別世界からの民族たち
(ヴェローナへ行ってきました。昨年仕事で訪れたロマネスク様式の最高傑作とされる聖ゼノ教会を見学。もう一度じっくりと見学したかったので嬉しかったのですが、ちょうど結婚式が行われていたために、マンテーニャの祭壇画を見ることができなかったのが残念でした。) イタリアは今週末を境に寒くなるそうですが、今のところ暑くて、相変わらず夏の陽気が続いています。そんな中、我が家のボイラーが故障しました。つい2年前にボイラーの部品を交換したばかりなのに、またもや同じところが燃焼してしまい、お湯が全くでません。本当に性能が悪い、イタリア製。仕方がないので、連日子ども達を、義妹宅と祖父母宅にシャワーを借りに行かせました。私達はと言うと、早朝、水でシャワーを浴びた夫が私に「滝の修行と同じ感覚だよ。すぐに冷たさを感じなくなるから、試してごらん。」と言うので、「そういうものか」とその日の午後の気温が高くなった時間を狙って浴びて見ると「つめたーい!」。でも不思議なもので、体が水の温度に慣れて2日目にはあまり冷たく感じませんでした。シャワーを浴びた後は、体がポカポカ。ちょうど、ドイツであっついサウナに入った後、水風呂に入って体がすっきりする感覚に似ているかも知れません。病み付きになるかも、と思っていましたが、それも今日で終わり。ボイラーは専門業者に来てもらって無事に直りました。 さて、先週「Cose dell'altro mondo」(日本の題名 別世界からの民族たち)という映画を観ました。北イタリアはヴェネト州のトレヴィーゾとバッサーノ・デル・グラッパで撮影された映画です。ストーリーは、移民労働者であふれるこの街から、ある日突然全ての外国人が消えてしまうというもの。人種差別やあふれる移民問題をまじめ過ぎず、イタリア側、外国人側のどちらにもつかずに風刺的に表現している作品で、映画が終わった後で考えさせられました。合法で暮らしていても外国人はイタリア人社会になじむのが大変です。言葉、文化、習慣の違い。時には感じる人種差別。外国暮らしは楽なもんじゃないってことを、今度は外国人の視点から映画にしてくれないかしら。実は映画の後、夫と日本人の友人を交えて、この街の人が外国人をどう思っているか?について話し合いました。友人は「外国人に慣れていないから、怖いんだと思う」と一言。なるほど。確かに学校関係でも、外国人と話さない人は話さないようにしているようにも見受けられます。長女が通っていた幼稚園のクラスは、半数が外国人だったこともあり、親子で居心地がいい環境を作ることができました。対して長男のクラスは98パーセントがイタリア人。子は居心地がいいみたいですが、私は他に外国人がいた方がよかったなあと言うのが正直な気持ち。実は現在長女が通う小学校はイタリア人率がかなり高く、地元の人達で固められているため、狭い考え方になってしまうのではないかと入学前に要らぬ心配をしたことがあります。それならば、少し離れたところにある外国人が多い小学校のほうがいいのではないかと悩んだ時期もありました。結局、学校は家の近くが便利、と言う夫の意見で今の学校に決めたのですが、周囲がどうあれ、子の育ち方は親の教育、考え方ひとつだろうと今は思います。外国人のことを茶化す子どもは、親がそう言っているとしか思えないですもの。子どもには日本人、イタリア人、国籍関係なく、グローバルに大きく育って欲しいなあと思っています。そのためにも親の私達が道しるべをしっかりしなくては。先日公園で、クラスメートから「お前の母ちゃん、中国人なの?」と聞かれた長女。「日本人だよ。」と答えていました。「じゃあ、お前、日本語喋れんの?」と更に聞かれた長女は、「喋れるよ。」と返答。「何か喋ってみろよ。」と言われ、「ペラペラ」と長い文を喋って、男の子達を唖然とさせていたのが可笑しかったです。さて、明日はスリランカ人のママ友に料理を習う予定です!スリランカカレーが楽しみです!