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倖和(サチナゴム)の妄想小説・・・

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2008年01月28日
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カテゴリ:戦争ゲーム
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↑ちょっと気合いが入ってきました。がんばります!

大国アメリカが没落した後の世界を想像しています……
その御伽噺第260話です。

「飛行石を結晶化する技術は伝承されていないのですか?」
 と、加藤は天皇にたずねた。天皇はうなずいた。
「ある程度の伝承はされていますが、きちんとした科学的な記述はありません。確かにチョンジンでの核爆発による瞬間的なエネルギーの変換で飛行石の原石が結晶になりましたが、だからといっていちいち100メガトンの核爆発を起こすわけにはいかないでしょう。もっと安全な方法がないか研究中です」

「やはり核エネルギーがポイントになるのでしょうか?」
 と、キムジョンナムがきいた。
「原子炉を使えばいいのですか」

「そうだと思いますが」
 と、橘一郎がいった。
「核分裂ではなく核融合が必要だと思います」

「核融合?」
 キムジョンナムが首を傾げた。すると、
「ああ、水素爆弾ですか」
 と、傍らのキム“教授”がいった。そして、
「核融合でもっとも実用性が高いのは水素を利用したやつです。水素原子の同位体、すなわち中性子の数が違う重水素と三重水素であるトリチウムを核融合させてヘリウムをつくる、その過程で莫大なエネルギーを生み出すわけです。だが、実用化のめどは全く立っていません」
 と、元知識人らしく語った。

橘一郎が軽くうなずくと、
「いわば地球上に太陽を再現しようという話ですからね。とてつもない高温と完璧な真空状態が必要なのですが、そんな容器を作ること自体が大変難しい。だから強力な磁気閉じ込め方式が考えられています。が、技術的課題が山積しており正直行き詰まっています。ですが、わずかですが光明が見えてきたと思います」
 と、いった。
「光明とは何ですか」
 と、すかさず加藤がきいた。

「今まさに核爆発で偶然できた1キログラムの飛行石の結晶のことです。この潜水艦の動力源にも使っています。もともと潜水艦に搭載されていた原子炉を改造し飛行石の結晶を利用した反応炉を作りました。わずか600グラムの結晶で、すさまじいエネルギーを放出しています」
 と、橘一郎がいった。

「つまり……」
 と、天皇がいった。
「飛行石が核融合の技術的問題をついに解決するかもしれないのです」




続く。












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最終更新日  2008年01月28日 22時15分21秒
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