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カテゴリ:能狂言
いざ八ヶ岳(旅日記編)
八ヶ岳高原ロッジに到着(旅日記編) 万作の会「八ヶ岳狂言の世界」(旅日記編) 【寝音曲-ねおんぎょく-】 狂言「寝音曲」 太郎冠者 野村万作 主 野村万之介 後見 深田博治 【あらすじ】 主人に謡を所望された太郎冠者は、いつも謡わされてはかなわないので、酒を飲まなければ声が出ない、妻の膝枕でないと謡えないなどと言ってもったいをつける。 どうしても謡が聴きたい主人は、太郎冠者に酒を飲ませ、自分の膝に寝かせて謡わせる。 上手に謡った太郎冠者は、起き上がって謡うよう命じられるが、そうすると声が出ない。 寝かせてみるとよい声で謡う。 起こしたり寝かしたりしているうちに、起きているときに上手に謡い調子にのって舞まで披露するので、さきほどまでの話は嘘だということがバレてしまう。 【豆知識】 太郎冠者狂言の代表曲。 情緒溢れる「大原木」や、勇壮でドラマチックな「海人 玉ノ段」など、次々に登場する狂言小舞謡も聴き所。 大蔵流では舞い留メでめでたく終わるパターンで大らかな空気に包まれる。 【感想】 万作さん&万之介さんの貴重な寝音曲。 のらりくらりと、主人の所望する謡をかわすあたり、この寝音曲での主従関係は随分と昔から慣れ親しんだ、ちょっとのことくらいならば許される関係なのではないでしょうかね~ 酒を飲まねば謡えない 妻の膝枕じゃないと声がよぅ出ません そこで酒を飲ませ、挙句に主人は自分の膝まで貸してしまうあたり、どうしても太郎冠者の謡いが聞きたくて仕方がないんですね(笑) 酔いも回り、主人の膝枕で心地よく謡っているうちに妻と間違え(?)ついつい密着!!! 主人の「気色の悪いものじゃ」と迷惑そうな万之介さんの一言、間合いが絶妙で(笑) それでも懲りず膝を貸しては謡わせる主人は根気強いというか( ̄∀ ̄) 普通横になっていると声が出ないはずなのに、起き上がらせると苦しそうに謡い出す太郎冠者。 何度か横にしたり起き上がらせたりしながら謡わせると、いつしか勘違いして起き上がらせると良い声で謡う。 気付けば、気持ちよく「海人 玉ノ段」を舞い謡いはじめます。 結局は、太郎冠者。もったいぶっているけれど、謡も舞も大好きなんでしょうね~。 万作さんの「海人 玉ノ段」は凛とした立ち姿と音楽堂に心地よく響く謡声にしばし見惚れてしまう吸引力があります。 ことさら、この日の万作さんと万之介さんの寝音曲は「ほんわか」「しっとり」した心持にさせてもらいました。 最後は追い込み留メという狂言の一般的なクライマックスなんですが、最終的には「こらこら、全くお前ってやつは~」と笑って許してしまいそうな仲の良い微笑ましい主従関係が見えるような気がしました。 これも、万作さん&万之介さんの寝音曲ならでは??? この狂言。大好きな曲のひとつになりました。 千切木のあらすじはこちら 狂言「千切木」 太郎 野村萬斎 当屋 石田幸雄 太郎冠者 岡聡史 立衆 野村万之介・深田博治・時田光洋 妻 月崎晴夫 後見 野村良乍 【感想】 今年は「千切木」に縁があって、多分最多鑑賞なのではないかしら(笑) 立衆としてズラズラと多くの演者が出てくる狂言ですが、八ヶ岳高原音楽堂は橋掛リ部分が湾曲しているだけではなく幕から舞台まで結構長いようなので、ものすごーくスタタタタタター・・と「早摺り足」のように思えたのが逆に可笑しかったのですが(笑) 舞台形状などが違うと、出のタイミング、台詞のタイミングなども難しいものなのかなぁ、なんてことも思いましたがどうなんでしょうね( ̄∀ ̄) 太郎冠者は万作家ではニューフェイスの岡野さん。 ご覧になったことのない人も多かったようで「誰?」というような声も公演後に聞こえました。 今までは立衆その4くらいのあまり台詞のない舞台しか拝見したことがなかったんですが、今回はたくさんの台詞がある太郎冠者。 緊張もするのではないだろうかと、オバちゃん心境でドキドキしながら見守ってましたが←余計なお世話か(笑) さてシテの太郎(萬斎さん) やっぱりこういう 「小憎らしい(爆)」 「ふてぶてしい(爆)」 いや、よく言えば「バイタリティ溢れるキャラ」は萬斎さん、よく似合う(笑) 嫌味なく、「ああ、いるいる、こういう人~( ̄∀ ̄)」というような まさに今年流行した 「KY(空気読めない)人」 の典型を見ているような(笑) ヘアスタイルがこざっぱりと短くなっていて、若々しく見えていたのは私だけじゃなくお隣で見ていたルビコンさんも同じだったようです。 千切木では千切木棒を持って夫・太郎を侮辱した当屋や立衆に仕返しをするよう強い奥方が夫の尻を叩きます。 月崎さんのわわしい女も2度目ですが、なかなかのハマり役です( ̄∀ ̄) 私的にはやっぱり、高野さんの奥方が好きなのだけれど(笑) 「のぅのぅ愛しい人~」 「おでかしやった、おでかしやった♪」 手放しで喜ぶ奥方と、意気地のない夫・太郎はまさにバカップルなのでしょうが、この微笑ましさが狂言らしくて良いな~ クライマックスは太郎の舞いで終わります。 さきほど万作さんが寝音曲で魅了した狂言小舞に引けを取らぬ存在感と、たちどころに心を奪うオーラって遺伝によるものなのか。。。 「なさけない」「KY」な夫・太郎の面影がなくなっていて、若々しく清々しい姿に、すーーーっかりルビコンさんとボーーーっとしてしまいました(笑) 徒然日記はつづく(はず?) その前に「狂言ござる乃座38th」レポートもありますね。 ぼちぼちと行きます(⌒◇⌒) トップページへ戻る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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万作さんの舞いは大好き~です。なんて、ミーハー的言い方では失礼なような~ですが。
妻は、珍しく月崎さんだったのですね。だよな、高野さんは、萬斎さんのあとの能「井筒」のアイに出られていたのだから、間に合うはずないですね。月崎さんの妻って見た覚えがないので、見たかったなあ。 で、萬斎さんの舞いは、大大大好きです。 萬斎さんは、この舞台のあと日帰りで帰られるそうですね。ということは、私も帰れるな~。来年は行ってみたいなあと思っています。 (2007年12月03日 23時51分05秒)
あめみこさん、素晴らしい!
か、完璧たぁ。 どうしてそんなに覚えていらっしゃるんですか? 毎回、あめみこさんのレポには感心しておりましたが こうして同じ舞台を見る事で、あめみこさんのすごさを改めて知りました。 私なんて、もう遠い過去の出来事のようにウル覚えで、舞台のレポは10行しか書いてない(汗) 多分、しばらく書けない状態のまま年末に突入しそうな悪寒が。。。 万作さんの舞、本当に素晴らしかったですね~。 あんなに素敵な舞を見せてもらえたんだから、万之介主も許してあげればいいのに~♪と思ったよね。 萬斎さんの舞も、ヘナチョコ夫からカッコイイ夫に変身で 私は隣で「愛しい人~」と私も擦りよりた~いという煩悩に苦しんでおりました。 こんなミーハーだから何も覚えてないんだね^▽^; (2007年12月04日 10時35分38秒)
万作さんの舞。
私も最近この美しさに圧倒されっぱなしです。 なかなか小舞を拝見する舞台にお目にかかれないので、行きたいなと思いましたね~ 月崎さんの妻は今年縁あって2度目です(笑) 高野さんは途中から番組表に変更がありましたとロッジから連絡がきたので、なぜかなと思っていましたが、なるほど東京で居残りお仕事だったんですね。高野さんが八ヶ岳に出演されないのは残念に感じていました。 萬斎さん、日帰りだったのかな~ たぶん、そのように説明されていたような・・・ 翌日6時の電車で名古屋とロッジの方が仰っていたんですけれど←ちゃんと聞いてない(苦笑) でも、八ヶ岳の朝は気持ちがいいですよ。 萬斎さんと同じ電車で往復という可能性もある意味醍醐味(?)かもしれませんが(笑) やっぱり日帰りなんてもったいない~ ご主人とお休みとっていかがでしょう♪ (2007年12月06日 20時08分47秒)
キレイでした~(*´▼`*人)・:*:・
でも曲の内容や石田さんが流暢に解説してくださった小原木や海人の話はうまくまとめられなかったので端折りましてございます(爆) 海人は一度、舞台でおシテさんが舞ったのを拝見したのでちょっと知っていたのですが小原木はお初でした。聴き応えたっぷりでしたよね。 日が経ってしまい、現実の生活に追われてしまうと折角触れた感動がうまく言葉にならなくなっちゃいますよね。 あとから見直して、こんなこと考えて見ていたんだなって思うことがありますよ~ やっぱり、それほど多くの舞台を観られるわけでもないし、ちょっとでも貴重な感動はサラサラとメモって残しておきたいですよね(苦笑) 年末はルビコンさんもご家族の年賀状つくりに大変なときでしょうね。去年聞いた枚数だけでも私の倍以上は大変です。。。 話は戻って。 萬斎さんのヘナチョコ太郎夫(笑) 最後の締めくくりは市川で観たときも、ずっぽりと心撃ちぬかれた舞です。 あえて久々に私も使います「撃沈」と(笑) (2007年12月06日 20時16分01秒) |