き、私「見ていません。主人が娘と一緒に居ました。」、と私は『何で何度も聞くんだ？』と思いながらも答えた。先「どんな物で遊んでいたの？」私「えーと、ガラスの箱で・・・」先「ガラスの箱ですって！！？」私「（あ、間違えた。）ガラス細工が入っていた箱で・・・。」先「（無言。疑わしい目）」実際は、クリスタルで有名なかのSwarskiの空き箱を持ちながらまーやは手をぶんぶん振り回していた。『クリスタルが入っていた空き箱』と言うべきところを、私はかなり省略をして『ガラスの箱』と言ってしまった為に、小児科医は『子どもにガラスの箱で遊ばせるなんて！』と不信に思ったらしい。診察が終り自宅に帰ってから、昼食時に診察のことをダーリンに話していると、話しの途中でダーリンは、ダ「おいおい、もうしばらくしたら警察が僕を逮捕しに来るよ！」と言う。何の事なのやら、と思ってよく話しを聞いてみるとどうやら私の説明が悪く、小児科医はダーリンが虐待しているのではないか？と疑っているかもしれない、とダーリンが冗談を言っているのがわかった。このことで『ああ、だから何度も、あなたはその場を見ていなかったんですね？と聞かれていたんだ』と私は納得。　翌日、まーやは又しても鼻の上と今度は反対の目の下に傷を作った。隣の義妹が遊びに来た時に、この一連の『虐待』話しをしたところ、彼女は「冗談じゃなくて、結構虐待する親は多いのよ。だからこそ小児科医は気をつけてみているの。すぐに社会事業の人たちを呼ぶから、今度からはガラスの箱で、何て言わないように気をつけてね。幼児虐待する人たちはいかにも事故が起こったかのように言うのよ。」と私に語った。　この話を聞いてからと言うもの、私はやたらとまーやの目の中と目の下の傷が気になって仕方がない。『もしかしたら、みんな私が虐待していると思っているのでは・・・。』そう思うと、実際は何もしていないのに必要以上にドキドキしてしまい、聞かれてもいないのに「最近一人で立っては転んでしまって、こんな傷を作ってしまうんですよ。」とたどたどしい言い訳までしてしまう。これではまるで、本当に虐待をしていてその言い訳をしているみたいではないか！虐待をする人の気持ちが私にはわからないが、もし私が虐待したら、子どもに当たれば当たるほど、子どもがその時に感じる痛みの１００倍自分の方が痛く感じるだろうと想像する。　人に言わせると、虐待をされている子どもの顔には暗い影があると言うのでニコニコ笑ってばかりいるまーやを見ていただければ私の疑いは晴れるだろう、と願うばかりである。（そういう時に限ってまーやはぶっちょう面をする事が多いのも運が悪い）　

  2006/09/01

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  おてんばの９ヶ月目

  （９ヶ月のコンプレメーゼを迎えた日。この日はダーリンが隣の家族を招待し、ごちそうを作ってお祝いした。）　８月２７日に９ヶ月のコンプレメーゼ（１歳未満の誕生日）を迎えたまーやは最近生傷が絶えない。つかまり立ちが一人でできるようになった彼女は、そこら中につかまっては立ち、足を動かして歩こうとしている。ところが大人と違って赤ちゃんは、立つのは簡単だが座るのが難しいらしく、バランスを崩して何度も落ちる。先週はテーブルの上に顔をぶつけ口から大量の血を吐き出した。どうやら口の中を切ったらしく、その血の量は私の頭を一瞬にしてパニックにさせた。それからも転んで壁に頭を打ったり、私の気づかないうちに足に青痣ができていたり、と毎日毎日何かしら生傷を作っている。そして、一昨日の夜固いプラスチックの箱で遊んでいたまーやは、それを振り回していた結果、間違えて自分の頭と目に打ち付けてしまった。確かその後で、ダーリンが私に「目に傷を作っちゃったよ。」と話しているのは聞いていたが、確認をすると目の縁に傷ができていたのでてっきりこの小さい傷跡のことを言っているのかと思っていた。おまけにその後で遊びに行った隣の家でもはしゃぎすぎて転んで家具の角におでこをぶつけ、色が変わる程のたんこぶを作って帰って来た。「処置終えん！」と半ば呆れながらもその夜寝かせ、翌朝起きてから公園に連れて行き、改めてしげしげとまーやの顔を見つめると・・・、「目の中に傷ができてる！！！！！！！！！」そう、なんと左目の中に赤い傷ができているではないか！目の縁の傷は後々消えても、さすがに中となるとこの後で視力に影響がでるかもしれないので心配だ。気持ちを急かしながら自宅へ戻り、小児科へ電話をすると「傷の大きさは？」と聞かれる。「大きいです。」と私。先「角膜に近いの？」私「（この角膜と言う単語をその時はわからなかったけど、何となく角膜のことを言っているのだろうと推測して）かなり近いです。」先「そう・・・大きくて角膜に近いならちゃんと調べないといけないけど、角膜から遠いようなら問題ないです。心配ならこの後予約を取ってください。でも今日はいっぱいなのよ。取り合えず受付に電話をして試みて。」こういう時に症状を大げさに言わなかったら、先ずイタリアでは予約は通らないだろう。嘘も方便と言うのはこういう時に使うべきだ、と私は思う。（実際は角膜から大げさに言うほど近くなかったし、大きさも２ミリ位だった。）受付の女性は私に、「１１時からしか空いていません。」と冷たく言った。私「今、何時ですか？」受「１０時４０分ですよ。１分でも遅れたら予約は取り消されます。」私「大丈夫です。すぐに行きますから。」実際には２０分では先ず到着しないだろう、とは思っていたがこれまた嘘も方便である。コレぐらいの度胸がなければイタリアでママにはなれはしない。ガレージから車を出し出発したのは良いが、実は私は小児科への道をあまりよく覚えていなかった。（いつもダーリンが運転するため）したがって、途中で道を間違えたことに気がつき、このまま行くと曲がってはいけないところで曲がらないとどう考えても時間までに到着しないことがわかったので、周りのひんしゅくを感じながらかなり強引に曲がり、スピードをだしながら小児科へ向かった。全く運が悪いことに小児科の前の駐車場に入る道を間違え、これまたいろいろな車と自転車に罵声を浴びられながらも、気が立っている私は言い返して、止めてはいけない場所へ駐車をして小児科の階段を駆け上った。到着は１１時５分。受付はにっこり笑って、「大丈夫。先生が呼ぶので待っていてね。」と言ってくれたので安心して待合室へ入ると、何となくまーやが臭い。どうして「この今」なのかわからないが、どうやら大きい方を催してしまったらしい。慌てて汗をかきながらおむつを換えて、駐車場のことを気にしながらじりじりと待つとようやく名前を呼ばれた。ところが先生は、先ず私に向かって一番に怒り始めた。「お知らせしてある時間外に私の携帯に電話をしないでください。私は２４時間働いている訳ではないんですよ。ちゃんと朝８時から９時までって書いてあるでしょう。」ここで、「じゃあ、緊急の場合はどうすればいいんですか！」と言う反論をすると、へそを曲げられる可能性もあるので大人しく「すみません。」と返し、先ずは診断をしてもらった。診断結果は、角膜から遠いので先ず問題ないが様子を見てほしい、とのこと。先生は一通り診断をした後で、めずらしく私にむかって本当に丁寧に症状とそれから今後どうしたらいいかを説明してくれた。この一連の出来事で知ったのが、私はまーやに何かあった場合は先ず小児科に連れて行かなくてはいけないのかと思っていたが、実際は本当の緊急の場合は（小児科の時間外の場合も）救急病院に連れて行くべきらしい。なんにしろ、普段「からだが疲れた。」と言っている私も、まーやに何かあったら！と思った今朝、自分でもびっくりする程のパワーがでたのには驚いた。母、強しである。しかし、まーや、母サマンタは多少心配だよ。女の子なのに傷が絶えないんじゃあ・・・。

  2006/08/31

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  会話の勉強は公園で

  （ピカチュウ人形と遊びながら見せた一瞬の真顔。何を考えているんだろう？）　いままで英語、ドイツ語、そしてイタリア語と母国語の日本語以外の言語を３つ学んだ。英語は日本にいる時に学校や英会話クラスで。ドイツ語はドイツに住んでいた時にやはりドイツ語の学校や個人授業で。イタリア語も学校に行き学んだ。　どの言語も最初は「Good Morning」「Guten Morgen」「Buongiorno」（おはようございます）などのあいさつから授業は始まったと記憶している。そしてそのあいさつを習い終えると、次は『自己紹介』を学んだ。「What is your name?」「Wie heissen Sie?」「Come si chiama?」（お名前は？）その答えは、「My name is samanta.」「Ich heisse samanta.」「Mi chiamo samanta.」（サマンタです）　実際、この名前を聞くこと・紹介する会話は新しい人と知り合わないと全く使うことができないので、昨年の妊娠期間から外での仕事を休職して以来、自己紹介をする機会が減っていた。ところが、最近この自己紹介を毎日する機会ができてきたのである。場所はずばり『公園』で。毎日娘のまーやを公園に連れて行くと、たくさんの子ども達がまーやの傍に寄って来る。７歳位の子ども達からまーやよりも少し大きな子ども達まで、それはそれは嬉しそうに寄って来てまーやと遊ぼうとする。何しろイタリアの子ども達は小さな子どもを見るのが大好きだ。乳母車を押しながら歩いていると、必ずと言っていいほど大人も子どももまーやを覗き込んで見て、話しかけてきたり、にっこり微笑んだりする。知らない子どもにも暖かい笑顔をおくる、そんな素直な気質を持つイタリア人が私は大好きだ。　さて、公園でまーやの傍に寄って来る子ども達は、まーやをじっと見てにっこりした後で私に聞く。「Come si chiama?」（彼女は何て言う名前なの？）「Si chiama Maya」（まーやよ。）と私は返答をした後で、今度はその子どもの名前を聞くことにしている。名前を聞かれた子どもは、ある子どもは名前と苗字を続けて言い私の頭を混乱させ、ある子どもはたどたどしく話す為、私が何度も「何て名前だって？」と聞いて不信がられ・・・そう苦労しながら聞いた名前を今度は自分の頭の中に叩き込み、翌日会ったときにはあいさつの時にその子の名前も言えるようにするのが日課になった。　名前を覚え、顔なじみになって行くと子ども達もなついてきて「今日は私の宝物を持ってきたの！みてみて！」などと、子猫の人形を見せてくれたり、拾い集めたどんぐりを大切そうに見せてくれたりする。　イタリアの子ども達と会話をするのは、私に取ってイタリア語の勉強になるのだが、子どもの話す言葉は大人のように一貫性がなかったり、はっきりしていなかったりするので、理解をするのに全く骨が折れる。理解力だけでなく、質問攻めをする年齢の子どもの返答をしなければいけないときにはイタリア語をおちおち間違えていられない、と冷や汗がでてしまう。大人には多少のイタリア語の間違いなどわかってもらえる可能性は大だが、子どもには何となく間違えてはいけないように気張ってしまい、よけいしどろもどろになってしまう事もある。　普段まーやには母国語の日本語だけで話しかけている私であるが、こうして外に出た時にイタリア語を話す私を見て、『マンマがいつもと違う言葉を話していると思うのかな？』と思うと興味深い。（それともまだ年齢的に言語の違いはわからないのだろうか？）早くまーやが言語を話せるようになり公園で私の通訳をしてくれる日を期待して、それまではせっせと子ども達との会話でイタリア語を磨かなければ！

  2006/08/25

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  ９ヶ月検診を終えて

  （最近は、イタリアの赤ちゃん用ビスケットがお気に入り）　昔から学校の先生に弱かった。特に女性の先生とは何故だか相性が悪く『親しくお付き合いをした思い出に残る女性の先生』と言う存在は１６年の学校生活の中でたった２人しかいない。　大人になってからは、今度は女性の医者と相性が合わず、特にイタリアに来て以来、喧嘩をしたり、合わずに最終的に担当医を変えたりして来た。女性だから、男性だから、と言う考えを抜きにしてもどうも私は『権力ある女性』に弱いようだ。その癖、不思議なことに小さい頃から女性ばかりに囲まれて育ってきた。高校では女子高に通い、その上の学校も女性だけ（先生も女性ばかり）、更に就職したドイツの会社も女性だけ、ドイツ滞在中に習い事をすれば女性が多く、イタリアに来てからも就職したイタリア企業は平均５０人中４６人が女性、イタリア語クラスに通うとこれまた女性だけ、とこうして書いていくとつくづく私は『女性』に縁があるようだ。　その縁が高じて、昨年１１月に娘のまーやが産まれたわけだが、現在彼女の小児科の主治医も中年の女性ドクターである。この先生は笑顔が全くなく、一見して怖い印象を与えるので、検診があるたびに私は『まーやが泣きませんように』と願いながら連れて行くのだが、その願いむなしく、いつも検診の途中で「あたしのいやがることをする～！！」と言わんばかりにまーやはおお泣きをする。　今日は、実際にはまだ９ヶ月になっていないが、９ヶ月検診があった。いつも通りにまーやの身長・体重、そして動きなどを確認し終えた後で「離乳食は何をあげていますか？」と先生が私に質問をした。私「お昼はパスタを主にあげています。」先「パスタはどういう風にあげているの？」私「トマトソースを作って、中にズッキーニを入れたり、チーズをふりかけて・・・。」先生の射るような目に見つめられるだけでも緊張するのに、面接試験のようなことを聞かれて私の答えはしどろもどろである。そして案の定、私は先生が『あげてはいけない』と言う食べ物ばかりあげていたことに気がつく。先「トマトはアレルギーが起こりやすいからあんまりあげないように。」（私「がーん！毎日あげていたよ・・・」先「パルメザンチーズは塩分が強いので小さじ１杯くらいまで。それ以上はあげないように。」（私「・・・パスタに振り掛けるほか、ダーリンがスプーンですくってあげていたけど・・。」）先「肉の種類は何をあげているの？鳥？ＯＫ、豚？豚はまだ早いわよ。七面鳥やうさぎを代わりにあげて。それから魚をそろそろあげていいわね。え？もうあげているって？？！何をあげているの！？（不信そうな目で私を見る）」私「鱒や舌平目です・・・。」先「それならいいわ。」私（ほっ。一安心）今まで、まーやが食べるからと何でもかんでもあげていたわけではないが、比較的『これくらいあげてもいいかな』と楽観的に考えて食事を与えていた。しかし８ヶ月のまーやにはまだまだ塩分やアレルギーを起こしやすい野菜は、体に負担がかかりやすいので注意が必要なようだ。　あーあ、これでまた女性の先生ににらまれてしまった。ただでさえ、先生が「瓶詰めを使うように。」と言っているのを「瓶詰めは使いません。自分で作っています。」と言うことを聞かず、何かと検診の度に怒られている私である。１２ヶ月検診の時にはにらまれ度が少なく行きたいが、どうなることやら・・・。 （例えば、ある日の昼食。ズッキーニとハート型のパスタ。ストラッキーノチーズ、パン。りんごを入れたヨーグルト。その他にもハムをあげるようにと勧められた。）

  2006/08/22

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  いろいろな家族

  　いつだったか、娘まーやの寝顔をじっと見ていたダーリンが「僕には子どもを殺すやつの気が知れないよ。」と、ぽつんと言った。　世間では相変わらず『幼児虐待』『親が子どもを殺人』『子どもが子どもを殺害』など、何の罪もない子どもがねらわれ、そして無残な目に遭っている。日本人が想像している明るいイタリアにはまさかそんな事件はないだろう、と思われているかも知れないが、このイタリアにも子どもを狙った事件は常に存在している。　まーやと言う自分の子どもを持つ以前には、子どもの殺害事件などのニュースを聞くたびに『なんてひどい』と憤慨の気持ちがいっぱいに起きただけだったが、いざ子どもを持ってみると、そこに恐怖心が加わるようになった。あまり考えたくないことだが、『もし自分の子どもがそんなことになったら・・・』と考えると怖くなってしまう。つい２０年前までは子ども達だけで公園に遊びに出かけたり、親の目の届かないところでかくれんぼをしたりとのびのびと遊ぶことが出来たのに、今となっては保護者の監視下がないと平静に遊ぶことすらできないのだから、嫌な世の中になったものである。（日本だけでなくイタリアでも同様だ。）　さて、私達の近所に少し変わった子ども連れの家族が二組住んでいるのでその話をしよう。一組目は中国人の家族。２歳位の男の子を持つ夫婦と、夫婦どちらかのお母さん、夫婦どちらかの弟（と思われる）、夫婦どちらかのお姉さん（？）の６人住まいである。（私達３人家族は彼らと同じ広さのアパートに住んでいる）夫婦の旦那さんはいつもニコニコと感じが良く、会社帰りに中庭にいるまーやをあやしてから自宅へ帰って行く。彼の息子はまーやと年が近いことから中庭に降りてくれれば一緒に遊ばせることができるのに、と一度ダーリンが彼に話したらしいが、旦那さんはニコニコしただけで返事をしてくれなかったそうだ。それもそのはず、なんと彼の息子は一度も（！！！）外に出てきた事がない。朝から晩までこの２歳位の男の子は家の中にいる。一体どうやって遊ぶ欲求を満たしているのかわからないが、とにかく家から出てきた例がない。（近所の人たちはこの男の子が外に出てきたのを誰も見たことがない）家の中にいるのが確実なのは、午前中や午後、そして夜にこの男の子を大声で叱るおばあちゃんの声が聞こえるからだ。中国語なので何を言っているのかわからないが、中国語が怒って聞えるような発音と言うことを差し引いても、一体どうやったらこんな怒鳴り声を小さな子どもに出来るのだろう、と震えてしまう位にこのおばあちゃんはいつも孫に向かって怒っている。一度、あまりにも怒鳴り声がすごいので彼らの１階下の家族が文句を言いに行った。「あなたたち子どもを外に出さないで、一種の虐待ですよ？あんまり怒鳴り声もひどかったら今度は警察に電話しますから。」とはっきり通告したんだ、と家族のパパが話してくれた。一体金網に囲まれた家の中で、この子どもはどう育って行くのだろう？　もう一軒はシチリアの家族である。再三このBLOGに書いているように、私は南イタリアびいきである。ダーリンが転職さえ出来れば、すぐにでもここから南に～南に～と引越したいくらいだ。だからつい数ヶ月前に、このシチリア人家族が近所に引越して来た時にはとても喜んだ。この家族は、ただいま臨月の奥さんと太っちょの旦那さんの二人構成のはずなのだが・・・、何故か他にも常に人がいる。現在は、出産の為に駆けつけてきたのか、奥さんの両親、奥さんの妹（らしい人）とその子ども二人も一緒に住んでいる。道で会うとその人それぞれニコニコしてとても感じが良いのだが、一旦みんなが集まってしまうとそれはそれは手をつけられない状態になってしまう。そう、騒がしいのだ。南イタリアの人たちが大声でかなり陽気だと言うのはわかっているのだが、それをこの静かな北イタリアでやられてしまうと、かなり浮いてしまう。おまけにここに住む人たちと、彼らの体内時計は何時間もずれているので、彼らの賑やかな夕食の最中に私達はベッドの中で眠る準備をしているのだ。夜中の１時や２時まで窓を開けっぱなしにして、わいわい、がやがや、時にはかんかんがくがく、罵倒続きの喧嘩など、大声でやられるとこちとら堪ったものではない。よくよく彼らの話を聞いていると、暴言を常に用いたりしているのであまり品行方正な家族ではないらしいということがわかり、今では『今度夜中まで騒いだら警察を呼ぶ』と言う話が近所からちらほら聞える。一度、この家族の中の５歳位の男の子が「ボールで遊んでいたら木に引っかかっちゃった。」と祖父に言いに来た。祖父は即座に、「xx xxxxxxx!!（日本語に訳すことが出来ない位の暴言）」と孫に向かって返したので、驚いた。暴力は体だけでなく、言葉でも十分打撃を受けることができるのに。　世の中いろいろな家族がいるものだ。　

  2006/08/17

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  山で一休み

  　今日は娘のまーやのComplemese（コンプレメーゼ）である。Compleanno（コンプレアンノ）はイタリア語で誕生日。Annoは年と言う意味である。でも１歳にも満たない赤ちゃんは月ごとに誕生日を迎えることになるので、それで『Complemese』（mese＝月）とイタリア人は呼んでいる。　毎月、このComplemeseを迎える度にダーリンと私はまーやに向かって「おめでとう！」「Auguri!!」と声をかけ、少しだけ特別な離乳食を作ってあげている。今回はどういうComplemeseを迎えてあげようか、と考えていたところ偶然にもダーリンの仕事が午後休みだとわかったので、３人で山に居る祖父母に会いに行くことにした。　街（下界）があまりにも暑いことから「こんなところには到底居られない！」と義父が悲鳴をあげ、彼らは隣の姪っ子ソフィアを連れてキャンピングカーで山に滞在している。「ここは涼しくて気持ちがいい。MAYAを連れて泊りがけで遊びにいらっしゃい。」と再三言われていたのだが、出かけるための荷物を用意することが億劫だったり、仕事の電話が入ったり、母乳をあげていることから、キャンピングカー内で夜中にみんなを起こしてしまうことなどを考えるとあまり気が進まず、結局そのまま訪問を延ばし延ばしにしていた。　まーやのComplemeseが来なければまだ延ばしていたかも知れないが、義両親もまーやに会えることを毎日首を長くして待っているようだったので、この機会にと重い腰をあげ、でかけることにしたのである。　彼らの滞在場所はLavaroneと言うヴィチェンツァから車で１時間程北に上ったところにある。滞在している山の中には綺麗な湖もあり、水浴びやボート遊びもできるようになっている。湖の周りには遊歩道があり、木陰を歩きながら散歩も楽しむことができる、と言う現在のこの暑さを回避する正に理想的な場所である。　例によってダーリンが途中で道を間違えた為、私達が到着をしたのは出発してから２時間後の３時半だったが、街で迎える３時半の気温とは打って変わり、すでにひんやりとした空気が私達を待っていた。「寒いからもう一枚MAYAには着させたほうがいいわよ。」と言う義母のアドバイスにより、裸同然のような格好をさせていたのを長いズボンと下着、その上にもＴシャツを着させ、更に靴下まで履かせることになった。普段の街中でこんな厚着をさせていたら、たちまちまーやは干上がってひからびてしまうことだろう。太陽がでているものの、やはり山は湿度がなく、涼しく過ごしやすい。　まーやは午後中、姪っ子ソフィアとキャンピングカーの外で遊び、祖父母からは洋服のプレゼントをもらい、そして８ヶ月になったお祝いにと初めてヨーグルトをおやつに食べて喜んでいた。　夕方からはみんなで湖の周りを散歩して、公園でソフィアと遊び疲れたのか帰ってシャワーを浴びて、夕飯を食べたら瞬く間にすやすや眠ってしまった。普段家に居るときには夜の２２時まで眠らないのに、この安眠効果は山の温度と空気のお蔭だ。　「街中と２０度の差があるんだよ。夜は１０度位だから寒いくらいだよ。」と義父が教えてくれたが、言葉通りに夜は肌寒く、長袖でないと冷えてしまうくらいだった。　今回の山への訪問は、日頃子育てで疲れ気味の私に取っても良い効果をもたらせた。何しろ祖父母は孫可愛さになんやかんやと世話をしてくれるので、私は口だけだして体を使う必要がなかった。普段日中は私が遊び相手になってあげないとぐずるまーやだったが、山には姪っ子がいるので私は椅子にのんびりと座って見ているだけでいい。いつもは「やれ、昼食だ」「やれ、夕食だ」とあたふたしながら作らなければいけない料理も、「いいから座っていなさい」と言う義両親の暖かい言葉に甘えて、夕飯作りも彼らに至れりつくせりでお世話になった。ああ～なんと言う極楽。　「あんまりにも暑かったらもう街には戻らないから、８月中に泊りがけで遊びにおいで。」と帰りがけにかけてくれた義父の言葉を真に受け、今度はのんびりしに泊りがけで行こうかと早速考えている。

  2006/07/27

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  バカンスシーズン

  　まーやを散歩に連れて歩いている時に、道でイタリア人に会うたびに「よく日に焼けている赤ちゃんねえ！海に行ってきたんでしょう！？」と聞かれる。今のイタリアは休暇シーズン。バカンスの一番のピークは８月の２週目ごろだが、最近では「８月は最も旅行代金が高いし、混むから。」と言う理由で、イタリア人達の休暇も６月～９月までの間にばらけている。イタリア人に取って『夏』と言えば何と言っても『海』が連想されるだろう。夏に海か山へバカンスで出かけることは当たり前の事であり、最近でこそ休暇を取って家にいる人もいるようだが、それでも借金をしてでも休暇に出る人がいることを考えると、バカンスがイタリア人に取ってどれだけ『大切なもの』で『楽しみなもの』なのかわかる。　そんな人たちの中で、今年の夏どこにもバカンスに出かけない私達はいささか肩身が狭い。だから、上記のような質問をされるとついつい小さな声で「・・・海焼けでもなく、山焼けでもなく、・・・公園焼けなんです・・・。」と答えることになる。　夏休みでみんながバカンスにでかけてしまった為に、例え子供の姿が少なくなっても、相変わらず私達の公園通いは続いている。公園には日陰があり、そこのベンチに座りながらぼーっとしているだけでも自宅に居るよりははるかに涼しい。現在はいはいが盛んになり、すでにひとり立ちをしようと一生懸命なまーやは、だんだんとブランコや滑り台などで『遊ぶ』ことが出来るようになって来たので、公園通いが楽しくて仕方ないらしい。　今朝は午前中自宅に居たダーリンが、朝８時に公園へと連れ出したところ、公園が開くのは９時からだと言うことで柵が閉まっていたそうだ。公園の前に着いたときに、まーやが大喜びで「きゃーきゃー！！」言っていたのに、仕方なくくるりと踵を返した途端に泣いていたと言う。　そんなまーやが大好きな公園の一つに昨日の午前中は連れて行った。公園内に居たのは孫を連れた祖父母ばかりであったが、子どもの数は多く、まーやは嬉しそうにして馬の乗り物に乗り始めた。それを見つけた３歳位の男の子が「僕はこんなこともできるんだぞ！」と言わんばかりに、まーやの向かい側の馬の背に立って乗り、それからは狂ったようにその乗り物を動かし始めた。『馬にはみんな座って乗るから靴のまま立ったらみんなに迷惑だろうに・・・。』と私は思ったが、傍にいる彼のおばあちゃんは注意一つせずに黙って立っている。　その後ブランコに乗って遊んだまーやは再び馬の乗り物へ戻り、ブランコの方を眺めていると、一人のおばあちゃんと孫が誰も乗っていないブランコを１台ずつ押しては離し、押しては離しを繰り返しているのが見えた。孫はどう見ても２歳くらいの男の子で、こんな危ない遊び（？）をしていてブランコに頭でもぶつけたら・・・と人事ながらはらはらしてみていると、そのおばあちゃんは飽きたのかブランコを離して友達が待っているベンチへとすたすた歩いて行ってしまった。残ったのはかなりの勢いで揺れているブランコと、いまだ遊んでいる孫だけであるが祖母が居なくなったので孫はこれまたブランコを離し、祖母の方へ歩き始めた。当然ながら孫はまだ小さいので祖母が押していたブランコが目に入らずに、あわや頭に当たる！と言う瞬間に幸運にも体が動き難を逃れた。ところが、その後で別の子どもとその祖母がブランコのところに来たから、大変なことになった。２台のブランコはまだすごい勢いで揺れているので、孫に当たらないように祖母がブランコを止めるのに一生懸命だった。まーやが居なければ私が飛んで行ってブランコを止めてあげたところだ。　全く、常識外の人が公園にはいるんだなあと勉強になる。それもそれぞれの教育方針やら、考えが違うからなんだろうが、自宅ではどんな教育をしてくれてもかまわないが、公共の場にきたら他の子どもに危険がないようにして欲しいとつくづく思う。　ママになってからと言うもの考えることが増えてばかりで、私こそバカンスが必要だ！・・・が、まだまだバカンスは遠い・・・。

  2006/07/25

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  離乳食満載！

  （お夕飯だ、お夕飯だ、わ～い、わ～い！）　先週はスタミナ切れで体の動きが鈍かった私も、今週からようやく体力が復活し、何とか朝から晩まで動けるようになった。そこで、今週は１日の大半を台所に立って過ごしている。その理由は、毎年の恒例のことながらダーリンのパパが畑で取れた野菜を大量に我が家へ分けてくれた為だ。　２週間ほど前に海から戻った義両親と隣の姪っ子は、「町は暑いから」、と今度は昨日から山へでかけた。山は涼しいから２週間ほどのんびりしてくると言う。山へ行ってしまった彼らには野菜は必要なく、隣に住むダーリンの妹夫妻も姪っ子に会いに週末は山へ行ってしまうので野菜を食べない。つまり畑で取れたほとんどの野菜が我が家にやって来た、ことになる。　ズッキーニなどは何本あったかわからない程の本数が冷蔵庫の中に詰め込まれ、トマト、ナス、きゅうり、セロリ、カリフラワー、じゃがいも、そしてこれは畑では取れないが知り合いの家の鶏が産んだ『タマゴ』も２０個程やってきた。これだけの野菜を頂いたので、今週はメルカート（市場）の八百屋さんで野菜を買う必要がなくすみ嬉しかったのだが、今年のイタリアの夏は異常な暑さとなっているので野菜を早く使わないとどんどん腐ってしまう可能性がある。そこで、「こうなったら体力がないなんて言ってられん！」と底力を振り絞り、今週は毎日台所でせっせと料理にはげんでいるのである。ナスは少し保存がきく『ナスのオイル漬け』にした。残ったナス、ピーマン、トマトは『野菜の煮込み料理』にした。残りのトマトはせっせとサラダやパスタソースに使っている。タマゴは昨日じゃがいもと一緒にオムレツにし、今日もゆで卵にして今晩の前菜にアレンジするつもりで冷蔵庫の中に入れてある。　毎年、「頂いた野菜を全て使い切る！」と意気込んでいるにも関わらず、最終的には腐らせてしまう野菜がでてしまうのだが、今年は何とか順調に使いこなせそうな気がしている。ありがたや、７ヶ月のまーやもせっせと野菜消費に貢献してくれているのだ。　現在昼と夜の２回に分けて離乳食を食べているまーやは、与えるものを何でもよく食べてくれる。一番好きな食べ物は『メロン』で、水水しさと甘さが一緒になったこの果物が大好きらしく、私が冷蔵庫からメロンを出すたびに手を上下に振って喜んでいる。野菜類はじゃがいも、人参、キャベツ、かぼちゃ、ズッキーニなどまあ何でもよく、しかも結構な量を食べてくれるので作る私も料理のし甲斐があるというものだ。自然と離乳食作りにも力が入り、『もし、体力的に続かなかったら瓶詰めの離乳食を使おう』と思いながらも結局まだ一度も使った事がない。とは言っても私の離乳食作りはかなり簡単で（手抜き）出汁で野菜を煮込んで、そこにお昼なら幼児用のパスタを入れ、オリーブオイルとチーズで味を整えるだけ。夜ならばパスタの代わりにごはんを添えて、魚かお肉を野菜に混ぜるだけである。そろそろ味付けをしてもいいのは知っているが、こちらイタリアで通っている小児科の先生にまだ味付けについての判断を聞いていないので、まーやは野菜本来の味だけを味わっているのだ。　そんなまーやには、畑で取れたばかりの野菜の味は美味しいに違いない。「さあ、今日のノルマはナス１本！」　今日も野菜を減らすためにせっせと台所に向かう私である。

  2006/07/20

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  ブゥオナ　ノッテ

  （蚊帳の中から眠る前にハイ、ポーズ）　乳児は心身ともに最後の最後までくたくたに疲れ果てないと眠りにつくことが出来ない、と聞いたことがある。最も赤ちゃん全員に当てはまるわけではないと思うが、まーやを例にした場合は正にその通り、ぴったり当てはまる。まーやは昼間になかなか眠らない赤ちゃんで、眠ったとしても１時間、多くて２時間続けて眠ってくれればよいほうだ。そして、眠りにつくまでがこれまた大変で、「眠いのに眠れない」と言う様子を体全体から出し、時にはゆらゆら揺れながらもおもちゃをつかんで遊ぼうとし、時には眠すぎて床に突然倒れてしまうこともある。ところがそれでも眠らない。いや、眠れない。もう自分の体力の限界に来るまでは眠れないらしく、そうしておもちゃで遊んだり、あっちへごろごろ、こっちへごろごろ、したりしながら苦しみ、最後はお気に入りのガーゼのハンカチを握り締めながら親指しゃぶりをして『ストン』と眠ってしまう。一度眠ってしまえば容易に起きないことを知っている私は、眠った事を見届けた途端に「それ、動け！」とばかりに、時には家事に、時には仕事に、時には読書に、と精をだしながら短いながらも自分の時間をようやく取る事ができる。　ところが最近は、その『短い時間』ですら取る事が出来なくなってしまった。家の周囲で工事がはじまった為に、その騒音でまーやが眠ってくれなくなったのだ。最近ようやくクーラーを点けずにも過ごしていられる位の部屋の気温になったと言うのに、窓を開けると工事の音がものすごくウルサイ。そのうるささたるや、まるで家のすぐ外でロックコンサートが開かれているようなものだ。早朝は８時から、お昼休みを２時間入れて、夕方１８時半まで連日続くこの工事の音に、さすがの私も我慢が出来ずに、時々『くら～』としながら頭痛がし始めている。　昨年の妊娠期間中にはお隣さん、そして出産直前から出産後には下の階の家、そして今回の斜め前の家、更に先週からは後ろのアパートが玄関の工事をし始め、・・・とつくづく我が家は『騒音』に運がない。　先日ドイツから友人が電話をくれた時に、電話から伝わるその騒音に彼女は心底驚いていた。彼女の自宅では鳥の鳴き声が聞える、と言うことを聞き、鳥と工事の音のあまりの違いに『静けさ』と『さわがしさ』＝正に『ドイツ』と『イタリア』の国の違いと合わせて連想してしまった程だ。そう言えば鳥の鳴き声など、ここしばらく聞いてもいない。最もこの工事のさわがしさ、そして土埃のすごさには鳥達もびっくりして逃げて行ったのではないか、と想像する。　今日もまーやは日中、騒音と暑さの２害の為に昼寝の途中で起きてしまい、その後泣いてわめいてすごい騒ぎだった。夜は夜でこれまた簡単に眠れずに、私がまーやの部屋を出て行こうとすると、その気配を察して「（マ）ンマー！（マ）ンマー！！」と泣いて呼ぶ。生後数ヶ月の時は、夜決まった時間にまーやを自分の部屋のベッドにぽんと入れると、そのまま『スー』と眠ってしまったものだったが、今ではよほど疲れている時以外は、私の姿を見止めないと泣いて呼ぶようになってしまった。安心感を求めるようになったのは、成長をしている証拠だろう。「大丈夫、ここにいるから。安心して眠ってね。数時間後のご飯の時に会おうね。」私が毎日繰り返す言葉である。この言葉をまーやに言うと、安心した表情をしながらすぐに眠りについてしまう。　そして、眠ったまーやの寝顔を見ると昼間になかなか眠ってくれなかった事や、泣いて困らせていたことなど全てを忘れて、心底満ち足りた気持ちになる。子どもの寝顔って本当にかわいいものだ。

  2006/07/18

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  子どもにとって必要なこと

  （ソフィアとまーや）　　日曜日にダーリンの両親と隣の姪っ子ソフィアが海から戻ってきてからと言うもの、まーやは毎日忙しく過ごしている。まーやではなく、大人の私が多忙なんでしょう？間違えて書いているんじゃないの？と言う意見もあろうが、そうではなく７ヶ月のまーやが多忙なのである。　毎年のことながら６月から３週間ちょっとの間、ヴェネチア近くの海に休暇にでていた３人は、その間まーやに会う事が出来ずに大層寂しがっていた。特に祖父母の悲しみようは大きく、彼らから自宅に電話がかかってくる度に「MAYAに会いたくて仕方ないのよ。MAYAに私からキスを送るわね。」などと、恋人にでも語り掛けるような言葉をまーやに送ってくれた。　その彼らがようやく下界に戻った途端に、毎日まーやの顔を見に来るようになった。もともと義母はソフィアの世話をしに毎朝７時過ぎにやって来ることになっている。義母とソフィアは午前中、公園や買い物に出かけ、お昼に義母の家に移動をし、夕方ソフィアのママが仕事先から自宅に戻る途中にピックアップする、と言う毎日を送っている。その彼らの毎日に、月曜日からは『MAYAも一緒に公園にでかける』ことが加わった。まーやがまだ２ヶ月過ぎの時には、母親から離されると思ったのか、義母が外に連れ出すと泣いて泣いて大変だったのだが、その彼女ももう７ヶ月。物心がついたのか、義母に連れ出されても泣きもせずにニコニコと笑って出かけていく。私はその姿を見送り、そしてようやく自分の時間が・・・と言いたいところだが、そうは問屋が卸さずに、家事をする時間を持つことが出来るのだ。義母は『母親なしにまーやと一緒にいられる時間』を持てることに喜び、私は『子育てから開放される』多少の時間を持てる事に喜び、この朝の散歩は双方に取って良い結果をもたらしている。　さて、現在６歳の姪っ子ソフィアはまーやの良い遊び相手になっている。もうじき７歳になるので、７歳の差は大きいと思っていたのだがやはり子どもは子ども、まーやと一緒に外や家の中で遊ぶときには子どもらしい発想をしながら上手にまーやを楽しませてくれる、とてもありがたい従姉妹だ。まーやが生まれた頃、知っているイタリア人に会うたびに、彼らはソフィアに「従姉妹が生まれて嬉しいでしょう？」と聞いていた。その質問を聞くたびに、ソフィアは「うん。」とは答えたものの、曇った顔を隠さずにいた。今まで一人っ子として存分に祖父母や両親、親戚（もちろん私達からも）から愛情をもらって育ってきた彼女に取って、心中穏やかであったはずがない。しばらくの間、何かとまーやに対してちょっかいを出したり、祖父母に必要以上に甘えたり、と言う行動が目立ったが、まーやが３ヶ月になる頃から彼女は変わりはじめた。その理由は、まーやが『ソフィアを必要としている』様子が彼女に伝わったから。どんなにまーやが泣いていても、そこにソフィアがいるとまーやはケラケラ笑い始め、とても嬉しそうな表情をする。「誰に対して泣いていても私にだけは泣かない。」と言うことをソフィアが理解してからと言うもの、自分の意識の中に嫉妬心よりも愛情が沸いてきたらしい。　子供に取って、○自分は大切な存在○自分の存在価値がある○自分は生きている意味があると言う自己評価を高めることは、生きていくうえでとても大切なことなのだそうだ。　先日実家の母から届いた子育ての本に書いてあったこの言葉を読み、なるほどと納得した。確かに私達大人でも、誰かから必要とされている、と感じるとうれしく気持ちが向上する。　小さいまーやにはすでに毎日のように愛情ある暖かい言葉を投げかけ、「生まれてきてくれてどうもありがとう。」と口に出して話している。まーやには、いつも『自分の存在』を意識の上で持って安心して育って欲しい、と心から思う。

  2006/07/12

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  スタミナ切れ

  （スタミナ切れの私に比べ、まーやはいつも元気！）　最近の私はスタミナが全くない。一体なんでこんなに疲れているんだろう？と自問自答してしまうほど疲れている。午前中や午後早い時間はそれでもまだ元気があるにしても、夕方になると体を起こすことができない位に疲れを感じることがある。それでも残念ながら主婦の私には休みを取ることは許されない。家事と言う会社に電話をして、「すみません、今日はちょっと調子が悪いので休ませてください。」と言うことができたらどんなにいいだろうか、と思う毎日だ。　こうしたスタミナ切れはどうやらビタミンB1の不足が原因らしい、と言うことを今日雑誌で読んだ。ビタミンB1の働きは、糖質の代謝をスムーズにしてエネルギーを作り出すこと。そして、神経伝達を助ける栄養素なのだそうだが、夏にはこのB１が春の２倍も消耗されると言う。だから夏ばて防止には赤ちゃんだけでなく、パパとママもB１をたくさん取るように、と雑誌に書いてあった。ちなみに夏にはこのB１だけでなく、鉄分とカルシウムもたくさん摂取すると良いと言う。　常日頃からまーやの離乳食を作るときには栄養をまんべんなく取れるようにと気遣って料理をしている私だが、そのせいで自分達の食事内容がお粗末になっている。最近ではダーリンが「口の中に口内炎ができちゃって痛い。」と言っているので、まーやの健康も大事だが自分達の健康をしっかりしなくちゃ！と料理をすることを考え直しているところだが・・・如何せん私の体力がそれについていっていないので全く堂々巡りなのである。　もしここで私が病気で倒れたら誰がまーやの面倒を見るのだろう？と思うと、おちおち倒れてもいられない。　健康な体を作るためだけでなく、精神の平常や頭脳の働きを作るためにも『栄養を取ること』は大切なんだなあとつくづく思う。　　●ちなみに、ビタミンB1を多く含む食品は豚ヒレ肉、豚モモ肉、豚レバー、鶏レバー、卵黄、枝豆、切干大根、干ししいたけ、のり、昆布など。

  2006/07/08

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  ３つの不満

  （７ヶ月の誕生日を迎えたまーや。甚平を着て。）　常日頃、私は物事を考える時に『良いように』考えるようにしている。たとえ何か悪い事が起きても、それを逆手に取って良い方向に考えるように努めてきた。そう良い方向に考えていくと、自然と物事に不満を持つ事も少なくなるはず、なのだが最近の私は如何せんかなり不満が多い。　とにかく連日猛暑と毎回日記に書いているように、相変わらず雨が降らずに蒸し暑い日が続いている。そして、最近はその暑さに『騒音』と言うトンでもないものが加わった。　斜め向かいの家を誰かが買ったらしく、家を壊し、地面を掘り返して、一から新しい家を建てる心積もりらしい。いやはやその立て壊しの音のうるさいこと、と言ったらない。土地の広さが結構な大きさなので、壊した家の破片を処理する為にタンクローリーのような大型トラックが待機し、その巨大なゴミをどんどん破壊して行く。もう、異常なうるささである。昼間はなかなか眠ることができないまーやをやっと寝かしつけた、と家事に向かおうとすると、この騒音が始まり、「ぎゃー！」と言うまーやのびっくりした泣き声を何度聞いた事か。やるせない怒りに、まーやを抱っこしながらその工事現場に向かってにらみつけてみるのだが、負け犬の遠吠えである。　それならば窓を閉めればよいのではないか？と言う意見がでるのは最もなのだが、そうすると部屋中がたちまち灼熱地獄と化してしまうだろう。　では、クーラーをつければいいのでは？最もである。クーラーをつけない理由は、一に私がクーラーの風をまーや（乳児）に当たらせたくないから、二にクーラーの位置が悪く、日中私達が過ごす居間に風がまわって来ないから、である。実はクーラーの風は直接乳児の肌に当てなければよく、かえって暑過ぎる部屋の中で過ごさせることの方が体力を消耗させるのだと聞いた。この話を聞いて、クーラーをつけようかと思ったが、理由に書いたように生憎私達のクーラーは寝室側に位置している為、居間に風を持ってこさせる為には、先ず全室の窓を閉めて居間以外が全て冷え切ってからようやく居間に風が届くようになっている。つまり、その間私達は暑い部屋の中でひたすらクーラーの風が来るまで待たなければならないのでそんな時間があったら行水でもさせた方がよっぽど涼しいのではないか、と思い最近はまーやに行水を多くしている。こうして、まーやから暑さを回避させるために母の私はかなりの苦労をしているのだが、私も暑さに強い方ではないので朝はまだそれでも体力があるが、午後も夕方になるとだんだんと元気がなくなり、まーやが泣いても足をバタバタさせても起き上がることすら出来ないときがある。暑さと言うのは本当に気力・体力の両方を奪うものだ。　さて、そんな私が現在楽しみに待っているものは日本の親戚が送ってくれたまーやへの浴衣と実家からの荷物である。例えば日本の実家は通常荷物を国際宅急便（EMS)と言う方法で送ってくれる。この方法だと日本（東京）からヴィチェンツァまで４日もあれば到着する。今回母が荷物を送ってくれたのは２週間前の木曜日。もう荷物が日本を出発してから大分経つのだが、一向に私の手元に届かない原因ははっきりしている。それはずばり、サッカーのワールドカップ開催中だから。イタリアの試合があれば、例え勤務時間中であろうと自宅に帰ったり、テレビがあるBARやオフィス内で仕事そっちのけに試合観戦をするイタリア人である。これでイタリアが早々と負けてでも居れば、私の荷物はとっくに手元に届いていたかも知れないが、今回はベスト８にまで進んだ為、ますます国民の応援には熱が入っている。「絶対に荷物はどこかで止まったまま、だーれも働いていないに違いない！」と文句を言う私に、ダーリンは苦笑している。　『騒音』に、『暑さ』に、そして『荷物』、この３つに対して何とか『良いように』考えようとするが、今のところどう良いように考えてわからないほど、頭の中がショートしている。　神様、どうかお助けを。

  2006/06/27

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  外出時間

  （お昼ね中）　私の住んでいる地域の小学校は先週から３ヶ月の夏休みに入った。義母の話しでは、幼稚園は６月末まで開いており、それから夏休みに入るらしい。私の自宅は小学校と中学校の近くにある為、平日はいつも朝から子供達の賑やかな声が聞こえていたのだが、休みに入ったために最近はとても静かだ。通りを歩いていても子供達の姿が極端に少なく感じるのは、親や祖父母が休みに入った子供を連れて海や山へ休暇にでかけてしまった為と、それから猛暑の為に外に出ないのが理由だろう。　昨日の新聞には、北イタリアがあまりにの猛暑の為に注意だと書いてあった。特にこのヴェネト州は湿度が異常に高い為に、蒸し暑くて息苦しくなる。この蒸し暑さから起こる症状として、『喉、鼻の痛み』『咳』等が書いてあったが、正に私はその症状を随分前から持っている。夜中に起きると喉がからからに乾き、鼻が痛くなり、なかなか眠れない。今まで『もしかしたら風邪？』と思っていたのだが、新聞を読んで風邪ではないと確信した。　つい先週まで、まーやを連れて午前と午後の２回、散歩にでかけていたのだが、最近は外に連れ出すと彼女が泣くことから一体どうしたことかと思っていた。乳母車には日よけをつけているので直接太陽の光が当たらない。そして、水分補給もまめにしている。公園では日陰を好んで乳母車を止めている。虫の居所が悪いんだろうか？と思っていたが、この原因は『それでも暑すぎるから』だと言うことがその内わかった。いまや午前中は朝涼しい時間帯と、午後はせいぜい１７時以降、いやそれでも暑いので１８時以降でないと外に連れ出すことは出来ない。　イタリアに来たばかりの夏、夕食を食べ終わった後でよくダーリンが私を散歩に誘ってくれた。中心地まで時には自転車、または徒歩で散歩に出かけ、ジェラート（イタリアのアイスクリーム）を食べて広場で友人と会ってお喋りをしたり、のんびりした空気を楽しみながら家に戻る。街の住民が集まる広場では子供達の姿が多く、『こんな小さな子どもがまだ起きているなんて！』と夜の１０時を過ぎても外で遊んでいる子供達を見ながら、イタリアの子どもは夜更かし気味なんだなと感じた覚えがある。　その理由がようやくわかった。暑すぎて夕方、いや夜まで外に出る事が出来なければ一体いつ子ども達は外に出て遊ぶことができるのだろう？そう言えば去年まで階下に住んでいたナポリ人の子供達は、夏になると毎晩１０時半頃まで道路で遊んでいたっけ。子どもは夜更かしするものではない、とその時思っていたものだが今や仕方がないのかもしれないなと感じる。　さて、この猛暑対策として新聞に出ていたのは、○フルーツ、新鮮な野菜、じゃがいもをたくさん食べる○ビタミンＣとＥをたくさん取る○緑のあるところ、公園などへは１０時～１８時の間は避けるようにするである。　お天道さま、ここらでちょっと雨を降らせてくれませんか？

  2006/06/23

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  イタリア人の食べると言うこと

  （種類豊富なスーパーの瓶詰めコーナー。馬肉、羊肉、兎肉などもあります。）　イタリア人は、自国の食べ物が美味しい為に、他国の食べ物に対する興味や意識がまだまだ少ないと思う。ミラノやローマなどツーリストが多い場所、そしてその他の大都市など、最近では比較的いろいろな国のレストランが目につくようになり、若者の間では流行化しているようだが、ある一定以上の年齢の人たちに取っては、やはり『イタリア料理は世界一美味しい。他の国の料理は食べれたもんじゃない。』と言うことになる。確かに美味しいイタリア料理のこと、イタリア料理を絶賛するのも当たり前だよなあとのほほんと思っていたのだが、そのイタリア料理に対する信仰が離乳食にまで及ぶようになると、今までの様にのほほんとはしていられなくなって来た。　現在、もうすぐ７ヶ月のまーやは離乳食が始まってから１ヶ月半が経とうとしている。最初の頃は、離乳食の本を見ながら分量をはかり１０倍がゆを作ったり、出汁を取ったり、としていたが、それも１週間が過ぎる頃には全て『適当』な分量で作るようになり、今では私に取って時間がかからず、楽な方法で離乳食は用意されている。　私の離乳食作りのモットーは、１に美味しく、２に栄養が取れること、３に何でも食べてもらえるようになること、である。いまだ味付けは一切していないが、幸いにも今は季節が夏で野菜が美味しい時期に入った為、味付けなどしなくても野菜の味汁だけで十分美味しい野菜がゆが出来る。そうしたおかゆを味見しながら、「この味が原点だったはずなのに、人間はいつからどんどん味付けを足して行ってしまったんだろう。」と、ふと思う。　さて、私がこうして離乳食を作っていることをダーリンこそ知っているものの、他の家族は誰も知らず、一体どんなものを食べさせているんだろうと興味を持っていたらしい。ある時、実家に昼食に招待されたのでまーやの離乳食を持って行き、向こうで食べさせた。そこで聞かれた当然の質問、「これ、何が入っているの？」その時は確かおかゆに野菜と白身魚を入れたもので、まーやは嬉しそうにパクパク食べていた。しかし、ダーリンのマンマにはこの日本式で毎日作っているという事実に納得が行かなかったらしい。「イタリアの料理も食べさせないと。パスタも。」と言われ、その時に辟易した覚えがある。イタリアには子ども用の小さな小さな豆粒ほどの小さなパスタが存在している。私達が普段の昼食にパスタ料理を食べていることから、離乳食作りに楽な方法としていずれはまーやにもパスタを食べさせるつもりでいるが、今はまだおかゆで十分かと思っているところだ。　時は今日にうつる。今日はガルダ湖にある叔母宅へ出かけた。ダーリンの従兄弟家族は３人の子供を連れてやってきた。昼食にまーやに離乳食を食べさせていると、叔母が興味深そうに中身を聞いた後で、「ご飯をあげているの！」と驚いている。「イタリアではご飯は一番最後にあげるものなの。野菜が先でパスタがその後、最後はご飯よ。」それに対して、私は「日本ではおかゆからスタートするんですよ。お米の国なので。」と答えたのだが、納得してくれているのかしてくれていないのか、やはり私の日本式離乳食に怪訝そうな顔をしていたが、私は話題を打ち切った。今までの経験から、いくら日本式の離乳食を説明したところであまり効果がないことはわかっている。　イタリア人の中にも「日本の味？いいじゃない。要は栄養が同じように取れれば問題ないわよね。」と理解してくれる人もおり、そういう人の言葉を聞くと私は嬉しくて飛びつきたくなってしまう。年齢や育った環境、他の国の文化にどれだけ理解があるか、で変わって来るのだろう。　さて、今回従兄弟の３歳、１歳、１ヶ月の３人の子供にまーやを入れ、４人子供がいた為かなり賑やかだった。その中の１歳の女の子は丁度食べ盛りらしく、とにかく何でもよく食べる、と両親は話す。私達の食事前に前菜が出てきたら、彼女の叔父や祖母が競ってどんどんジョルジャ（１歳の子ども）に食べさせる。あげると喜んで食べる為、食べさせがいがあるようで、「この子はえらいぞ！何でも食べる！」とそれこそ犬にでもあげるように、どんどん食べさせては皆喜んでいた。ジョルジャは大人と同じ昼食を食べ、そしてデザートの時間になると祖母の腕に抱っこされ、嬉しそうにしていた。そして、それからは私は見ていなかったのだが後でダーリンから聞いた話では、私がデザートとして買って持って行った生クリームのたっぷり乗ったケーキの生クリームを祖母からもらい喜んでたべていたそうだ。隣にいたまーやも欲しがっていたそうだが、ダーリンの叔母が「あなたにはあげていいかわからないの。パパとマンマが何て言うかな？」とダーリンの指示を仰ぎ、彼が駄目だと言ったそうだ。　しかし、その場にダーリンが居なければ・・・どうなっていたかわからない。それがイタリア人の怖いところである。午後もおやつの時間に叔母が３歳の子どもに「何かおやつ食べる？後でアイスを食べるとして、今は何がいいかしら。クッキーがあるけど食べるかしら？」と言い、クッキーを与えていた。この子は後でアイスクリームも買ってもらっていたので、私の感覚ではかなり糖分を取っている、と思うが両親はそんな姿を見ても何も言わない。　どうやらイタリア人の頭の中の図式では、「たくさん食べる」「なんでもよく食べる」＝　「本当によい子」のようだ。　「危険だね。極めて危険だよ！私達が居なかったらまーやは何を食べさせられるんだろう！」と私は帰り道、車中でダーリンに訴えた。私だって健康的な食べ物であれば別に与えられても文句は言わないが、それにしても見ていると糖分やらジュースやら、健康に悪そうなもの（＝子どもが好きそうなもの）をある一定の年齢以上のイタリア人は子どもに与えたがる傾向にあるようだ。虫歯が出来て小さいうちから歯医者通いはかわいそうだし、やっぱりなるべく糖分は控えさせたいなあと私は思う。　私が作る日本式離乳食について、なんだかんだと言うイタリア人達がいるが、その人たちの子供を見ると、野菜嫌いだったり、偏食が多かったり、と問題がある。私達の周りのイタリア人がそうなのかも知れないが、結構偏食、野菜嫌いの人は多いのだ。　そう考えると、今からパクパクと何でも好き嫌いなく食べているまーやこそ、本当によい子ではないか。　さてさて、母サマンタはイタリア人達の食べ物攻撃からまーやを守ることができるんだろうか・・・。

  2006/06/18

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  夏に勝つためには？

  （居間に敷いてある動物パズル。スポンジでできているので、歯が痒いときにまーやがよく噛んでいます。）　暑さと言うのは人間の意欲を少なくさせるものだ、と思う。最近の私は何をするにも意欲を半減しつつある。その理由はずばり暑いから。　ここヴィチェンツァの最近の暑さは普通ではない。正に「うだるような暑さ」とはこのような暑さを言うのだろう。家の中にいるとクーラーをつけていなくても風が通り涼しいのだが、外に出た途端にくら～っと倒れそうになる程、むしむししている。　６ヶ月のまーやはこうしたイタリアの夏を始めて過ごす。赤ちゃんは気温の変化を敏感に感じるらしく、ここ数日彼女は泣いてばかりいる。　多分に歯が生えかけている為、暑さで痒く感じるらしいのと、寝付けないらしい。日中も寝付けないから居間でごろごろ、ごろごろ、あっちへ行ったり、こっちへ来たり、挙句の果てはヒステリーまで起こす。　今までは午後、１５時過ぎには外に連れ出していたのだが、あまりにも暑いのでその時間には公園に人っ子一人いない。私達も干上がりを避けるために１６時過ぎに出かけるのだが、その出かけるという行為ですら、今の私には力を振り絞るのに精一杯である。ただでさえ家事と子育てで動きっぱなしなのに、そこに『暑さ』と言う魔物が加わると、もう私の体はぺっちゃんこ。立ち上がるのも大変なのだ。　１６時過ぎにまーやを公園に連れて行くと、やはりその時間に外出して来る子供達や老人で賑わっている。まーやは公園が好きなので、いつも行くと２時間は遊んでから帰るのだが、最近は暑いため「早く帰りたい」とすぐにぐずり始める。泣かせながら家に帰り、ぬるま湯のお風呂に入れるとようやく静まり嬉しそうにするのだが、その後、通常であれば１８時にはベッドに行くはずのまーやはこれまた暑さの為、眠ってくれない。「眠りたいのに、眠れない。」とでも言いたげに柵のあるベッドの中でごろごろ、ごろごろ、しながら「うわ～ん！」と泣き、私が居間に連れあやし、眠そうなのでまたベッドに戻し、泣かれ、を繰り返すとさすがの私も途中で怒りがこみ上げてくる。　まだ赤ちゃんなのだ、仕方ないのだ、と思っても「なんで早く寝てくれないの！」と理不尽な怒りがでてしまうのだ。　これも全てイタリアの『暑さ』のせいである。　月はまだ６月、夏はまだまだ長い。　例年を考えると、これからますます気温が上がり、湿度が高いこの土地のこと、どんどん蒸し暑くなることは間違いない。　暑さに負けず、我慢強く過ごせるように願うばかりだ。

  2006/06/16

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  小さな親切、大きなお世話

  （なんでも口に入れる時期）　最近『誰もいない小さな島に行きたい』と頻繁に思う。私の故郷、日本の東京は随分前から『マンション暮らしだと隣に住む人の顔も知らない』こともあるくらい人間関係が薄くなっているそうだ。反対にここイタリアでは例えばマンション（アパート）暮らしだと大抵隣に住む人の顔どころか、家族関係はもちろん、何をして暮らしているのか、休暇はどこに行くのか、などプライベートに及ぶ範囲まで周知しているのが普通である。ぺらぺらと自分の近況を話すことに躊躇ないおしゃべり好きの人種である、のが理由であろう。そうした、現在失いつつある人と人との接触がいまだ密接なイタリアはいい！と思っていた私だが、最近は少しその状況に疲れつつある。　随分前に、まーやを連れて公園に行ったところ顔見知りの３歳くらいの女の子にであった。その子の両親はイタリア人ではなく、セビリア人だと言うことをいつもその女の子を連れて公園に来ているおばあちゃんに聞いて知っていた。たまたま仕事が休みだったのか、その時に初めてその子のママと知り合うことになった。その子がいつもまーやに会うと、にこにこ近づき親しくなりたい様子を示すので、その子のママとも仲良くなりたいなあと思っていた矢先のことだったのだが、「こんにちは（Buongiorno）」と挨拶をした後に、そのママが発した言葉を聞いて私の意欲はすぐにしぼんで行った。「まあ！（乳母車の）座る位置が悪くて居心地悪そうに！」え？と思いまーやを見ると、彼女は斜めになって乳母車に座っている。どんなに直してもいつも自分で位置を変えてしまうので次第に気にしないようになっていたのだが、改めて人から言われると気になるものだ。続けて彼女は言った。「足が寒そうに！今日は寒いからこんなに足をだしていたらかわいそう！！」この二言目を聞いて、私は『親切な人だなあ』と思うよりも『うるさいなあ』と思ってしまった。それから彼女は『寒そう』と『かわいそう』を何度か繰り返し、しばらくして公園からでていったのだが、あまりにも『うるさい』ことから私は『もうこの時間に公園に来ることはやめよう』と決心したものだ。　人の親切とおせっかいは紙一重だと思う。道を歩いていても知らない人から「乳母車に座る位置がかしげていてかわいそう」だの「寒そう」だの「暑そう」だの、やいのやいの言われることが多々続くと、まーやの外出時の服装をかなり吟味して選ばざるを得なくなってきた。　昨日は、公園に行ったところ今週から３ヶ月の夏季休暇に入った姪っ子ソフィアを連れたダーリンのマンマに会った。まーやを抱っこして大喜びのマンマに一人のシニョーらを紹介された。年齢は８０歳くらいだろうと推定する。しばらく姪っ子ソフィアとその友達を含めてみんなでお喋りをしていたのだが、突然ソフィアが「お腹空いたからクラッカーを食べる」と言い、間食を始めた。現在６ヶ月のまーやは何でも口に入れたがるので、隣に座るソフィアがクラッカーを食べる様子を見て即座に手を伸ばして欲しがった。「あらあら、クラッカーが欲しいのね！」みんなで微笑みながら見ていたところ、たった今紹介されたシニョーらがソフィアに向かって「あげなさいよ。欲しがっているわ。ほら、あげたら？」と言った。塩味がついているクラッカーをあげるなんてトンでもない！と思った私は即座に「ノー！」と言ったのだが、まーやが欲しがる様子を見てシニョーらは何度も「あげなさいよ。欲しがっているのにかわいそうに。」を繰り返す。あげなさいよ、と言うのは勝手だが先ずは母親の私に「あげてもいいかしら？」と聞くのが普通ではないのだろうか？その返事が『YES』であり『NO』であろうと、育てているのは私、母親なのである。こういう状況は今回が初めてではなく、以前にもあった。母親の私がその場に居るのにも関わらず、私に聞くことを怠り、勝手に食べ物をまーやにあげてしまうのである。そこには母親の権限などなく、どうやらある一定の年齢より上の人にありがちな行為なのだと言うことがわかった。　そうした事が度々続くと、次第に『一体私のしていることは正しいのだろうか？それとも彼らの方が合っているのだろうか？』と言う考えが芽生えてくる。目くじらを立てるほどでもない、とも思えてくるが本や、同じく子育てをしている友人の話しなどを参考に食べ物（離乳食を含めて）の管理をしている私に取ってイマイチ『何を食べさせてよく、何を食べさせたらいけないのか』の基準がはっきりしない。イタリアにはイタリアのやり方があるだろうし、日本には日本のやり方がある。　何かと人の意見に左右される性格を持つ私もここに来て優柔不断では済まされないなあと思うようになった。まーやの為にも子育ての方針はもう一度きちんと見直すべきかも知れない。　妊娠してから今までダーリンと二人、二人三脚で頑張ってきたが、そろそろ疲れが出てきたかな、と心細く思い始めた。年末は日本の実家へ戻る予定でいる。私を育ててくれた母に会ってアドバイスをもらえたら、もう一度子育ての方針を軌道修正できるだろうと心待ちにしている。

  2006/06/13

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  公園の中のドラマ

  （今年７歳になる従姉妹と一緒に滑り台に乗るまーや）　まーやを連れての毎日の公園通いも１ヶ月半が過ぎた。公園に到着しても、最初の頃はどこのベンチに座ろうか、まーやをどこで遊ばせようかと躊躇していた私だったが、最近では決まったベンチに腰掛け、まーやを抱っこしながら滑り台で遊んだり、子供達の所に連れて行って遊ぶ様子を見せたり、とすっかり公園にも慣れた。慣れると同時に、公園の中にいる人の姿が目につくようになった。　公園に来ている９０パーセントは子ども連れの親子か祖父母であり、残りの１０パーセントは散歩に来ている老人達である。そこには若者の姿は見かけられず、当然ながらビジネスマンらしい人もいない。考えてみても、まだまーやがいずに働いていた頃、今通っている公園の横は通っても「中に誰がいるんだろう」と覗いたこともなく、子どもとすれ違っても、乳母車を押したママとすれ違っても、全く気にすることはなかった。まーやが生まれたことによって、他の子どもが気になるようになり、特に乳母車を押している人を見ると「どれどれ、何ヶ月くらいの赤ちゃんがいるんだろう？」と近寄って覗き込みたくなってしまう。子供が出来たことにより、価値観が変わるものである。　さて、公園に通っているうちに顔見知りのママも出来、その中の何人かとはよくお喋りもするようになってきた。普段家の中でまーやと二人きりで過ごすことが多い私に取って、例え近くの公園であろうと、『外』の世界で知らない誰かとイタリア語で会話ができることはこの上なく嬉しいことだ。今日は顔見知りのママの中でもかなりお喋りが好きなママと、音楽や国際情勢のことまで話しこみ、気がつくと自分達の子どもの存在すら忘れていた。こう書くと私のイタリア語はかなり流暢でペラペラのように見えるが、実際の会話は聞き役が多かった。「そうだよね！」「私もそう思う！」「それはひどいね！」「大変だ！」「私もそうなの！」この５つの単語を交互に使っていただけで、会話と言うのはぽんぽん弾むものなのだ。　こうしてお喋りが弾む日はかなり楽しい公園通いなのだが、誰もお喋りをする相手がいない時にはひたすら新聞や本を読み、周りを観察している。　先日は、子ども同士の喧嘩を見ていた。ブランコの取り合いになったらしい子ども達の所へ彼らの母親が駆けつけ、言い合いになった。一人の言い分は「子ども同士の喧嘩に口を出すな」と言うことで、もう一人はラチがあかないので口を挟んできたらしい。ああ、まーやにもこういう事があるんだろうかと数年後を考えると頭が痛くなった。　別の時は、４、５歳位の女の子が「マンマ～！！！」と大声で泣きながら叫び始めたので、慌てて彼女のママが駆けつけて理由を聞くと「アンナや他の子ども達と遊びたいのに、私のことうるさいって言うの！」と泣きながら訴えている。困ったママは、「今日はアンナは遊びたい気分じゃないのかもしれないわ。お家に帰りましょう。」と言うが、この子は「嫌だ！アンナと遊びたい！」と言い張る。こういう時、私が母親だったら「そんなこと言う子こっちから放っておいて、別の友達と遊んだら？」と言うところだが、このママは「それじゃあ、二人でアンナのところに遊んでって聞きに行きましょう。」と言って、泣きじゃくる娘を連れてアンナが他の子供達と遊んでいるところに行った。しばらくして戻ってきて、まだ泣きじゃくる娘を抱っこしているところを見ると、どうやら交渉は上手く行かなかったらしい。　そうかと思えば、サッカーをしている男の子達のボールが孫をぶらんこで遊ばせているおばあちゃんに当たってしまい、おばあちゃんが怒った事もあった。「気をつけて遊んでちょうだい。この子に当たったら承知しないわよ。」それを聞いて、その子供達が謝るか？と思えば『すみません』の一言もなく、近くでお喋りに興じている彼らのママ達もおばあちゃんに謝りの言葉もない。　なんだ、なんだ、公園の世界はビジネスの世界よりはるかに大変そうではないか、と私は思う。この小さい公園の中で、たくさんのドラマがありそうだ。これは数年後、私もおちおち本を読んでいる時間がないかもしれないなと思いながら、楽しみであり、そして不安にも感じた。

  2006/06/08

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  空を見上げて

  （この小さな頭で何を考えているんだろう？）　いつからだろう？まーやがよく空を見あげていることに気がついた。友人の家に遊びに行った時に、ふとした時にまーやが空を見上げていた。公園に行った時に、ダーリンのマンマがまーやの乳母車を押して歩いていた。その途中でまーやが頭を乳母車の横に出して空を見上げていた。その様子を見て私は、ああ～この子は空を見上げることが好きなんだ、と理由なく感動した。　先週末はヴェローナの近くにある『滝の公園』に出かけた。この公園は自然を散策しながら所々で滝を見ることができる。周りは緑の木々でいっぱいで、滝の流れる音が聞える。まーやはダーリンのおんぶ紐の中におさまり、大人しくしていた。滝があるところではダーリンと共に滝の流れる様子を見、花が咲いているところではきれいに咲いている花をじっと見る。どうやらこの子は自然が好きらしい、とこれまた母の私は感動する。　随分前のことになるが、隣の義妹家族と一緒に散歩に出かけたときに今年７歳になる姪っ子ソフィアが道路に落ちていた犬の糞を踏みそうになった。彼女のママはすぐさま「ちゃんと下に注意して歩かないと駄目でしょう！」とソフィアに注意した。ソフィアは背の高い私を見上げてお喋りに夢中になっていた為、下には注意をしていなかったらしい。誰が悪いかって？もちろん一番悪い人は犬の糞を始末しなかった飼い主である。お蔭で姪っ子は７歳にして、上を見上げ、下にも注意して、と忙しくしながら道を歩く事になっている。　私はソフィアの○倍の年齢だが、彼女よりはるかに注意が足りず、しょっちゅう乳母車で犬の糞を踏んで歩いている。だって下ばかり見て歩いていたら気分が暗くなりそうだからなあ。　まーやにはいつまでも『空を見上げる気持ち』を持っていてほしい。

  2006/06/01

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  １歳の半分を迎えた日

  （使い方がさっぱりわからない体重計）　昨年１１月２７日に生まれたまーやは今日で『６ヶ月』になった。この６ヶ月と言うもの、まーやはひたすらどんどん大きくなり、そして私はじゃんじゃん体重を減らして疲れて行った。『小さければ小さいほど世話が大変』だとばかり思っていた私は、大変な勘違い人間だった。まーやが成長すればするほど動きが活発になり、昼間に眠らなくなる為それだけ目が離せなくなり、そして離乳食が始まった今、自分達の食事の分も合わせて、朝から晩までその日の食事の献立に追われている。これでやせなければ嘘だ。現に私の体重はとっくのとうに妊娠以前に戻っており、戻っているどころかズボンがゆるくもなって来た。何はともあれ体型が元に戻って万歳である。　さて、今月２４日にはまーやの６ヶ月検診があった。検診では、身体測定をした後で●寝返りができるか？●物を片手から片手に手渡すか？●話すか？●お座りをするか？などを検査される。私に後ろ向きに抱っこをされたまーやが、目の前に座る先生の差し出すおもちゃの動く通りにつかもうとし、『まんまとひっかかってる！』と言う、先生の望むように動くところがとても面白かった。その癖、先生に自分の気に入らない事をされると『うーうー』怒り、先生が「じゃあ、話してごらん～。ほ～ら、喋ってごらん？何が気に入らないの？」と業と喋るように催促をすると、途端に貝のように口を閉ざし、仕返しに先生のマスクのゴムを引っ張っては離しと言う行為をするところがこれまた愉快だった。６ヶ月でもいっぱしの考えを持っているらしい。　今回どの検査でも問題はなかったが、ひとつだけ先生から気になる事を言われた。「体重の増加が悪いですね。」３ヶ月検診から６ヶ月検診まで１キロも増えていないことがわかった。「果物は午前中と午後１５時に２回、そして離乳食を昼と夜の２回に増やしてください。」そう言われたが、５ヶ月半からはじめたばかりの離乳食をもう２回に増やすとは、ちょっとやりすぎなのではないだろうか？と疑問を持った。先生はその場でコンピューターに入った『イタリアの平均体重表』を見ながらアドバイスをしたのだが、話しながら「・・・ただ・・・あくまでもこれはイタリア人の平均だから。イタリア人はちょっと太っている点もあるので。」と付け足した。確かに日中公園に散歩に連れて行くと、わんさかイタリア人の子供達がいるのだが、丸々している子供が多い。その表を元にして診断をした先生の言葉通りに食べさせていたらまーやも１年後には丸々しているかも知れない。　私達は先ず、あまりにも体重の増えが悪い事から小児科の体重計が壊れているか、先生の読み間違えかも知れないと思い、自宅で体重を再度測ってみたが、この体重計全く使い方が理解できない。実は今までも『今度こそ！』と測っては見るのだが、一向に理解できないので場所だけ取るトンでもない体重計を私達は持っている。　仕方なく翌日薬局に行き、特別に体重を測ってもらったところやはり小児科で測ったもらった数字と同じだった。それから１日、私は悩みに悩んだ。日本の実家に電話をし、母に相談をし、こちらに住む看護士の友人に相談をした結果、小児科の先生の言葉は無視する事にした。つまり、離乳食は１日１回。ただし果物は１日２回あげることにした。先生が離乳食に対して『こうするように』と言ったことも馬耳東風で行くことにした。別に変なものをあげている訳ではない。普通に日本式の離乳食をあげているだけだ。ただし、体重はもうちょっと増やしたいと思うのでたんぱく質とビタミンをたっぷり含んだ離乳食を与えることにした。　さて、益々大変になって来た子育てだがやりがい十分である。次の９ヶ月検診には先生から「パーフェクト」と言われるように健康体を作ってあげたい。

  2006/05/27

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  依存心が強いイタリアの子供達

  　隣の姪っ子ソフィアは、毎週金曜日に学校の体育の行事で、学校から徒歩１０分の距離にあるプールに通っている。日本の学校には大抵プールがついていた。夏になるとプールの授業が始まり、夏休み中もプール教室に参加をしないと行けなかったっけ、とプール嫌いの私には嫌な思い出として残っている。ところがイタリアの学校には普通プールは付いていないので、授業の時には近くのプールまで出かけなくてはならない。　さて、今日の午前中に突然ダーリンのマンマから「ソフィアのプールの授業に一緒に見学に行かない？」と誘われた。毎週プール通いをしているまーやを連れて行き、子供達が泳ぐ姿を見せたらどんなに喜ぶだろうと思った私は「今寝ているから起きたら連れて行く」と返事をし、まーやが朝寝から起きた後でプールへ連れて行った。　イタリアのプールは上の階に見学が出来る場所があり、ガラス越しに下にあるプールを眺めることが出来る。私はてっきりそこから子供達を見るのかと思っていたのだが、いざプールに到着をしたところ、ずらりと親や祖父母がプールサイドに立って子供達を応援している姿を見て心底驚いた。親は手にカメラやビデオカメラを持ち、子供達に「えらいわ！」「そうだ、その調子だ！すごいぞ！」などと声援をかけて応援している。たかだか毎週ある水泳の授業なのに、この両親の熱の入れようはさすがイタリアである。だからかわからないが、これだけの大人数の大人にじっと見られながら授業を受けている子供達は神妙そのものであった。　授業が終わる少し前、見学者達は先生から外に出される。さーて、外でソフィアを待つか、と思っていた私は、再び驚くことになった。「これからが忙しいの。」と言う義母を見ていると、義母だけでなく、それぞれの子供のお母さん達は各子供を待ちうけ、プールから更衣室に入ってきた子供を抱きとめて、バスタオルでくるんであげる。それが済むと「それ！」とばかりに、持ってきたドライヤーをコンセントに差込、子供達の髪の毛を乾かしてあげる。更衣室にはすでにドライヤーが設置されているのにも関わらず、わざわざみんなが持ち込みのドライヤーを使うのは、よくわからないイタリア人の行動である。（だからコンセントの数が足りずに、それこそ大騒ぎだった）髪の毛がやっと乾いたところで、水着から洋服に着替えるのだが、子供達は椅子に座って水着を脱がせたり、洋服を着させたりする大人に対してなすがまま状態だった。まだ３歳などの小さい子どもなら理解できる行為だが、ソフィアのクラスは７歳である。７歳だったらもう洋服も自分で着ることが出来るのではないだろうか？しかし、みんながみんな、それぞれのお母さんやお母さんが来ていない人はおばあちゃん、そうでなければ友達のお母さんに洋服を着させてもらい、靴下を履かせてもらい、そして靴を履かせてもらって、荷物を詰めてもらって・・・と全て大人任せなため、私は唖然としてしまった。　洋服を着終わったら、更衣室を出て、何をするかと言うと『おやつ』を食べる。時は１１時。後１時間もすればお昼なのにも関わらず、ここでチョコレート、甘いパン菓子、お菓子、ジュースなどを間食する時間が設けられている。本当にイタリアの子供達は甘いものが好きだと言うことがこういう時によくわかる。　間食の時間が終わると、一斉に学校に向かって歩き始める。先生がついているにも関わらず、大人達はまだ子供達と離れない。子供と手をつないで歩くお母さん。ある子供は自分のお父さんに向かって、「パパ、行かないで、パパ。」と泣いていた。永遠の別れじゃあるまいし、たった半日会えないだけじゃないかと驚く私。しかしもっと驚くのはそんな娘に向かって慰める父親の姿であった。親達は学校まで子供に甘い言葉をかけながら一緒に歩き、歩道のところでは率先として大人の一人が車を止めて列を誘導する。やっと学校に到着したときには、私は大人達の働きを見た結果、倒れそうになっていた。　私が小学校１年生の時に、私の両親はプールについてきただろうか？と思い出すと、クラスメートの誰一人として両親を連れてきていなかったと記憶している。学校と言う場所に両親は来る事はなかった。普段授業を見る事が出来ない両親の為に、日本は授業参観と言う時間を設けているのである。授業中、大人達は子供達の着替えなど手伝いはしなかったし、自分で着替えが出来る年頃だった。増してや隣の国に行くならともかく、徒歩１０分位の距離（しかもまっすぐの道）にわざわざ両親がついて歩く必要はないだろう。　一連の出来事を見学してわかったこと。　イタリアの子供達は依存心が強い。　または、もしかすると大人達が甘やかしすぎるのかもしれない。

  2006/05/26

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  ファッションショー

  　妊娠する前から子どもを持つならば男の子が欲しいと思っていた。妊娠期間中、お腹の形がとんがっていることから周りの人に「絶対に男の子よ～！」と言われ、今まで男女性別を当てなかったことがない義父まで「うん、今回は判別が難しかったけど・・・男の子だな。」と言い切ったので、赤ちゃんを迎える私はすっかり『男の子モード』になっていた。　ところが生まれてきた赤ちゃんは、蓋を開けてびっくり『女の子』だった。正直な話、女の子が生まれてきた時に私はがっかりしてしまった。イタリアのマンマと息子の仲良しの関係に憧れていたのと、私は二人姉妹なので一度でいいから家族に男の子を持って見たかったのだ。　しかし、この思いは最早過去のこと。今の私はまーやが女の子として生まれてきてくれて本当によかった、と心の底から思っている。将来は一緒に買い物に行ける、一緒に旅行に行ける、一緒に料理を作れる、一緒に・・・と一緒に出来る事が星の数ほどありそうだ、とわくわくする。それに加えて、何よりも女の子は洋服の着せ甲斐があるところがいい。　最近すっかり公園通いが日課となっている私だが、そこで遊んでいる子供達を見ると、やはり男の子より女の子の洋服の方が、マンマが気を遣って着させているような感じがする。男の子の洋服は長ズボンか半ズボンしかバリエーションがないのに対し、女の子はスカート、ジャンパースカート、ワンピース、長ズボン、半ズボン、それから小さい赤ちゃんはキュロット、などバリエーションが豊富である。　実はまーやは洋服持ちだ。ダーリンの友達のお嬢さんの洋服を借りている、と言うのもあるが私のドイツ時代の友人から送られてきた洋服、妹がプレゼントしてくれた洋服、その他のプレゼントに加え、隣の姪っ子のお下がり、などタンスに入りきらない程洋服を持っていて、私がうらやましくなるほどだ。どの洋服も本当にかわいいのだが、頂き物の中には「あれ？似合わないね？」と言う洋服もたまにはある。例えば目が青く、髪の毛は栗色と金髪が混ざった彼女にはブルーの色がとてもよく映えるのだが、どうも強いピンクの色はあまり似合わないようだ、と赤ちゃんなりにすでに自分に似合う色、似合わない色が出来ているのだなあと感慨深い。生後３ヶ月頃まではいわゆるつなぎタイプの洋服を着ており、色も圧倒的にピンクが多かったのだがここに来ていろいろな色を着るチャンスがやって来たのだ。毎朝散歩に出かける前に私は『あれや、これや』と自分の洋服をそっちのけにしてまーやの洋服を選ぶのが楽しく、まーやはすっかり着せ替え人形化している。　子ども用の洋品店に行けば行くで、山ほど洋服を持っているにも関わらず、やっぱり流行りの洋服を買ってあげたくなってしまう。やはり子供服にも今年の流行があるところが侮れない。そう言えば私の母も自分の洋服よりも私と妹の洋服を一生懸命探してくれたっけなあ、と懐かしく思い出し、今母の立場になるとやっぱり同じことをしてしまう自分がいる。　さてさていつまで続くか、この母親の自己満足。きっとあっと言う間に大きくなって、その内まーやは自分で洋服を選ぶようになるんだろうなあ。（がっかり）

  2006/05/22

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  公園デビュー

  （ブランコ一人乗り！）　最近の私の１日はこんな風に過ぎていく。朝７時半～８時　　起床→授乳８時半～　　　　　離乳食の下ごしらえその後　　　　　　掃除、洗濯１０時頃　　　　　まーやを連れて買い物→散歩（公園）１１時半　　　　　帰宅→離乳食を食べさせる１２時　　　　　　自分達の昼食１３時　　　　　　まーや、やっと昼寝１４時半　　　　　授乳１５時過ぎ　　　　散歩（公園）１７時　　　　　　帰宅１７時半　　　　　まーやのお風呂→授乳１８時　　　　　　まーや就寝→自分達の夕食の準備１９時半～２０時　自分達の夕食→夕食後自由時間２３時　　　　　　私の就寝前に授乳　３時半～４時　　授乳とにかく朝から晩までゆっくりとソファーに座る時間がない。日中の空いた時間と夜の自由時間の時にパソコンに向かい、ニュースを見て、新聞や本を読む、ことをしているが頭の中を空っぽにしてぼーっとする時間がない。　昔、主婦のことを『三食昼寝付き』と表現をしている言葉を聞いた事があるが、一体誰がこんな言葉を作ったのかと腹立たしい。主婦は主婦なりに家の中ですることがたくさんあり、増してや子供が出来ると家事にかかる時間がなお更増えるのだ。　でも私はまだ主婦の中でもラッキーな方だろう。何しろ、ダーリンが仕事の時間に自由がきく為、日中家にいる時間が長く、その為私がストレスを貯めていたりすると「僕、ちょっとMAYAを連れて散歩に行って来るよ。」と言って、外に連れ出してくれる。二人が出て行ってしまうと、一人になった開放感でそのまま寝てしまいそうになるが、主婦にはそんな時間すら許されない。鬼のいぬ間に出来ることをやってしまわなければ、とばかりに箪笥の中を整理したり、細かいところを掃除したり、と常にやるべきことはいくらでも家の中に転がっているものだ。　さて、そんな私が最近楽しんでいること。それはまーやを公園に連れて行くことである。生後１ヶ月から今までも公園に連れて行っていたが、何しろ小さすぎて乳母車の中で眠ってばかりいた。まーやは後１週間で６ヶ月になろうとしている現在、歩く事は出来ないが、お座りもできるようになり、何よりも周りに興味津々の為、人が多い公園に連れて行くと、とても喜ぶ。公園に行くと、必ず何人かの子供達に会うのだがどの子供達も屈託なく「私、マルテイーナって言うの。あなたはだ～れ？」と言う風にまーやに話しかけてくる。まーやは子どもが好きなようで、近づいて来た子どもには自分から近くに手や顔を近づけ、まーや語でお喋りしたりする。子供達も当然ながらイタリア人だけではなく、南アメリカ人、東南アジア人、ロシア人など国際色豊かに遊んでいるが、誰を差別をするわけでもなくお母さん同士も終始にこやかに子供達と一緒に時間を過ごしている。そういう姿を見ると、本当に『子供達に肌の色など関係ない。国境はないんだ。』とつくづく思うのである。　しかし、イタリアにも最近子どもの誘拐、殺人など残酷な事件が目立つ為か、公園にいるお母さん、お父さん、そして祖父母達もみな子供達の居場所をしっかりと常に確認し、片時も傍から離れないことに気がついた。　私が小さい頃は、両親の目から離れて同じ近所の子供達と結構遠くまで遊びに行ったものだ、と思うと物騒な世の中になったものである。　公園に連れて行った日のまーやは、いつも自宅に帰ってすぐにお風呂に入り、１８時にはベッドに入ってしまう。よっぽど楽しくて、そして疲れが出るのだろう。　「まーや、これから友だち何人できるかな？」　ママは楽しみにしているよ。　　　　　　

  2006/05/17

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  かわいい子には旅をさせろ

  （あと１５年もしたら海外にでるようになるんだろうか？）　今、私がイタリアに居るのも突き詰めて行けば母のお蔭かもしれない、と思う。2001年にイタリアに来たのは、1997年にドイツで知り合ったイタリア人・ダーリンと一緒に住み、結婚を考えていたから。そして日本からドイツに来たのは、就職先を探していたときにドイツにある某日本企業の募集を見つけ、そこに受かったから。ドイツに行きたかったのは、母の友人がオランダに住んでいて、毎回母宛に送ってくる海外の雰囲気いっぱいの手紙に憧れたから。そして海外に憧れたのは、私と妹が小さい頃から英語放送のラジオをかけ、アメリカンロックの音楽を聴き、常に英語を勉強している母に影響を受けたから。この母のお蔭で、私達姉妹は外国人に対して全く怯えもなく、小さい頃から接する事が出来ている。　そうした影響を受け、自分が若い時からヨーロッパにいる為か、まーやが生まれる前から私は『子どもが生まれたら、ある程度大きくなった時に他の国に留学させて世界を見せたい』と思っていた。今、私達が住むヴィチェンツァはヴェネト州の中でも中堅都市である。貴金属産業と建築関係が盛んなこの街では、最近旅行関係以外でも英語を話す人たちがぐんっと見受けられるが、私がドイツからイタリアに引越して来た頃は英語を話す人を見つけることが難しかった。今まで住んでいたドイツで、ペラペラと流暢に英語を話すドイツ人を見ていただけに、学校で習っているにも関わらずなんでイタリア人は英語を話さないんだろう？と不思議に思った程だ。　また、イタリア人と言うのは自分の生まれた土地をとても愛しているので、そこの土地で生まれて育ち、大人になってもそこの土地から動かない人がたくさんいる。利点はもちろん、周りがみんな知っている人と言うこと。ダーリンも同様で、今私達が住んでいる家はダーリンが生まれたときから住んでいる所だ。だから近所の人もみなダーリンを産まれたときから知っている上、近くにある小学校や中学校を通りかかるとその頃彼の同級生だった人たちと偶然会ったり、彼らが今自分の通っていた学校に自分達の子どもを通わせていたりする。　そうして大人になって、これまた近くに住む彼や彼女と結婚をしたら・・・、親戚がどんどん半径１００メートル以内に増えていくことになる。我が家も例にもれず、隣が義妹家族、義両親は徒歩１０分のところ、叔母がこれまた徒歩７分のところ、親戚が徒歩・・・とみんながみな本当に近い距離のところに住んでいる。時には息が詰まり苦しいが、近いだけに助け合うことが出来便利だ。　でもやっぱり、まーやにはこうした環境から一歩外に出て世界を見てもらいたいと私は思う。　今日日本人の友人から聞いた話だが、イタリアでは子どもが中学生になった頃から留学と言う形で海外に送る、家族が多いのだそうだ。その友人は今年の夏、娘をニュージーランドに３週間送るのだと言っていた。　正に私の理想とする子どもの留学！５ヶ月のまーやにはまだまだ先のことだが、折角イタリア人の父、日本人の母を持って生まれたのだから国際感覚を伸ばして育って欲しい、と思う。『親の夢』は果たして届くだろうか。

  2006/05/14

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  イタリア＆日本式の離乳食開始

  （直前までお腹が空いたと泣いていたまーや）　「子どもの成長って早いわよ～。あっと言う間に歩いて、あっと言う間に幼稚園に通うことになるんだから。」と先日上の階のシニョーらに言われた。この言葉を聞いて『そうか、そうか』と納得する間もなく、飛ぶように毎日が過ぎて行く。ついこの間まで泣くことしか出来なかった赤ちゃんが、今ではごろりんと寝返りをし、一人座りも少しの間ならできるようになり、自分の要求を伝え、よく笑い、Mと言う単語も言えるようになった。『人間的になったなあ』と言うのが私の実感である。　さて、人間的になって来た５ヶ月半の今、いよいよ離乳食を開始することにした。５ヶ月になった時からりんごやなしを果汁にして飲ませたり、摩り下ろしにして食べさせたりしていたのだが、いよいよ５ヶ月半からは果物以外の『ごはん』をあげることになった。　前回の３ヶ月検診の時に、小児科の先生から『離乳食５ヶ月から６ヶ月』の注意書きをもらった。それによると、○200ml～250mlのミネストローネ（野菜スープ）に、●クリームライス　または　タピオカ　スプーン2,3杯●オリーブオイル　スプーン１杯●Granaチーズの摩り下ろし　スプーン１杯を５ヶ月半の離乳食に勧めている。ミネストローネは、じゃがいもと人参を約１時間煮込んだもの。（味付け全くなし）それに慣れた頃、ズッキーニ、香草、青菜、レタスをスープに濾して入れる、とのことだ。友人から頂いた日本の離乳食の本には、トマトやほうれん草なども使っていい事になっているのだが、このイタリア人の小児科の先生が書いた注意書きによると、「フダンソウ、玉ねぎ、豆、グリンピース、トマト、セロリ、ほうれん草、キャベツ」は使わないように、とある。まあ、その国それぞれの季節の美味しい野菜や果物があるので、もしかしたらほうれん草一つにしても味や栄養が変わってくるのかもしれない、と納得し大人しく先生の注意書きを守る事にした。　初日の今週木曜日から今日まで３日間、まーやは離乳食として『じゃがいもと人参の和風汁』を食べた。イタリア式に野菜を煮込むだけでもいいのだが、味がないとさびしいだろうと思い、昆布と鰹節で出汁を取り、じゃがいもと人参をその出汁で煮込んで柔らかくし、濾して出汁と一緒に混ぜたところ、野菜の甘みが出て美味しくなった。本当はイタリア式ならばここにオリーブオイルやクリームライス、チーズを足さないといけないのだが、和の味で作っているので省略する。まーやはこのスープを３日間全て平らげた後、果汁も飲み干した。自ら自分でスプーンを持って口に運ぶところを見ると、どうやら食べることが好きらしい。　きっと日本のママ達は、先ずは１０倍がゆからスタートするのだろうなあと想像しているのだが如何せん、木曜日から今日まで午前中忙しくしていた為、おかゆを作る時間がなかった。今日はおかゆの代わりにうどんをゆでてスープに混ぜていれてあげた所、美味しそうに食べていたので、明日はおかゆに挑戦するつもりでいる。　私が理想とする離乳食は、イタリア味、和食、とこだわらず、注意書きに書かれた栄養分を上手く取って、尚且つまーやが喜んで食べるメニューを作ることなのだが、なかなか根気がいりそうだ。生まれてはじめて人間の原点である『食べること』を覚えたまーやに、食べる喜びを教えてあげたいと母サマンタは思う。

  2006/05/13

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  初めての発熱

  （美味しい夏がやって来た！）　とうとう、まーやの２回目予防接種の時がやって来た。前回は２月２７日、丁度まーやが３ヶ月になった時に済ませている。本来であればそれから１ヶ月後の４月始めに２回目を受けることになっていた。ところが４月始めに私の妹がイタリアから日本へ帰国する事から、丁度帰国日と予防接種の日が重なった為、月末まで延ばしてもらう事になった。そして延ばしてもらったところ、これまた丁度トスカーナのマレンマ旅行と重なってしまった為、「それならば、いつでもいいので月曜日の来られるときに来てください。」と言われたので連休明けの今日、ようやく時間が合い受けることが出来たのである。今回の予防接種の内容は○破傷風○百日ぜき○ジフテリア○ポリオ○Ｂ型肝炎○Ｂ型白血病の６種類で、実は第１回目の予防接種の内容と全く変わりがない。（２月２７日の日記を参照下さい）何故同じ中身の注射をダブルで受けなければならないのか？全く理解できないが、決められていると言うことなので今回は素直に注射を打ってもらった。ただし、今回の予防接種が生後５ヶ月の時、そして前回の予防接種から２ヶ月時間が空いて正解だったとつくづく思う。もし、前回の予防接種の１ヶ月後に再び今回の予防接種をしていたら、多分まーやの身体はあまりにも酷使しすぎてしまっただろうと素人の考えながら思う。　ダーリンの友人夫妻で、現在臨月の奥さんはこのイタリアの予防接種の制度に疑問を持っているそうだ。他の国はどうなのかわからないが、明らかに予防接種の中身の種類が多すぎるので本来ならば受けさせたくない、とまで言っていた。更に子どもを保育園に入れる場合にはその前にまた違う予防接種、海外に行く場合にもそれに合わせた予防接種を受けさせなくては行けない。赤ちゃんの身体をこんなに薬漬けにしてしまって大丈夫なのだろうか？と私も疑問に思う。　さて、今回の予防接種はまーやが大きくなり多少は落ち着いて来たのか（？）注射の針を刺された時点では私の顔を見てニコニコとしていた。その後に看護士さんが注射を押し、液体を入れる時にはじめて『変だ』と思ったらしく、おお泣きしたが、終わって私が抱っこをするとすぐに泣きやんだ。前回の予防接種のおお泣き事件に比べると、かなりの成長ぶりだ。　家に帰った後もいつもと同じように一人賑やかにしており、午後は昼ねをたっぷりした。夕方お風呂に入れ、しばらくすると１９時に『ねむい、ねむい』と目を擦り始めたので、ベッドに寝かせるとこてんと眠ってしまった。珍しい。その時点では注射の影響も考えなくなかったが、疲れているんだろうと単純に思い、私はパソコンに向かった。そして、２１時。突然聞えた大泣きに驚きまーやの部屋に行くと、まーやが火でもついたように泣いている。慌てて抱っこをすると、体が炎の様に熱い。すぐに居間にいるダーリンを呼び、体温計をお尻から入れて熱を測ると『３９度４分』あった。これが巷の噂の『注射による発熱』なのか、と納得する。すでに前回の予防接種の時に、「注射の後、熱が出る事があります。その時は・・・」と看護士さんから説明を受け、更に注意書きまでもらって居たので比較的私達は落ち着いて対処をする事が出来た。「３８度以上になった場合は、TACHIPIRINA（解熱剤）をお尻から入れる」「水分補給」「薄着をさせる」これらの注意書きを守って実行したが、『薄着をさせる』よりも普通にパジャマを着させて汗をかかせて熱を下げた方がいいのではないか？と思い、私の判断で普段と同じように寝かせた。これが大当たりで、夜中に起きたときには汗をかきすでに熱は大分引いていた。　翌日の午前中に、まだ３７度７分と微熱はあったが本人は「きゃーきゃー」言いながら手足をバタバタさせて、普段と全く変わらない元気さである為、私達はほっとした。　まーやが出産してからと言うもの、『病気になったらどうしよう』『病気になってもらわないほうがいいけれど、病気になるって言うことは健康な証拠でもあるし・・・』といろいろと考えていたが、今回初めての発熱を経験し何だか嬉しくなった。（まーやにはかわいそうだったけれど）　次の予防接種は１歳頃に行われる。予防接種の成果が出て、その時までまーやは病気知らずでいられるだろうか？

  2006/05/08

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  紫外線に注意

  （Monticolo湖）　いよいよダーリンの水泳大会が始まる季節がやってきた。今年はじめの水泳大会はオーストリアとイタリアの国境にある『スードチロル州』はMonticoloで行われた。この湖は湖全体が見渡せるほど小さいのだが、水はすんでいてとても綺麗で、その小ささゆえにとてものんびりできる雰囲気を持っている。湖の周りには散歩コースがあり、ワイン街道も近くに通っているので観光客が多いようだ。ここの付近はドイツ語とイタリア語の両方の言語を使っている為、看板は二ヶ国語で書かれており、レストランのウェイターも二ヶ国語話す。常々ドイツを懐かしいと思っている私に取って、このスードチロルに来る事は楽しみの一つである。　さて、今回の水泳大会には折角だからパパの晴れ姿を見せてあげようと、まーやと私も応援に行くことにした。私達の住むヴィチェンツァからこのMonticolo湖までは車で２時間半。４月のマレンマ旅行の教訓をいかして、長時間のドライブはやめようと誓ったばかりなのに、「大丈夫じゃない？」「もう慣れたよね、きっと。」と期待をしながらまーやを車に乗せた。全く身勝手な親である。　現地到着をして１０時頃から太陽がさんさんと照り始めた。どうやら気温は１７度前後の様子。気温こそ高くないが湖に反射することから太陽の光が強く感じられる。　まーやには車中にいる時からUV対策の赤ちゃん用日焼け止めクリームを顔中に塗っておいた。大人の私でも日中、ちょっと買い物にと外に出ただけで真っ赤になってしまうほど強い太陽が照るイタリアである。その身体への弊害はどの位なのかちょっと想像が付かないが、赤ちゃんの肌は繊細だと聞いているので、なるべく予防をしておかないとと外出時にはクリームを丹念に塗ることにしている。その上で帽子もかぶせて顔にも太陽の日があたらないようにしている。更に乳母車にも日よけのかさをつけてあり、それを顔ぎりぎりまで下げて陰をつくるようにしている。　こう書いていくと『ちょっと気にしすぎでは？』と自分でも思うのだが、とにかくいろいろな人から「太陽の光は赤ちゃんに良くない！」とうるさい位に言われるので、ダーリンと二人でここまで予防をすることにしているのだ。　イタリア人と言うのは全く『親切』なのか『おせっかい』なのか、わからないところがある。冬の間は、まーやとの散歩の間、道で会う人、会う人に「こんなに寒いのだから、風が当たらないようにしないと！」「手がこんなに冷たい！まあ、かわいそうに！！」「毛布を上までひっぱらないと風邪を引いてしまう！かわいそうに！」などと言われ、『誰かに言われるのがいやだからちゃんと防寒して行かなくちゃ』と外に出る時に気を遣っていた時期があった。そして、夏になった途端に今度は「太陽の光は良くない」だのと会う人ごとに言われるのでは、冗談でも一層のこと『家の中にいるのが一番安全と言うことですね？』と思ってしまう。ただし、家の中にいたらいたで今度は「外気浴が必要！こんなにお天気が良いのに外にださないで！散歩をしないと！」と言われるに違いないのだ。どの位完璧にしたら忠告をされずに済むようになるのだろう、とため息まじりで思ってしまう。　今回のMonticoloでも案の定全然知らない人たちから、「太陽にあたらない様に気をつけて」「赤ちゃんには光はよくないから、一番日が高くなる時間は絶対に外には出さないほうがいいわよ。」「帽子だけじゃガードにならないわ。車の中に避難するとか考えないと。」などと言われ続けた。そう言われながら周りの子連れの人たちを見ると、みんな赤ちゃんに帽子をかぶせ、乳母車の人はとにかく赤ちゃんが陰になるように気を配っている。　これだけ赤ちゃんの時には『肌を焼かないように』と気を配っているイタリア人も、大人になると『なるべく黒く焼きたい』と日焼けサロンに通ったり、太陽の光をさんさんと浴びて肌をじりじり焼くようになるのが面白い。　この暑いイタリアで、まーやを連れてどれだけ太陽の光を避けて散歩が出来るか？が今年の夏の課題である。

  2006/05/07

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  とうとうプールデビュー！

  　４月２７日で５ヶ月になったまーやがとうとうプールデビューをする日がやって来た。水泳をしているダーリンは、まーやが産まれる前から「生まれたらすぐに泳ぎを教えるんだ」と張り切っていた。本当は生後３ヶ月になったら連れて行く、と言っていたのだが所属している水泳チームのボスが「３ヶ月じゃ小さすぎるよ。６ヶ月くらいしたら連れておいで。」と言うので、今までじりじりと我慢していたのだがとうとう解禁日がやってきたらしい。その解禁日が６ヶ月から５ヶ月になった訳は、単に「室内プールが後１ヵ月後に閉まって、その後だと屋外になっちゃうから」だそうだ。滑り台などがある屋外よりも屋内プールの方が落ち着いて教えられるのだと言う。　「それならば、早く水着を買わなくちゃ」と昨日はダーリンとまーやの水着を買いに出かけた。よく海に行った時に小さな赤ちゃんがカワイイひらひらした水着をつけているのを見ていた私は、「まーやにはどんな柄がいいかな」とわくわくしながらダーリンに言うと、「あれは海用だよ。プールには競泳用水着じゃなくちゃ。」と言う。そこで、赤ちゃんの水着にも海用と競泳用水着があることを知った私だった。プール用の水着はおむつの上から履かせるタイプで、水が入ってこないように出来ている。ダーリンの話では、海ではたとえおしっこをしてしまっても広いからかまわないけど（どういう論理だ？）プールではおしっこをもらせない為におむつをして水着を着させるらしい。私から見ると、水着には『水が入ってきません』と書いてあるがどんなに頑張っても所詮水は漏れてきてしまいそうだ。その時に『おむつが水を吸って重くなってまーやが沈んでしまったら・・・』などと言う事を考えたが、ダーリンに「馬鹿馬鹿しい」と言われ、相手にしてもらえなかった。普段は全く無頓着にまーやを育てている私は変なところで心配性になってしまう。　そしてやって来た今日のプールデビュー。生憎の雨で、室内プールで泳ぐにしろ何となく気勢がそがれてしまったが夕方１７時半過ぎに私達はプールへと向かった。泳ぎが苦手な私は水の中に入る事が嫌なので、最初から「今日はカメラマン役に徹するから」とダーリンに話してある。この日のこの時間は実はダーリンの水泳チームのトレーニング時間に当てられている為、プール内に入ったところ沢山のダーリンの友人達が寄ってきた。それぞれに挨拶をし、子供用プールへと向かう。まーやはバスタオルを身体に巻き、大人しくダーリンの腕の中におさまっていた。水がいっぱいのプールを目の前にしても、別に不安も何も感じずにいるようだ。　ダーリンが子ども用プールにまーやを抱っこしながら入ると、びっくりした様子も見せず足をバタバタし始めた。途中で水を飲んでしまったときだけ『オエッ』と言う顔を見せたが、そんな時でも泣き顔一つ見せずに楽しそうに泳いでいる。「羊水に居た時のことを覚えている赤ちゃんは、泳ぐことに抵抗がないんだよ。」とダーリンの水泳チームの人が言っていたが、本当にその通りかも知れないと思える程、まーやは自然に水の中に入り、自然に手足を動かして泳いでいる。私を見つけてはにっこり笑う笑顔も余裕そのもので、水の中に居ることが本当に嬉しそうだった。　その嬉しそうな姿を見ていたいが為に、私達は時間を見失っていた。なんと気がつくともう１時間！「いくらなんでも身体が冷えちゃうんじゃ！」と慌ててまーやを外に出した時にはすでに遅し、まーやは寒そうにし始めた。その後、この日は初めてのシャワー経験もし、さすがにまーやは疲れ切ったらしくこの日は早めに就寝をした。ちなみに『水が入らない』と謳われていた競泳用水着は、やっぱりうたい文句だけであり、ダーリンの話では、「信じられないことにオムツは７０キロくらい（重さが）あったよ！」とのことだった。つまりそれだけ水をたくさん吸ったと言うことである。　そんな重いものを腰に巻いていても、あんなに気持ち良さそうに泳いでいたなんて、何て頼もしい！と泳ぎが苦手な私は改めてまーやの成長を感じた。

  2006/04/29

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  こういうとき、さてどうする？

  （イタリア某大型デパート内のおむつ換えが出来る場所）　２ヶ月程前にマントヴァに日帰り旅行に行った時にマクドナルドに入った話をこのBLOG日記に書いた。（２月１９日の日記を参照ください）その時に、ダーリンが私に「マクドナルドのトイレにはおむつを換えるところがついているはず。」としきりに言うので、おむつを換える場所が付いているのは当たり前なのに何度も強調するんだなあと不思議に思っていた。確か日本のデパートのトイレにはおむつを換える台が付いている個室があったと思うので、それを基準に考えて『お手洗いにはおむつを換える台はついているはずだ』と言う観念が勝手に私の頭の中にインプットされていたらしい。　それから少し時間が経ち、妊娠中の友人夫妻を自宅に招待したときにまたこのマクドナルドの話が出た。「おむつ台がトイレの中についているんだよ、マクドナルドは。さすがだよな。」と言うダーリンにこの夫妻は「便利だ！」「さすがね！」と賛同していた。そして、「乳母車を持ってお手洗いの個室に入る事が出来ないでしょう？（狭いから）車内に赤ちゃんを置いたままトイレに行きその間に赤ちゃんを連れ去られてしまう、って言う事件があったかなかったか、とにかくそういう話もあったと思うけど、仕方ないことだと思わない？それじゃあどこまでお手洗いに行くのをママは我慢しなくちゃいけないって言うのよ！我慢の限界がきたら一体どうすればいいのかしら？お手洗いの個室内のどこに赤ちゃんを置いておけばいいって言うのかしら？」と友人は言った。その意見を聞いてようやく私は『もしかして、イタリアの公共のトイレには赤ちゃんのおむつ台なが付いていないのか？』とようやく理解したのだった。　そして時は今日に移る。日曜日に来るパスクワ（復活祭）にお客さんを自宅に招待しているのでその買い物にと、ダーリンと一緒にまーやを連れて大型デパートに買い物に出かけた。その直前にお腹をすかせたまーやに車内で授乳をしたので、「先ずはおむつを換えなくちゃ。」と大型デパートに着いたそうそう、ダーリンに言うと「ここの大型デパートのトイレにはおむつを換える場所があるんだよ！」と嬉しそうに言う。考えてみるとマクドナルドにしろ、この大型デパートにしろ、おむつを換える場所がある事を何で男性のダーリンが知っているのか？とその時にふと疑問が浮かんだがまあ『物知り』と言う事で片付けてしまおう。デパートに入り最初のトイレに入ると、普通の個室ばかりでおむつ台が付いた個室などついていない上、どこにもおむつを換える場所はない。「あれ～おかしいな。絶対にあるはずなんだ！」（→一体どこからこの自信が？）と言うダーリンに引きずられるようにしてまた別のトイレに入るがこれ又おむつ台などなかった。「もういいよ・・・。おむつ台はきっとどこにもないんだよ。」と私は諦め、その場は携帯用のおむつ換えシートを洗面台に敷きまーやのおむつを急いで換えたが下は大理石の洗面台で固い上、冷たいのでまーやもびっくりしたような顔をしてあまり居心地が良くなさそうだった。そして、買い物をしようと歩き始めた瞬間ようやくダーリンが「あった、あった！ほらほら、おむつ台があるトイレ！」と叫んだ。私は今更おむつを換えた後で入っても仕方がないとは思ったのだが、イタリアのおむつ台はどうなっているのか興味があったのでそのトイレに入ってみると、個室のあるトイレとは別室に『おむつを換える部屋』が用意されている。しかしそこにはおむつ台と洗面所が置いてあるばかりで、肝心のトイレが付いていない。正に『おむつを換える為の場所』だと言うのはよくわかるが、トイレが付いていないのでママは用足しをする事が出来ないのだ。「つまりここでおむつを換えた後で、乳母車を引いてあっちの別室にあるお手洗いに入らなくちゃいけないってこと？個室があんなに小さくて乳母車も入らないのに？じゃあやっぱりママは用足しを我慢しなくちゃいけないじゃん。」とぶつぶつ文句を言う私に、ようやく自分の目的を果たしたとばかりにダーリンは嬉しそうに喜んでいた。　しかし、本当にイタリアの子連れのママ達はこうした大型デパートに買い物に来た時にどうやって用足しをしているんだろう？？？

  2006/04/14

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  子供には砂糖を

  （写真　いつも寝起きが良い子です）　生後しばらくしてから４ヶ月半の今まで続いている事だが、まーやは眠るまでにとても時間がかかる。眠いのに眠れない、と言う状態でうんうん唸り、時には泣いて、ごろごろごろごろ辺りを転がり、枕をつかみ、毛布を自分の所に引き寄せ、犬のぬいぐるみを顔の上に乗せ、枕を顔の上に乗せて息が苦しくなり泣き、・・・と繰り返した挙句に疲れ果てて眠る、と言うのが毎度の昼寝のパターンである。夜も同様で、一回寝てしまえば夜中の授乳時間までぐっすりと熟睡するのだが、眠りに落ちるまではベッドの中を時計回りにぐるぐる回り、大抵は真横（３時）か逆さま（６時）の状態になったところで疲れて眠る。こうして文字にしてみると、大変さよりも可笑しさや楽しさが見えるのだが、実際毎日この眠りにつくまでの苦労が続くとあれやこれやと眠りに落とすまで四苦八苦する両親はとても大変なのだ。特にまーやが泣き始めるとそれだけで神経が１００倍も磨り減ったような気分になり、「ああ、どうして泣いちゃうんだろう・・・。」と頭の中が真っ白になり、泣き声を聞きながらぼーっとしてしまう事もある。　こうしてまーやを眠りにつかせるのが大変だ、と言う事をある日、ダーリンの親友の両親に話していたところ、「それならばカモミール茶をあげるのがいいわよ。子供用のカモミール茶が売っているから。」と助言をもらった。カモミール茶は睡眠を助けるために眠る前に飲むと良い、と言われており私も妊娠中に毎晩カモミール茶を飲んでからベッドに入ったところ、それはそれは気持ちが良い程安眠を取る事が出来た。　確かにカモミール茶ならばまーやの今の状態を救えるかも知れない！と喜び勇んだ私は、早速薬局に行き、まーやの状態を説明し子供用のカモミール茶を購入した。自宅に帰り、手が空いた時にカモミール茶の成分を何気なく読んでいたところ『砂糖』が入っている事に気がついた。「砂糖？？？」思わず口について出た訳は、普段飲んでいる大人用のカモミール茶には砂糖なんか一つも入っていないのにどうして子供用の物には入っているのだろう？と不思議に思ったからだ。いずれにしろ砂糖入りでは良くないだろうなあと思い、仕事から帰って来たダーリンに成分を見せると「砂糖入りじゃ駄目だ。取り替えてきて。」ときっぱり言われてしまった。　まーやは現在、まだ歯が一本も生えてきておらず歯の成長を助ける為に薬を飲んでいる。だから喉が乾いたときにあげる飲み物は母乳以外に『麦茶』『ほうじ茶』『白湯』しかあげていない。そしてもちろん砂糖は入れていない。　砂糖入りのカモミール茶を取替えに行く前に日本人の友人宅を訪問し、「砂糖入りのを買っちゃったの。」と話したところ、彼女は「私は全然かまわずあげているよ。でもまーやちゃんは今まで麦茶など砂糖が入っていない飲み物を受け付けて飲んできたのに、今砂糖入りのものをあげちゃうと勿体無いね。」と話した。確かに、子供は甘い味が好きなので今砂糖入りの飲み物をあげてしまうとそれからはその飲み物以外は受け付けなくなりそうで怖い。　結局、その後で薬局に行き事情を説明して「砂糖抜きのカモミール茶に変えて欲しい。」と言ったところ、こころよく返事をして砂糖抜きを探しに行った薬剤師は程なく戻ってきて私に言った。薬「全部砂糖が入っています。砂糖抜きはありえません。どのメーカーのもそうですよ。」私「ええ！？じゃあ、他の飲み物でいいので砂糖抜きのに変えてください。」薬「ありません。全ての飲み物に砂糖が入っているんです。子供だから砂糖入りでもいいんですよ。」私「子供だから砂糖入りがいいって？（冗談じゃない）困ります。今は砂糖抜きの飲み物で育てているのでここで砂糖入りをあげるわけには行かないんです。」薬「（面倒くさくなってきた）もう返金すればいいでしょう？」と言うやり取りがあり、結局返金してもらったのだが「砂糖が入っていない飲み物がなかった」と言いながら自宅に帰って来た私を迎えたダーリンは「嘘だろう？子供の飲み物に全部砂糖が入ってるって？」とかなり疑い深く、私の言葉を信用しようとしていなかった。　一般的にイタリアの子供達は甘い物をかなり取っていると思う。隣に住む姪っ子ソフィアを見ていても、何だか始終甘い物を口に入れているように見える上、大人からして朝食に甘いビスケットやブリオッシュ、昼食と夕食後にもデザートとして甘いケーキやチョコレートなどを取っているのだから、一体この国の人達はどの位の糖分を取っているのだろう？と驚いてしまう。　おじいちゃんやおばあちゃんは孫に甘く甘い物をあげる傾向にあるので、それもまた今後まーやがどの位糖分を取らないでいられるか？母親の私は心配している。　先日実家で食事を食べた後、甘いデザートケーキを食べていたときにまーやがケーキをしきりに眺めていたところ、おばあちゃんが「少しぐらいならあげても・・・。」と言った言葉を私の耳はダンボになりキャッチした。幸いにも義妹が「駄目よ！今はまだ駄目。もう少し大きくならないと。」と言ってくれたので助かったが、少し大きくなったとしてもイタリアのあまーいケーキはなるべくまーやの口に入れたくないと今から私は恐怖に思っている。　我が夫ダーリンは大の甘い物好きなので、ダーリンが『飴』、私が『鞭』でまーやの甘い物をコントロールすることになりそうだ。

  2006/04/13

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  お姉さんとおばさんの間

  （写真　金曜日にテントを持ってピクニックにでかけました。日本はお花見シーズンですが、イタリアでも桜が満開です。）　誰かにまーやを紹介する時に『○○おばちゃん』と紹介するか、『○○おねえちゃん』と紹介するか困るときがある。大体『おばちゃん』と言うのは何歳くらいの人に対して呼ばれる言葉なのだろう？２０代は完全に『おねえちゃん』、３０代は自分の年齢を考えてもまだ『おねえちゃん』で大丈夫だと思う。４０代の人もまだまだ『おねえちゃん』の年齢に入る位若く見える。そうすると、５０代以上の人からか？きっと私も日本に帰れば１０代の若者に「そこのおばさ～ん！」と呼ばれる年齢なのだと思うが、自分自身『まだまだおばさんと呼ばれたくない』『まだまだおばさんと呼ばれる年齢じゃない（若いのだ！）』と心の中でおばさんと呼ばれることに対して反発を感じる。それは、私に取っておばさんと言う日本語が『年を取っている』様に聞えてしまうからなのだろう。　その点、イタリアには『シニョーラ』と言う便利な言葉が存在する。シニョーラは奥さん、○○夫人と言う意味で、既婚の女性に対して呼ばれる敬称だ。「シニョーラ」と呼ばれると何となく自分が貴婦人になったかの様に感じ、女性に敬意を持った呼び方だと思う。　さて、話は『おばさん』に戻るが、イタリアでは子供が大人を呼ぶ時に叔父さん（ZIO)、叔母さん(ZIA)と呼ぶ。例えば隣の姪っ子ソフィアが私を呼ぶ時には、もちろん私は叔母なので「サマンタ叔母さん」と呼ぶことは当たり前なのだが、彼女の友達で私と全く関係のない子供でも「叔母さん」と私の事を呼ぶ。おねえちゃん、お兄ちゃんと言う言葉が存在しないので、どんなに年齢が若くても『叔母さん』『叔父さん』と呼ばれる。　ソフィアが誕生し少し大きくなるまで、まだ２０代だった私は義妹がソフィアに向かって「ほら、ソフィア、サマンタ叔母さんよ！（ZIA SAMANTA)」と言う度に、いや～な気分になり、何度か「私、叔母さんって言われるのが嫌なの。名前で呼んでもらった方がいいんだけど。」と言って、ソフィアに名前で呼ばせていた。そんなソフィアも６歳になり、私の事を未だに名前で呼んでくれているが、時々「Zia(叔母さん）」とも呼ぶようになって来た。ソフィアから、そして知らない子供から「Zia（おばさん、または叔母さん）」と呼ばれる度に、自分の年齢を自覚して『そろそろ受け入れなくちゃ』と思うのだが、やっぱり抵抗感を感じるのは悪あがきだろうか。　さてさて、今度日本に帰った時に会う子供達から私は何と呼ばれるか、興味津々である。できれば『○○おねえちゃん』って呼んで欲しいんだけどなあ。

  2006/04/02

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  夢の保育園

  　去年、そして今年とダーリンと私の友人の間で出産ラッシュが続いている。今はまだ小さいまーやだが、少し大きくなった時に友人の子供と一緒に遊ばせることを考えるとこの出産ラッシュ現象は嬉しいこと事上ない。　そんな友人達の中に、現在妊娠７ヶ月に入ったカルラがいる。先週の土曜日にカルラと旦那さんのファビオが、友人を集めて夕食会を開き、そこに私達も招待された。実は、私達は出産をしてから今までまーやを連れて夜に外出をした事が一度もなく、今回は初めての試みだった。ダーリンが読んだ本によると、赤ちゃんには何よりも生活のリズムをつくることが大事らしい。その為、友人に会いたい時には夜に自宅に招待をしたり、お昼に招待を受けた時に出かけるようにし、眠る前にリズムを狂わせる夜の外出は今まで避けるようにしていたのだ。でも、もうまーやも４ヶ月。そろそろ夜の外出も覚えてもいい頃だと判断をして今回の夕食会の招待を受けた。　カルラとファビオは「ＭＡＹＡが早く寝てしまうから。」と夕食会のスタートを１９時と言うイタリアでは先ずあり得ない早い時間にセッティングしてくれた。「○時に来てね。」と言われたところで時間通りに来ないのがイタリア人である。私達が到着したのも１９時半近くだったのだが、まだ他の友人達はだーれも来ておらず、そのお蔭でお腹が大きいカルラと私はゆっくりお喋りをする事が出来た。　カルラは妊娠中もバリバリと働いており、話を聞くと出産ぎりぎりの５月末まで体が許す限り働くらしい。「イタリアでは出産休暇を出産前と後を合わせて合計５ヶ月取る事が出来るの。だから私は出産ぎりぎりまで働いて、出産後に５ヶ月まとめて取るつもりなのよ。妊娠中の体調が悪い人だと出産前に例えば２ヶ月取ってしまうと出産後に３ヶ月しか取る事が出来なくなるけれど、私は体調が良いから良かったわ～。」とカルラは元気に話した。私は会社勤めをしていないのでたった５ヶ月しか産休を取る事が出来ないとは知らず、「５ヶ月って少なすぎるんじゃない！？」とその場で驚いた。「もちろん、５ヶ月以上取る事も出来るんだけどそうするとお給料が全額でないで３０パーセントに減ってしまうの。」とカルラは続けて説明してくれた。まーやの現在の４ヶ月目の状態を考えると、来月私が会社に復帰しようと考えたところで１日、２日の仕事ならともかく毎日の会社勤めは先ず無理だ、と自分で思う。未だに母乳をあげ続けていると言う理由もあるが、体力的に朝から夕方まで毎日働き続ける自信がない。「私は出産後も早く仕事に復帰したいから、子供を仕事場まで連れて行くか、保育園に入れる事を考えているの。」とカルラは言った。私の経験から、子供を仕事場まで連れて行っても仕事に集中できないことが予想されたのでその旨カルラに言うと、それはすでに彼女自身も予想出来ているようで、保育園に入れる事を考えているようだ。　実は私もかねてからまーやが１歳になったら保育園に入れてあげたいと考えていた。大部分のイタリア人家庭は３歳で幼稚園に入れるまで、両親が共働きの場合は『日中どちらかの祖父母に預かってもらう』、『母親が家にいて子供の面倒を見る』、または『ベビーシッターを頼む』、『保育園に入れる』、と言う４つの選択肢で子供を育てている。この４つの選択肢の中でも祖父母に預かってもらうパターンが一番多く、その背景には両親のどちらも働かないと経済的に大変な事が理由にある。　さて、カルラと話が出たその時まで私は保育園に入れる事がいくらかかるのか知らなかったので、「私も保育園に入れたいなあ。そうしたら友達だって増えるだろうし、大人といつも一緒にいるよりも子供同士遊んだほうが楽しいだろうし。」と言った後で、「ところで、保育園にいれるといくらかかるの？」と聞いてみたところ、その場で卒倒してしまうのではないか、と思うほどの金額の答えが返って来た。「４００ユーロよ。」４００ユーロ！？「年間で？（そんなことあるわけないと思いながら聞いてみた）」「もちろん月額で、よ。」イタリア人の給料が月額平均約１０００ユーロだとしたら、半分近く保育園代に消えて行くことになるので、驚きのあまりその場で固まっていると「ああ～でも４００ユーロは夕方４時までの値段で、午後１時までだと２５０ユーロよ。」とカルラは続けて教えてくれた。「・・・２５０ユーロかあ、それなら何とか・・・。でも、それでも高いね・・・。」隣にいたダーリンははなから問題にならない、と言わんばかりに首を振っている。「そんなに高いなんて知らなかった。じゃあ保育園は諦めなくちゃなあ。」とがっかりしながら話す私にカルラは、「そうよ、もっと安かったらとっくのとうにみんなが保育園に入れているわよ～。保育園に入れたほうが自分の時間を取る事は出来るし、楽だしね。それが出来ないからおじいちゃん、おばあちゃんに預ける人が大半なのよね。または預ける事も出来ない人はベビーシッターって言う方法もあるけれど、それもお金がかかるから、結局はお給料と比較して出費と計算しても変わらないからって仕事を辞めて家にいるお母さんも結構居るわよ。」と話してくれた。　考えてみたら隣に住む現在６歳の姪っ子も、産まれてから半年後には職場復帰した義妹の代わりにダーリンのマンマが毎日預かっては面倒を見ていた。毎日、毎日、保育園に通っていなかったので幼稚園にあがる前までは朝から夕方まで常にノン二（おじいちゃん、おばあちゃん）とソフィアは一緒だった。幼稚園に通ってからも幼稚園が終わってから夕方彼女のマンマが迎えに来るまでは常にノン二の家で預かってもらっていた為、昔からソフィアはかなりのノン二っ子である。一時は食事会で家族が集まった時に、あまりにも「ノンナ、ノンノ（おばあちゃん、おじいちゃん）」度が過ぎる為に、義妹が嫉妬してしまった事もある。「やっぱりいつも一緒に居る人に子供ってなつくもんだよね。」とダーリンと話した私だったが、今のまーやも常に私と一緒にいるので極度のママっ子にならないかな、と心配に思った。　だからこそ保育園に入れて他の子供と遊ばせてあげたかったのに、カルラの話を聞いた後ではその希望もしゅるしゅると音をたててしぼんでしまった。　夢の保育園に入れる事が出来たらいいけれど、今の状態では夢のまた夢である。

  2006/03/29

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  一番原始的な遊び

  　隣に住む義妹は夏に備えて週に２回、ジムに通っている。私から見ると全然太っているように見えず、凸凹が出て理想的な体型だと思うのにも関わらず本人曰く「気をつけなきゃ！太っちゃったから。」なのだそうだ。ジムに通っているのは義妹だけでなく、ダーリンのマンマも、そして姪っ子も通っている。私が出産前に働いていたオフィスのイタリア人達も、みんなジムか水泳に通っていたのでイタリア人と言うのは『運動』が好きなんだなあと、現在歩く事以外一つも運動をしない私は感心する。実は、出産前に義妹やマンマから「出産し終わったらsamantaもジムに通うといいわよ～。」と言われていた。そして、いざ出産を終えたあとで残った自分のお腹の大きさにびっくりし、「がーん・・・本当にジムに通わないと夏までに痩せないかも！」とその時は即座に思った。今年の夏も海には何度か行くだろうし、その為には水着を着ることが出来るぐらいの体型に戻しておきたい、と思ったが今のところ子育てに精一杯でジムに行く気力も体力もない。そうしていたところ、出産から２ヶ月目に出産前に着ていた洋服が体に入り始めた。現在出産から４ヶ月弱で、一番の難関だったジーンズをやっと今日着ることが出来た所だ。『このジーンズをはくことが出来たら』がいままで「痩せたか、痩せないか」のバロメーターになっていたので、それをはくことが出来たと言う事はほぼ出産前の体型に戻りつつある、と言う事で本当に嬉しい。　この急激な痩せ方は、ひとえにまーやの子育てとそして最近まーやと私の間で流行っている『体を使った遊び』の成果だろう。　元は１月に日本からイタリアに来た私の妹がまーやに始めた『手遊び』から始まった。私達も小さい頃によく手遊びをしていたものだが、その手遊びは時代が変わっても相変わらず使われているようだ。『げんこつ山のたぬきさん』『これっくらいのお弁当箱に～』『とんとんとんとん、ひげじいさん』などを妹はまーやに何度も何度も披露をしてくれ、まーやも手遊びを見るととても嬉しそうに反応をしていた。　イタリアには「いないいないばあ」のイタリア語版はあっても、こうした手遊びは存在しない。手遊びは表情も一緒に、手の動きと歌を楽しむ事が出来るすばらしい遊びだと思うので、誰が考え出したのか知らないが発明した人はすごいなあと感心する。　そうして手遊びに慣れたまーやにいつだったかふと思い立って、突然体全体を使って『体をはったギャグ』をして見たところ、なんとまーやは「けらけらけら、きゃー！！！」と私を見て大喜びし始めた。その後「もっとやってー！（あーうー）」と言う娘の声援に、調子に乗って「はい、東京タワー！」「はい、はとー」「はい、おさるさんー」等、えいほ、えいほ、とやったところそのポーズポーズにまーやは大変喜び笑いが止まらない様子である。あまりの「きゃーきゃー」笑いに、『もしや・・・娘から馬鹿だと思われてる？』と言う疑問が頭に浮かんだが、『いいや、あんなに喜んでいるんだから例えアホと思われようと・・・。』と、それから頻繁にこの体を使った遊びを披露している。（何故かダーリンがやってもまーやは喜ばず、私がすると大笑いするのはなぜなのだろう？）この遊びはときどき体力がなくなりふらりと倒れそうになる事も多々あるが、一本足で立たなければならなかったり、まるでジム顔負けの様な動きをするので、それでどうやら私の体型がどんどん締まってきたらしい。　まーやも喜ぶし、体も痩せるし一石二鳥だな、と思いながら今日も母の娘を喜ばせる『遊び』探しは続くのだ。

  2006/03/16

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  おもちゃのチャチャチャ

  （写真向かってまーやの左にあるのがピングーの目覚まし時計）　トムハンクス出演の「THE BIG」（１９８８年作品）と言う映画を昔観た事がある。１２歳の子供デビットが「大人になりたい」と願いをかけたところ、翌朝起きたときに大人になっていた。家から追い出されニューヨークのおもちゃ会社に就職し、子供の発想でつぎつぎと人気商品をだす、と言うストーリーだった。出演のトムハンクスの演技が抜群に上手で、本当に子供が大人になってしまった様に感じながら観た記憶がある。　実際、今まーやにおもちゃを与える立場になって考えると『子供のおもちゃを考える人って何てすごいんだろう！』と思う。あの映画のように子供が自分の年齢で楽しめるおもちゃを考えるのとは違い、大人になってから子供の創造力や思考などをその年齢、年齢に応じてデザインから色、形まで考えるのは本当に難しいことだろう。　まーやが生まれる前までいままで全く子供と接触がなかった私は、まーやが生まれてから『どんなおもちゃを与えればいいんだろう？』と困惑してしまった。おもちゃは与えすぎるとよくないようだが、ある程度与えた方が成長を助けるような気がするし、と生まれた当初から考え、３ヶ月を過ぎた今でも常に頭の中にある。我が夫、ダーリンはまーやが２ヶ月頃まで「彼女のおもちゃは僕達なんだよ。僕達の会話と周りを見る事が彼女自身のおもちゃなんだ。」と言い、おもちゃを与えることに賛成していなかったのだが、私は「いくらなんでも遊ぶためのおもちゃがあった方がいいに決まってる。」と頑固に言い張り、遊ばなくてもいいから近くに置いておこうと言う気持ちでおもちゃを与えたところ、まーやは自分に出来ることから遊び始めていたので与えた事は正しかったと思っている。　さて、イタリアのおもちゃは色とりどり、カラフルに出来ている。デザインも可愛く、大人の目から見ても『遊びたい！』と思わせるような姿をしている。（写真参照）日頃からイタリア人は創造力が豊かだと思っていたが、こうしたおもちゃを見ると『創造力が育つはずだよなあ』と思わざるを得ない。　対して私が長年住んでいたドイツには『木製のおもちゃ』が多かった。しかも『考えて遊ぶ』ように出来ていて、大人の私達でも遊んで楽しめるおもちゃがある。プラスチック製のイタリアのおもちゃとは違い、木は手触りも暖かいのでもう少しまーやが大きくなったらドイツに遊びに行き、木製のおもちゃを山ほど買って来ようと考えている。　実は現在まーやが夢中なおもちゃはおもちゃではない。なんと私がむかーし日本からドイツに発つときに一緒に持ってきた『ピングーの目覚まし時計』なのだ。昔ペンギンコレクターだった私はその中でもペンギンアニメのピングーの可愛さに魅かれ、目覚まし時計もピングーの物を買い、ドイツまで持って行き、現在はイタリアにある。一度おむつを替えるときに『今何時だっけ』と私がピングーの目覚ましをまーやの隣に置いたときにまーやが時計を見てニコニコと笑顔でピングーに話しかけはじめた。ピングーはカラフルでお腹に時計があり、その時計の秒針がかちかちと動く為にまーやにはとても興味深いらしい。それ以来、目覚まし時計を見るたびに「きゃっきゃっ！」と嬉しそうに笑うまーや。まるでピングーを旧知の間柄のように見つめるその姿を見ながら、将来は母と娘で南極に本物のペンギンを見に行こうかと考えている。

  2006/03/13

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  祖父母のたのしみ

  （写真　クエリー二公園）　日差しも暖かく、青空が広がる今日の午後、ふと思い立ちまーやを連れて近くの公園に散歩に出かけることにした。まーやは外出をすると必ず眠り、自宅に帰ってからもそのまましばらくは眠り続けてくれるので、家事を中断させてでも外に連れ出したほうが後々逆に家事がはかどることにもなるのだ。私は今てがけている仕事の紙とかねてから『読まなくちゃ』と思っていた小児科医から渡された離乳食の案内を持って家を出た。　外に出るとぽかぽかと暖かい陽気が肌に伝わり、『もうすぐ春だなあ』と思わせる。今日向かう公園は私が住むヴィチェンツァ市の中で一番大きく、いつ行ってもキレイに清掃されている。病院に隣接している為に患者さんも散歩をしやすいのではないか、と便利に思う。　自宅から公園までは乳母車を引き引き徒歩２０分。最近体力の衰えを感じる私は公園に着いたときにはすでに多少息が切れていた。先ずは一周しよう、と公園内を周り始める。公園には遠足を楽しむ児童、ベンチで昼ねをする人、犬の散歩をする人、トレーニングをしている人、などがおり平日と言うこともあり老人の姿が多かった。しかし何と言っても多かったのが『乳母車を引くおばあちゃん』の姿だろう。　さすがに私のように乳児を連れているのはおばあちゃんではなく、お母さんだったが少し大きな赤ちゃんを連れているのは皆おばあちゃんだった。イタリアでは出産後に産休を経て、職場復帰をすると、その子供は大抵おじいちゃん、おばあちゃんに預けられる。すでに年金生活に入っているおじいちゃん、おばあちゃんに取って孫の面倒を見る事はこの上ない喜びらしく、平日私が買い物に出ると必ず嬉しそうに乳母車を引いているおばあちゃんの姿を何人も見かける。　実は私もダーリンのマンマから「あなたが仕事をしている時や何か用事がある時には私が預かるから、遠慮なく言ってね。」と常日頃から言われている。　生憎、私は自宅で出来る仕事を現在持ち、どうしても一人で出かけなければならないと言う時にはダーリンが自宅に居る事が出来るので、いままでダーリンのマンマにまーやを預けた事は一度しかなかった。　隣に住む義妹の子供が生まれたときには、義妹が職場復帰をした後から６歳のいままで、常に孫の面倒を見てきた義母に取って、今のような状況でなかなかまーやに会う機会がないことが寂しい様子だ。私は特に決まった産休の期間がないので『そろそろ戻ろうかな』と思えば職場に戻れる状態なのだが、少なくとも半年はまーやとなるべく一緒にいようと決めている。この小さい時期はあっと言う間に過ぎてしまうらしいので、その『あっと言う間』をなるべく見逃したくないと思うのだ。　公園でゆったりとした時間を過ごした後で自宅に帰る途中でダーリンのマンマに偶然会った。「あら！散歩にでかけてきたの？お天気が良いから良かったわねえ！」と言いながら目じりを下げまーやを見つめるダーリンのマンマ。「お天気が良くなって来たから、あなたが忙しい時には外に連れ出してあげるから遠慮なく連絡してね。」とダーリンのマンマは再び、いやもう１００回目になろうか、親切に言ってくれた。　こんなに孫と出かけることを楽しみにしているんだなあと実感した私は、今週から少しずつ外に連れて行ってもらおうかと考えている。

  2006/03/06

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  いよいよ来た、予防接種

  （写真　注射前に緊張の面持ちのまーや）　昨年１２月に保健所からお医者さんが『生後３ヶ月時に受ける予防接種』について説明をしに自宅を訪ねてきた。イタリアで生後３ヶ月の時に受ける予防接種の種類は下記の通りだ。○破傷風○百日ぜき○ジフテリア○ポリオ○Ｂ型肝炎○Ｂ型白血病お医者さんは「泣く赤ちゃんと泣かない赤ちゃんがいるんですよ。大抵、お母さんに歌を歌ってもらったり、両親が落ち着かせると泣かないんですけどね。だからお母さんも頑張ってください。」と私に向かって言い帰っていった。歌を歌うか・・・、これは日頃から童謡を歌ってはまーやと遊んでいる私に取って『日本人の歌唱力』をイタリア人に見せるチャンスだ！・・・とは考えなかったが、いずれにしろイタリアのめちゃくちゃ明るい童謡とは違い、日本の心地よい童謡で赤ちゃんをこれだけ落ち着かせる事が出来るのだ、と言うところを見せなければと、その日から私は『なにを歌おうかなあ』と考えながら予防接種の日が来るのを心待ちにしていた。　予防接種を受けられる保健所に到着をすると、すでに数人の赤ちゃんが待合室で順番を待っている。まーやは同じ月の赤ちゃんに会う事が出来て心なしか嬉しそうな様子。両親の私達にニコニコと笑顔を振りまくあたり、かなり余裕の表情である。『これは、もしかすると泣かずに済ませられるかも！』と両親の私達は期待を胸に順番を待っていた。何しろ予防接種を終えて次々と部屋から出てくる赤ちゃんは、一人も泣いた顔を見せず、『普通』なのだから母親の私に『泣かすな』と言うプレッシャーがどんどん重くのしかかってくる。　ようやく順番が来たので診察室に入ると、優しそうなお医者さんが二人笑顔でまーやを迎えてくれた。「ＭＡＹＡちゃんですね？ＭＡＹＡちゃんはいい子にしていられるかなあ？今日はまだ誰一人として泣いた赤ちゃんはいないの。みーんないい子ちゃんでした。」と言うお医者さんの言葉に私はプレッシャーをますます感じる。　先ずはここ３ヶ月までのまーやの状態を問診で受けたが、最初に部屋に入ったときにはお医者さんに向かってニコニコと笑顔を振りまいていたまーやが段々と波風あやしく泣きべそ顔になって来た。『あ、この顔は・・・泣くぞ！』と私が思った瞬間、まーやは問診の途中で突然えんえんと泣き始めた。それならばさっさと終わらせてしまおう、と一人のお医者さんが「ここに寝かせてください。」と言って私に手を、そしてダーリンに足を押さえるように指示をする。まーやは以前と狂ったようにおお泣きをしているのだが、実はまだ事はなーんにも始まっていないのだ。この、『まだ始まる前から』痛いよ、痛いよ、わーんと泣くあたりは私にそっくりである。　実は私も内科にしろ、外科にしろ、産婦人科にしろ、歯医者にしろ、まだ検査を受けてもいないのに「痛い！」と大声で叫び、「まだ何もしていませんよ、あなた。」とよくお医者さんから呆れられている。実際に検査を受けるとそれ程の痛みはないのだが、どうも想像力が必要以上に豊からしく、検査前に痛さを想像しただけでもう『痛い』と思ってしまうのだ。この普段から『痛み』に弱い私が、よくあの出産時の痛みに耐えられたものだと今でも自分に感心する。　さて、１２月にお医者さんが来た時に「予防接種は足の裏にします」とダーリンが聞いていたので『なんてまあ痛そうなところに！』とかわいそうに思っていたものだが、実際は足の右腿に注射を打たれた。注射をしたのは所要１秒と言う短さ。私は手を押さえながら、結局とっさに頭に浮かんだ『犬のおまわりさん』を歌いあやしたのだが最早どんな声もまーやの耳には入らなかっただろう。まーやがあまりにも泣いているのでお医者さんはあきれながら「こんなに泣いていたんじゃ、注射を打ったことすら気がついていないでしょう・・・。」と言った。そしてまーやが注射が終わった後も泣きながら自分の指をちゅぱちゅぱ吸い付いている様子を見て、お医者さんは「これは、お腹が空いていますね？」と私に聞いた。実際は最近のまーやは指をしゃぶる事が癖になっているので、授乳時間を考えてもお腹が空いているはずがないのだが、イタリア人と言うのはお医者さんでも自分がこうだと信じ込むともうその考えは誰にも止められない。私が「いえ、これは違うんで・・・」と最後まで言葉を終えない前に、「はい、じゃあ隣の部屋で授乳してくださいね。お腹が空いていたのでこんなに泣いていたのね～。」とお医者さんは畳み掛けるように言い、哀れみの表情でまーやを見つめた。母親の私が口をはさむ間もない。　幸いにも隣の部屋はふさがっており、「それならばここで授乳するように。」と言われた場所は予防接種を終えた赤ちゃんを連れたパパとママがずらずらといる所だった。比較的どんな場所でも授乳をしてしまうイタリア人ママと違って私は恥じらい高き日本人、『ちょっとこの大勢の前でいきなり授乳をする勇気はないなあ。』と躊躇をしていると、何とまーやは突然泣き止みけろりとした表情でパパの腕の中におさまっている。『やはりただの怯えだったのか』と母親の直感が正しかったことを思いながら、また泣き出す前にさっさと保健所を去ろうと、ダーリンと二人すたこら立ち去った。　さて、注射が無事に済んだ後は注射後にもしかすると出るかも知れない熱に怯えるばかりである。「熱が出る事などを通して赤ちゃんはどんどん成長して行くんだよ。」と言うイタリア人の友人の言葉を信じれば、熱が出る事が望ましいが新米ママに取ってはなるべく熱は出ないでいてくれた方がありがたい、とドキドキしている。

  2006/02/27

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  ３ヶ月検診を終えて

  （写真　外出時のまーや。大きくなったなあ。）　赤ちゃんの泣き声と言うのは人の神経をかなり刺激するものだ。先日、両親が３ヶ月の赤ちゃんを叩き、その赤ちゃんが昏睡状態になる、と言うニュースがイタリアであった。もしかするとその赤ちゃんがわんわん泣きすぎてその両親の神経を限界のところまで刺激したのかもしれない。かと言って赤ちゃんを叩いたりする事は許されるものではなく、たとえ精神的に追い詰められても両親はぎりぎりのところで我慢をするべきではないか、と私は思う。何しろ赤ちゃんの伝達手段は『泣くこと』しかできないのだから、その信号を両親はできるだけキャッチしてあげないと、と思うのだ。　さて、今日はまーやの３ヶ月検診だった。１１月２７日に生まれ、早いものでほぼ３ヶ月が経った。小児科医に連れて行くと、先ずは問診から始まった。●首が座っているか？●近くに物を置いておくとそれを手でつかむか？●笑うか？●声に反応するか？●音に対して振り向くか？●声を出して返答をするか？●視線を追うか？以上の質問に私達は次々と答える。まーやは全ての質問にクリアしていたが、一つだけ『声に反応をするか？』と言う質問に疑問があった。実はまーやはこちらから呼びかけてもそれに対して反応を示すときと示さないときがある。おじいちゃんが遊びに来た時に「MAYA」と呼びかけても常にそっぽを向いているので、『もしかすると聴覚が弱いのかしら？』と常日頃思っていた。そのことを先生に言うと、病院でも検査をした通り聴覚には問題がない、とあっさり言い、「自宅で呼びかけては振り向かせるように練習してください。」とアドバイスをくれた。心配する私に対してダーリンは「要は本人の興味があるかないかだろう？音楽を聞くと踊るし、歌うし、話す時はちゃんと目を見てお喋りするじゃないか。」と気楽に笑っているので、「問題ない」と言う先生の言うことを信じ、取り合えず様子を見る事にする。　問診を終えた後はいよいよ身体測定である。まーやはいままで測定や検査の時に一度も泣いたことがなく、かえって楽しんでニコニコしているので今回もそうだろう、と私は気楽に考えていた。ところがどっこい、今回に限り例外が出たのである。体重測定までは問題がなかった。身長を測った時も問題はなかった。問題が出たのは頭の大きさを測った時からである。私達の小児科の先生は女性なのだが、とにかく笑わない。そのぴしりとした顔が先生の威厳をかもし出していると言えばそれまでなのだが、私は何となく初回の１ヶ月検診の時からあまり良い印象を抱いていなかった。毎回たくさんの患者さんが待合室に待っているので時間がおしている、忙しいと言う理由もあるのだろうが、いつも忙しい印象を与えるのである。本来であれば義妹が行っている別の小児科医を希望していたのだが、そこはすでにいっぱい、そこで車で行ける距離的に遠くないところを探し、この小児科医の先生にお世話になる事にしたのだ。私の住んでいるところでは『空きがあり、優秀で感じが良い小児科』を探すことはとても難しいと言われている為、多少笑顔は足りないが優秀だと言われている先生を見つけることが出来ただけ良し、と義妹からも言われた。『でも赤ちゃんに対して全く笑わない先生だよなあ。もうちょっと笑ってくれてもいいのになあ。』と、そんな私の気持ちをまーやは察知したのだろうか？そして二コリともしない先生にまーやは不安を感じたのだろうか？　頭の大きさを測られたまーやは突然火がついたように泣き出した。いーや、この泣き方は火どころの騒ぎではない。火事である。まーやが泣いても動じずに次々と検査をすすめていく先生だったが、心臓に聴診器をあて始めたときにはさすがに困ったらしい。何しろ泣き声が大きすぎて心音が聞えないのだ。「・・・おしゃぶりありますか？」と私に聞き、おしゃぶりを口に入れて黙らせようとするが最早一度泣き始めたまーやには何をしても無駄だと言うことを私達が一番良く知っている。私が傍であやしても歌を歌っても全く駄目で全く泣き止まない。あまりにも泣き止まないと『母親があやしても駄目なのか』と母親のらく印をおされている様な気分になる。泣き声のすごさに私は呆れ、苦笑気味だったのに対し、横を見るとダーリンがあたふたしている。この泣き声のすごさにはあたふたするのもわかるなあ、と思いながら先生の言う通りにまーやを押さえたり、抱っこしたりしながらようやく検診を終えた。検診が終り、私に抱っこされたまーやはまだひくひく喉をさせながらもすっかり大人しくなり、その場に居た人たちみんなが安堵の一息をついた。　帰り道すやすやと気持ちが良さそうに車中で眠るまーやを見ながら、「まあなんにしろ成長しているってことだよね。」と最近物をつかんで振り回したり、口に入れたり、私達にあーうー言いながら要求をしたり、踊ったり、歌ったり、の行動を思い起こしながら私達は話し合った。　それにしても、もしこの世の中に『泣き声の武器』があったとしたら、まーやが優勝するに違いないと思えるほどの泣き方をした３ヶ月検診だった。

  2006/02/22

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  これでようやく日本人

  （写真　早朝のミラノ中央駅前。駅を背にして。）　２００６年１月に私のパスポートの有効期限が切れてしまうことは、昨年の妊娠期間中に気がついていた。『パスポートの申請はミラノの領事館まで行かなくちゃいけないから、出産してからじゃつらい、やっぱり妊娠中に行っておかなくちゃ。』とさんざん思っていたのにも関わらず、結局しておかなかったのには私の『何事も常にぎりぎりになるまでやらない』性格が災いしているのだろう。　昨年１１月２７日に長女麻彩が誕生し、今度は彼女の為に出生届も出さなければいけないことに気がついた。イタリア人の父を持ち、イタリアで生まれ、イタリアに住むまーやはもちろん『イタリア人』であり、イタリア国籍を持つ。このまま私がイタリアの日本領事館に出生届を提出しなければ、彼女はイタリア人のままであるが、出生届を提出すれば日本国籍を持つ私の戸籍に『長女』として私の苗字を持ち、日本国籍も持つ事が出来るのだ。その手続きは出産後３ヶ月以内にしなければ無効となってしまうので注意が必要だ。　出産を終え、慣れない育児に奮闘をした辛い時期を経てようやく落ち着いた頃、ミラノの日本領事館に電話をかけた。授乳の軌道がまだ乗らないので、パスポート申請、出生届をすべて郵送で済ますことが出来れば、と考えたのだが残念ながらそれは不可能だった。出生届は郵送で手続きをする事が出来るが、パスポートに関してはやはり本人の直筆サインが必要なこともあり、領事館まで出向かなければならないそうだ。東京出身で更にドイツでもミュンヘンと言う都会（？東京に比べると都会ではないが、ヴィチェンツァと比べると都会である）に住んでいた私は、こういう時に地方都市に住む不便さを実感する。ヴィチェンツァからミラノまで列車で約２時間。家のドアから領事館までの距離を考えると、どんなに頑張っても往復で６、７時間はかかるだろう。　領事館からパスポートと出生届に必要な書類が書かれた紙をFAXしてもらい、事前にそれらをそろえた上で１月半ばに領事館に向かった。送ってもらったFAXに書かれている書類を何度も読んで、必要な書類の和訳文もつけ、自分では完璧にそろえたつもりだった。実は書類をそろえるまでにも『出生登録証明書に出産をした病院の住所が書かれていない』が為に郊外にある病院まで行き、再度新たな書類を作ってもらわなければならなかった。その書類を作ってもらうまでにもダーリンが病院に電話をし、「私は担当者ではないので○○の番号に電話をしてください。」と５人にたらいまわしにされたのだ。　それなのにも関わらず、当日届け出のときに領事館の係員から「この出生登録証明書には父親の名前が入っていないですね。入っている証明書を持ってきてください。」とむげに言われてしまった。確かに領事館から届いたFAXには「出生登録証明書に、・・・（省略）父親及び母親の氏名が記載されているか確認してください。」と書いてある。恥ずかしいことに私はこの『及び』と言う言葉を『または』と言う言葉と同様だと思い、勘違いしていたのだ。結局この日はパスポート申請だけをし、出生届はパスポートが出来上がったときに再び領事館に来なければならないのでその時に申請をしなおすことにした。『何度も足を運ばないためにも今度こそしっかり書類を完璧にしなければ』と今度は父親の名前も入っている出産登録証明書を用意し、必要な書類を事前に領事館にFAXをし確認してもらったところ『OKです』と言われた。　そして迎えた今日。朝も早く５時に起床をし、午前中に届けを終えてさっさととんぼ返りをする予定で家を出た。１０時に領事館に到着をし、先ずはパスポートを受け取る。そして勇んで出生届の書類を出したところ、係員の顔が曇った。「出生登録証明書のオリジナルが２通必要なのですが、あなたはオリジナルを１通、もう１通はコピーで持ってきていますね。」がーん！私「・・・でもここにコピーでいいって・・・。」係員「このコピーは和訳文に関してですよ。書いてありますよね。」（確かにそう書いてある・・・。）私はいい加減に疲れていた。もうこの場でこの申請が受理されなければ、まーやの日本国籍取得を諦めようとさえ思ってしまった。でもそれはあまりにも親の身勝手と言うものだろう。　結局、電話で聞いた時のインフォメーションの伝達が上手く行かなかった（かもしれない）と言う理由で、今回に限りコピーでも良いと言うことで免除をしてもらったのが幸いだった。長い外国暮らしで私の日本語読解力もそうとう錆が出てきているようだ。　何はともあれこれでようやくまーやも『日本人』である。日本とイタリアの２カ国国籍を持ったまーやはどんなバイリンガルに育っていくだろう、とこれから先が楽しみだなあと思いながら帰途についた。

  2006/02/17

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  日本の便利もの（洋服編）

  （写真　まーやが着ているのは日本の肌着。結ぶだけの簡単タイプ。右側はイタリアのボデイと呼ばれている肌着。全部着させて下でホックを止めるタイプの為に脱ぎ着が難しい。）（写真　まーやが着ているのは日本の洋服。前ボタンで足が出るタイプ。脱ぎ着は簡単である。右側はイタリアのTUTINAと呼ばれるつなぎ式洋服。後ろボタンの為うつぶせにして着させることになる。）　まだまだ気温は低い北イタリアだが、毎日太陽が出てよい天気が続いている。正に「さんぽ日和」とはこのことだ、と春が近づいてきたような気がしてとても嬉しい。　さて、もともと暑がりの私は普段家の中で薄着で過ごしている。日本と家と違ってイタリアの家には普通、熱湯による暖房装置がついており気温が２０度前後に設定されているので、厚着をする必要がないのだ。昨年窓から床まですべて家の中を改築した隣の義妹宅などは、窓の密閉があまりにもしっかりしている為、自然と室内温度も高くなり、なんと普段『２５度』まで気温が上がっているそうで義妹の旦那さんは真冬でもTシャツ一枚で家の中をうろうろしている。暑がりの私は昨日の午後、冬用の分厚い靴下を履いて家の中をうろうろとしていたところあまりの暑さに悲鳴をあげて、すぐにその靴下をぬいでしまった。脱いだときに『はっ』と先日友人から聞いた言葉を思い出した。「人は体温調節を手と足の裏でするんだって。」たまたまその友人と『日本とイタリアの赤ちゃんの洋服について』話していたときだった。　イタリアの赤ちゃんの洋服は基本的にTUTINAと呼ばれるつなぎタイプで、足のつま先まですっぽりと隠れるデザインになっている。手足の大きなまーやは最近特に足が大きくなってきており、３ヶ月用のTUTINAの足の部分がきつくなってきている。TUTINAの体全体はまだぴちぴちではないので、このまま足だけが大きくなってしまったらどうしよう？と考えると、日本の、足先が隠れない洋服の便利さを実感する。日本の赤ちゃんの洋服は前ボタンでゆったりとした足先が隠れないデザインの為、まーやが生まれたときに日本の母が送ってくれた洋服を２ヶ月半経った今もまだらくらく着させることが出来るのだ。イタリアのTUTINAはデザインがとてもかわいいのだが、如何せん後ろボタンが多かったり、と母親にとって着させにくいことこの上ない。　更にもっと着させにくいのが『ボディ』と呼ばれている肌着である。この肌着は股のところにホックがついているだけのもので、頭から首に入れて腕を通して、と一連の動作をして着させると苦しいのかまーやはおお泣きする。成長するに従って腕に通すときにも困難を覚えるようになり、「かわいいけどこんなに着させるのに苦労するなら！」といつしか日本から送ってもらった着物式の『肌着』だけを着させるようになってしまった。イタリア人のダーリンですら、この『ボディ』を着させるのには苦い顔をし「やっぱりこっちが便利でいいよな。」と言って日本の肌着をせっせと着させている。　前述の友人の言葉の通り温度調節を手と足の裏でする赤ちゃんの足先を隠してしまったら温度調節ができないではないか？と思うのだが、それにしても日伊でこれだけ赤ちゃんの洋服のデザインが違うのはとても興味深い。　我が家ではまーやのお風呂上りにパジャマ代わりとして日本の洋服を着させているのだが、先日お風呂から上がった頃に義父がたまたま訪ねて来て素足を出したまーやを見て驚いていた。「足が出て寒いだろうに、かわいそうに！」　日伊の子育ての違いを最近特に感じる。

  2006/02/14

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  良い子は眠る

  （写真　まーやのベッド。つりさげられているおもちゃはまーやをベッドに寝かせるとものの５分もしないうちに眠ってしまうので一度も遊んだことがない。）　まーやと一緒に居るときにイタリア人に会うとよくされる質問がある。質問の一つ目は相も変わらず、「母乳で育てているの？」で、この質問に私が「はい。」と答えると、質問をした人は満足そうにうなずく。相変わらず母乳で育てている＝良い事だ、と思われているらしい。質問の二つ目、「良い子なの？夜は眠る？」この質問の意味を私は長い間勘違いしていた。私はこの質問を、『何回授乳に起きなければならないのか？』と言う意味を込めているのかと思っていた。だから大抵「夜中の２時半～３時に１回と朝方起きるけれど、後はぐっすり眠ってくれます。」と答えていた。そうすると質問をした人は「なんて良い子なの！」と感嘆するのだが、私はその意味を『ほかの人はもっと授乳の回数が多いのかも知れない。』と思っていた。ところがどっこい私は全く勘違いをしていた。　今日、友人夫妻に男の子が誕生したので病院にお祝いに行った。まーやも連れて行ったので、その友人夫妻をはじめ、家族、友人がみんな「MAYA！」「かわいいわねえ！」と嬉しそうにまーやを囲んでうっとりした後で、私に「よく眠ってくれるの？」とまたもやあの質問をして来た。来た！と思った私はいつもの様に受け答えをしたところ案の定みんなが「それは良い子だ」を連発する。　病院からの帰り道に私はダーリンに『なんでみんな同じ質問をするのか』疑問を投げかけた。すると、なかなか眠ってくれない赤ちゃんも多いのでそういう質問が出てくるのだろう、とのことだった。　我が家では１２月２８日付けの日記に書いたように生後１ヶ月目からまーやと私達は完全別室にして眠っている。最初の頃はまーや自身よりも私の方が『ミルクを喉に詰まらせて息が出来なくなっていたら』と心配で堪らなかったのだが、直に慣れた。まーやの動く音を全て拾うトランシーバーを置いてある、と言う安心感もあるので、私達はぐっすり熟睡出来るようになった。　今では夜の９時にまーやをベッドに連れて行くとものの５分も経たないうちにすやすやと眠ってしまう。日中はベッドから離れた生活をさせているので、まーやに取って『ベッド』と言うのは『夜眠るための場所』と言う意識が出来たらしい。ぐずることなくよく眠ってくれるので両親に取って本当に良い子なのだ。　ぐっすり眠る赤ちゃんか、ぐずぐずとあまり眠らない赤ちゃんか、両親の精神状態にも影響をしている、と聞いた。それが本当かどうかわからないがイタリア人は喜怒哀楽が激しく、私がいままで見た限り、ストレスを頻繁に抱えている人たちが多いような気がする。　これからもまーやがすやすやと安眠できるように、私達も穏やかな生活を心がけていきたい。

  2006/02/07

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  日本の便利グッズ

  （写真　授乳クッションに座り遊ぶまーや）　まーやはすくすくと成長をしている。成長をする、と言う事は当たり前のことだが身長が伸び、そして体重が増えているということだ。つまり抱っこをする度にずしっと腕に響く重さがどんどん増えている、と言う事である。　妹がいる間に何度か肩をマッサージしてもらった。もともと肩こりがひどい私は、母乳をあげるようになってからますます肩の凝りが激しくなり、最近は肩の上に何も乗せていなくても肩から腕の先まで「ピリリッ」と電流が走るように痺れてきていた。そんな私に妹は「かわいそうに」とせっせとマッサージをしてくれたのだが、この治療は何と言っても一時的なもの。その場では肩こりが治っても翌日になると又『ピリリッ』の繰り返しである。　そんな私の状態を見かねて妹が日本の両親に頼みごとをしてくれた。その『頼みごと』が今日届き、荷物を開けた時に私は『これでようやく楽になる！』と真っ先に思ったものだ。その頼みごととは、１　授乳クッション２　横抱き抱っこホルダーhttp://www.combibaby.com/goods/fr_obi_main.htmlの２つである。１，２のどちらの商品ともイタリアには存在しない。　授乳クッションは授乳のとき以外に、『子供がお座りできるように』『コンピューターや読書をする時の腰当てに』など幅広く使う事が出来るマルチクッションだ。早速授乳のときに腕をクッションに乗せ使ってみたところ、肩に来る重みが全くない。ああ～これで肩こりが一つ減った、と喜ぶ。　横抱き抱っこホルダーはまだたて抱き抱っこ紐・おんぶ紐を使う事ができない首のすわらない赤ちゃんの為にあるそうだ。私はアパートの４階に住んでおり、毎回外出の度にまーやを片手で支えながら外のガレージまで移動をしていたので腕が痺れて尚且つほかの荷物を持つ事も出来ず、とても辛かったのだがこの横抱き抱っこホルダーがあれば両手があまるので買い物もして帰って来る事が出来る。　この便利な２品が届いてから私の肩こりが大幅に減った。おまけに前々回の日記で書いたまーやの「椅子」の問題も解決した。隣の義妹から借りた椅子にはがんっとして座りたがらなかったまーやも、この授乳クッションには大人しく座り、尚且つ喜んでいるようである。　本当に日本には便利グッズが多い、とつくづく感心する。今年の冬に家族３人で帰国をする予定だが、その時に「こんな便利なものがある！」「これはイタリアにはない！」など感心するものばかり見つけてしまい山ほど便利グッズを持って帰って来る事になるかも知れない、と今から便利グッズを探すことを楽しみにしている。

  2006/02/04

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  親思い

  （木曜日は中心街にメルカート「市場」が立ちます）　私は「する！」と決めたことは実行をしなければ気が済まないので、ただいま『まーやを連れて午前中にさんぽ』を日課としている。時には疲れている時など「出たくないなあ。」と腰が重くなることもあるが、今のところお天気の良い日には必ず外に出る事を実行している。と言っても外に出て当てもなく乳母車を押していても退屈なだけなので、そこになんらかの理由を自分でつけて『さんぽ』をしている。さんぽをすることに口実をつける、と言うのはおかしい話だが気がつくとそうなっているのだ。だから私のさんぽは『スーパー』→『郵便局』→『写真やさん』→『メルカート（市場）』→『スーパー』→『郵便局』→『写真屋さん』→『メルカート』→の繰り返しである。自分でも何だってこんなに行くところがあるのだろう？と思うけれど、用事と言うのは探せばあるものなのだ。　さて今朝も散歩をしよう！と張り切っていたところ、ダーリンの仕事が午前中休みな事もあり家族揃って久々にチェントロ（中心街）に出かけることにした。今、私は産休中なのだが会社の同僚達から「MAYAを見せに来てね！待っているから！」と何度も言われていたので、チェントロに行くついでに会社にも顔を出すつもりで外に出た。まーやは通常どんなに目覚めていても乳母車に乗せた途端にうとうととしだす。日本の電車の揺れではないが、乳母車の揺れが彼女に取って心地よいらしくさんぽに連れ出すと必ずと言っていい程、眠りに落ちるのである。「折角会社に連れていっても眠っていたらつまらないね。」とこの日も乳母車の中で即座に眠ってしまったまーやを見ながらダーリンと話していたところ、会社に到着をする前にまーやが目を覚まし始めた。約半年ぶりに会う同僚達はみな揃って私達を歓迎してくれ、まーやに向かって笑顔で語りかける。当のまーやはと言うと、ずらりと揃った同僚達を前に物怖じもせずに笑顔を放出し始めた。まーやの満面の笑顔を見た同僚達は「きゃー！」「きゃー！」とまるでアイドルに会ったような騒ぎである。一通り同僚達に笑顔のサービスを終えた後、あくびを何度かしたまーやは会社を後にした途端に再び眠りについた。　やっぱり親と言うものは子供の良い面を人に見せたいもの。たくさん笑顔を振りまいて同僚達を喜ばせてくれたまーやに感謝感謝のママサマンタだった。

  2006/02/02

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