灼眼のシャナIIの第11話を見ました。
劇場版「灼眼のシャナ」-ディレクターズカット-
第11話 約束の二人
「おはよう、千草さん」
「おはようございます、貫太郎さん。丁度良かったわ、朝御飯にしましょ」
「ん?悠二は?」
「先に食べて学校に行きましたよ」
「へぇ、随分早いな」
「文化祭の準備が忙しいらしくて、今日からは授業もお休みで生徒達は学校に泊り込むらしいですよ」
「頑張るね、いただきます」
御崎高校学園祭「清秋祭」まであと3日。
教室を使った研究発表、屋外テントでの模擬店、そして仮装パレードの衣装作り。
準備に忙しいのは
悠二のクラスだけではなく、クラス単位で泊まり込みを含めた作業が行なわれていた。
「後はクレープ焼き機の到着待ちだな。なぁ、来てくれるかな?姐さん」
「……」
『清秋祭…?どこの徒よ、それ』
『いや、そうじゃなくて』
『お祭ですよ、俺らの学校の』
『で、酒は出るの?』
『出るわけありませんよ、高校生なんだから』
『じゃあ、用なしね』
「ダメだろ、ありゃ…」
マージョリーがどう返答したか思い出し、
佐藤は無理だろうと思うのだった。
祭りはその準備が最も楽しいと言われる。
特に気の知れた仲間で作り出す祭りは特別であり、共に過ごす夜は格別だ。
だが、その雑然とした興奮と歓楽の中、
一美は自分自身に正直でいるための決意を新たにし、
シャナもまた己の心に真正面から向か合おうとしていた。
「立ち向かう…」
「銀色の炎を持つという徒を我は古今耳にした事がない。分かっているのならば良い」
「うん、アラストール…私…」
「フレイムヘイズも人を愛する。いざという時もどうすればよいか気持ちが教えてくれよう、坂井家の奥方の言うようにな」
「ただいま調査から戻ったのであります」
そして、
ヴィルヘルミナが帰ってきたその夜、
悠二に新たな試練が突きつけられる。
「零時迷子にかけられた戒禁に関する調査は期せずして、とある徒の消息を訪ねる旅となったのであります」
「徒の?」
「“彩飄”フィレス」
「強大なる紅世の王にして、他ならぬ零時迷子の作り手」
「…!?」
「フィレスには心に誓った相手がいたのであります。永遠の恋人ヨーハン。零時迷子のミステス、約束の二人・エンゲージリンク。それが彼女らの呼び名」
「エンゲージリンク…」
「零時迷子とはそもそもフィレスがヨーハンと共に永遠にあり続けるために作った宝具。…ところが、とある戦いに敗れ二人とも…」
「そして、零時迷子は僕の中に無作為転移を」
「零時迷子はいわば二人の絆の証、共に過ごした年月の刻印」
「しかし、生存…」
「え?」
「フィレスは生きていたのであります」
「生きて…ってことは…つまり…」
「遠からず、恋人の形見を、零時迷子を取り戻しに来るはず。戒禁もおそらくはフィレスが何人たりとも触れさせないとしたもの。いずれ、彼女に見つかったが最後…あなたは間違いなく破壊されるでありましょう」
「必然」
「…っ。銀は…銀は、そのことと関係あるんですか!?」
「銀?何のことでありますか?」
「脈略不明」
「銀の炎です。僕が構築した自在法…封絶に揺らめいていた、あの…」
「悠二は封絶を張った。その炎の色が銀だった…」
「馬鹿な…ありえないのであります」
「虚言撤回」
「嘘じゃない。私は見た、アラストールも」
「しかし、銀は…」
「彩飄フィレスが零時迷子を探していることと、坂井悠二の銀は符合しない。両者は全く別の問題だ。つまり、坂井悠二、貴様にはかつてない二重の試練が訪れようとしているのだ」
清秋祭の準備も整い、本番がいよいよ明日となる。
迫る試練の時、
シャナは
悠二に願う。
「悠二、ひとつだけ誓って。心に決めて、立ち向かうって――」
「シャナ…。誓うよ、何があっても立ち向かうって」
「うん」
《来ないで、フィレス。あなたとだけは戦いたくない――》
次回、「清秋祭始まる」
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