桃栽培の失敗。せん定をもっと強くするといい
電子書籍「ライター ヤギ飼いになる」に書いたように、山梨へ移住して4年目になった。家にこもって原稿を書く生活から、ヤギを飼い、果樹を育てるというまったく違う毎日になった。スモモと桃を無農薬で栽培している。ただ、10本ほどのスモモ、3本の桃、かなりの老木なので、ていねいに育てないといけない。スモモは今年で3年目。病気で半分くらい落ちてしまうが、がんばっておいしい実をつけてくれる。昨日から収穫を始めた。桃はうまくいかない。近所の農家からは、「もう木が弱っているから植え替えた方がいい」とアドバイスされている。確かに、ほかの畑の桃と比べると、葉っぱの色が淡いし、量も少ない。実は、ゴルフボールと野球のバールの中間の大きさくらいまでは育つが、そこで足踏み。去年は、ほとんどがそれ以上大きくならずに、落ちてしまった。昨日は、久しぶりに、「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんと電話で話をする機会があった。木村さん、相変わらず忙しくて、電話で話をするのも、けっこうハードルが高いのだが、昨日は、タイミング良く、手の開いているときにつながったみたいだ。桃のこと相談した。さすがだと感心した。今の桃の状態を話すと、すかさず言った。「強くせん定をするといい」。せん定というのは、冬場に不要な枝を切り落とすこと。今年は、バタバタしていてせん定が中途半端だった。きちんと見透かされてしまっている。「強いせん定ですか。どういう理由ですか?」「桃の木が弱るのはいろいろ理由があるけれども、たぶん、小原田さんの木は、根が弱っていると思うのな。根に負担がかかり過ぎている。だから、地上の部分を小さくしてあげて、根への負担を少なくしてあげる。思い切って切った方がいい」そういうことか。根まで考えが及ばなかった。どうしても、目に見えない部分はおろそかにしてしまう。スモモも何本か、同じような症状が出ている。こっちも強いせん定が必要なのかもしれない。せん定というのは、けっこうきつい仕事だし、切り過ぎると、木が弱ってしまうのではないかと、及び腰になってしまうというのが、ぼくの3年で体験したこと。せん定と根への負担についても、考えたことがなかった。樹木の形を整え、栄養が全体に行くようにするということで、適当に切っていた。木村さんのおかげで大発見だ。桃栽培も一歩、前へ進んだ気がする。