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最近こんな言葉は使わないから大方の人は分からんだろうなあと思う。 「男どき女どき」 向田邦子さんの短編集にもこれがある。 私は彼女が 台湾の飛行機事故で亡くなるまでファンだったから殆どの作品は読んだ。
元々はかの世阿弥が言っていたらしいが私は知らなかった。 ”よき時分 になることあり、これを心得べし、時の間にも男時女時とてあるべし” と 説いて、つまり勢いが盛んで好調な時が男どき、低調で控えめがよろしい 時が女どき、人生にはそういう波があるということを言っているのである。
今の言葉に代えて言えばバイオリズムとでも言おうか。 好調の波にある 時とそうでない時ですね~、行け行けどんどんの時と温和しゅうすべき時 の区別である。 これは確かにありますね~、乗ってる時には大抵のことは 旨く行くけどそうでないバイオリズムの下がり目の時は何をやってもスカを食 らう。
”何で調子のいい時が男で悪い時が女なのよ” って叱られるかも知れない。 ・・・が、世阿弥さんが言ったのだからそっちに文句言ってちょうだい。 五百年以上昔の価値判断なのだから現代のものとは違うんです。
生物学的に見ると殆どの場合、メスはオスより優秀であることは現代では 常識だから今の日本では通用しないかも知れません。 ”しょうがないわね~ 男って、勝手なんだから・・・” って旦那の尻ふきして呉れるのはいつだって 賢妻である。 織田作之助の小説にはそんなしょうもない男がゾロゾロ出て くる。 そしてそこには必ず面倒見のいい女がいるのだ。 ”私がなんとかして あげなきゃ、この人はダメなんだから・・・” って上手い事母性愛に訴える。
男性より女性が長生きする世の中である。 子供を産み育て旦那をおだてて 外で稼がせ一家を支える。 どれを見たって母ちゃんは強い。 男がどんなに 威張ってみてもアガイてみても母ちゃんには敵わないのだ。
・・・とすると男どきと女どきの意味は現代では逆転しているのかも知れない。 世のオトーサン、どう思います? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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