1414519 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

萬華鏡-まんげきょう-

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2005年09月12日
XML
カテゴリ:萬斎まんさい?!



名人伝について

名人伝を原文で読む

人生は何事をも為さぬには余りに長いが、

何事かを為すには余りに短い


山月記の李徴の言葉が敦トリオで繰り返され、後ろから敦@萬斎さんがスッと現わ敦たちに「なぁーにを言っているんだ!」と言いながら現われる。
※細かい台詞は忘れてしまいました(汗)

舞台上で、敦@萬斎さんは、紀昌の衣装に早変わり(といっても、妙に派手な中国風の(?)上着を羽織るだけですが)
そして名人伝のストーリーが展開される。

紀昌という男が、天下第一の弓の名人になろうと志を立てた。
飛衛(ひえい)という弓の名手に弟子入り・入門する。

そこで、飛衛はこんな訓練を命じる。
<修行1>瞬またたきせざることを学べと命じた。
        ↓
紀昌が行った修行とは・・・

・妻の機織台はたおりだいの下に潜もぐり込こんで、そこに仰向けにひっくり返った。眼めとすれすれに機躡(まねき)が忙しく上下往来するのをじっと瞬かずに見詰みつめていようという工夫である。


困惑した妻・・・そりゃ、ヘンなところに夫がずっといたのでは落ち着かないし、イヤです( ̄▽ ̄:)
が・・・この修行は二年経過し、紀昌は瞬きをしないで生活できるようになる
↑ありえないですがね(-ω-;)

紀昌の妻は、石田幸雄さんが飛衛との二役を演じます。

飛衛は、妙な形の付け髭だなと思っていましたが、これにはワケが(笑)

ある早変わりで髭のない紀昌の奥方に変身していまいます。
これは、DVD化されたり、再演があったとき(あることを祈りつつ)ご自分でご確認いただければと思います。

飛衛に言われたとおり、ミッション(?!)を実行すべく自分の家へ戻ります。
大鼓、尺八の音が鳴る。

紀昌が走るリズミカルな様子をこの二つの音階が表現し効果を盛り上げます。

ただ走り去るだけではなく、アニメで思い切り走り出すとき、その場で反動を付けますね、そんな感じ・・。例えば「おそ松くん」を思い出しました(笑)
伝わるかな・・・(汗)

その表情といい、動作が、狂言や今まで萬斎さんが出演された演劇では観られないようなもので、かなり笑ってしまいました。

もはや、鋭利な錐(きり)の先をもって瞼を突つかれても、まばたきをせぬまでになっていた。
不意に火の粉が目に飛入ろうとも、目の前に突然灰神楽(はいかぐら)が立とうとも、彼は決して目をパチつかせない。彼の瞼はもはやそれを閉じるべき筋肉の使用法を忘れ果て、夜、熟睡している時でも、紀昌の目はカッと大きく見開かれたままである。


怖いです、ハッキリ言って、それが現実だったら( ̄▽ ̄:) 苦笑
寝ているときも目を見開いているんですよ。。。

ガンダルフみたい(笑)←指輪物語をご存じない方はわからないですが。

しかし、これを野村萬斎さんの演出により、コミカルに舞台で表現されます。
中島敦風の丸眼鏡、に大きな大きな睫毛をニョッキリつけたものを着用(笑)
かなり可愛いです(≧∀≦)ノ

<修行2>
・瞬かざるのみではまだ射を授けるに足りぬ。次には、視ることを学べ。
視ることに熟して、さて、小を視ること大のごとく、微(び)を見ること著(ちょ)のごとくなったならば、来たって我に告げるがよいと。
      ↓
紀昌が行った次の修行とは・・・

・紀昌は再び家に戻もどり、肌着の縫目から虱(しらみ)を一匹探し出して、これを己が髪の毛をもって繋いだ。
そうして、それを南向きの窓に懸(か)け、終日睨み暮らすことにした。
毎日毎日彼は窓にぶら下った虱を見詰める。
初め、もちろんそれは一匹の虱に過ぎない。
二、三日たっても、依然として虱である。
ところが、十日余り過ぎると、気のせいか、どうやらそれがほんの少しながら大きく見えて来たように思われる。

←こんな感じ(スクリーンに映し出される)

三月目めの終りには、明らかに蚕(かいこ)ほどの大きさに見えて来た。

←まじで?

虱を吊つるした窓の外の風物は、次第に移り変る。

紀昌は根気よく、毛髪もうはつの先にぶら下った有吻類(ゆうふんるい)・催痒性(さいようせい)の小節足動物を見続けた。

その虱も何十匹となく取換えられて行く中(うち)に、早くも三年の月日が流れた。
ある日ふと気が付くと、窓の虱が馬のような大きさに見えていた。

←コワイ( ̄□ ̄;)!!

しめたと、紀昌は膝を打ち、表へ出る。
彼は我が目を疑った。
人は高塔(こうとう)であった。

←うそー( ̄□ ̄;)!!

馬は山であった。



↑ひえー( ̄□ ̄;)!! ( ̄□ ̄;)!! ( ̄□ ̄;)!!・・・゛゜・゛゛(ノ ̄□ ̄)ノ 

家にとって返した紀昌は、再び窓際の虱に立向い、燕角(えんかく)の弧(ゆみ)に朔蓬(さくほう)矢がらをつがえてこれを射れば、矢は見事に虱の心の臓を貫つらぬいて、しかも虱を繋いだ毛さえ断きれぬ。


ここまで来ると、達人の域を超えてますよね(-ω-;)ウーン

こういった奇怪な修行・訓練課程を、解体新書などでも使われる大きなスクリーンに文字を映して表現しています。

まさに「にほんごであそぼ」からヒントを得たような感じですね。


・・・というところで一休み・・・

つづく(⌒◇⌒)ノ



明日は2回目の観劇。
本公演&ポストトークです。

最近コンタクトの調子が悪いので心配なのですが・・・見えるかしら。

名人伝までのプレビュー公演の様子をこちらでご紹介しようかと思いつつ、13日まで間に合わなかったですが、名人伝はこうやって書いていても、思い出しては笑ってしまいます。
山月記とは対照的ですね。

また続きは後ほど。。。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年09月12日 19時23分20秒
コメント(10) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.