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戦国ジジイ・りりのブログ

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2012年08月03日
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カテゴリ:城(中国)
資料館には他にも色々ありますが、一番目をひくのはやっぱり奥にある
コレじゃないでしょうか・・・


       山口・龍福寺資料館12


       山口・龍福寺資料館13


 【大内義隆卿と毛利元就公・隆元公対面の場面

  天文18年(1549)4月、毛利元就公は、大内義隆公から日頃多くの
  厚意援助を受けている御礼として、山口の大内館を訪れ、長年月にわたる
  恩過に対して深い謝意を表しました。
  義隆公もたいへん喜ばれて、元就公を歓待した場面である。】
  (資料館解説より)


上が義隆君。
下は奥が元就、手前が隆元。

義隆の顔が光っちゃってるけど、
ケータイで撮ったら暗いながらも顔ははっきり撮れた。

       よしたか君



イケメン(に造ってある)じゃ~ん!!
毛利さんちも美形揃いだってウワサだからか、
この親子もイケメンに造ってあるよな。
まつ毛が長いのよ・・・(笑)



隆元は、人質として3年間を山口で過ごした。
14歳から17歳までのピチピチした時期で(笑)
義隆には大層かわいがられたそうな。

隆元の弟・隆景ちゃんも12歳から人質として山口にいたともいわれるが、
まずそれはないだろうと思う。

隆景ちゃんの方は、『陰徳太平記』に

   又四郎隆景は、容姿甚だ美なりしかば、
   義隆卿 男色の寵愛浅からずして

との記述などがあり、こちらも義隆に気に入られた様子。

この2人の兄弟は、義隆から「隆」の字の偏諱を受けてます。
元春ちゃんだけ仲間ハズレ・・・・・ショック

一部マニアの世界では希代の男色家として有名な義隆君ですが、
この毛利兄弟の話なんかもそのテの嗜好の女性たちに
好き勝手書かれたりしてる雫

ダントツ多いのは、もちろん陶隆房とのラブラブ話でしょうが。
たぶんね。
まともに読んだ事なんかないから、知らないけどさ・・・


ま、それはともかくとして、隆元・隆景以外にも
中国・九州の武将たちの多くが義隆の偏諱を受けている。
龍造寺隆信なんかもそうだしね。
強大な大内氏の勢力範囲がうかがえますな。

しかし、その中でも隆元の扱いはハンパなかった。



天文6年(1537)12月1日、大内家からの丁寧な出迎えを受け
隆元山口入り。

12月6日に別邸・築山館において義隆と対面。
対面の後で義隆は自ら部屋の外まで見送って礼を尽くしたという。

現・瑠璃光寺近くの隆元の宿所には大内家の重臣たちがかわるがわる訪れて、
山海の幸を振舞ったりと大層なもてなしよう。

12月19日には義隆が烏帽子親となり、隆元の元服式が挙げられた。
「隆」の字をもらったのは、この時。

滞在中はあちこち見物に連れてってもらったり、
優雅な大内文化を堪能するという、人質ってなんだっけ?的な生活を送った。

多感な時期を義隆の元でこのように過ごしたことは、
まだイチ国人領主の子に過ぎなかった隆元に大きな影響を与えたらしく、
のちに元就はこの総領息子に頭を悩ますことになる。

まあ、環境は確かに重要だけど、やっぱり個人の資質ってのは大きいからね。
あながち義隆のせいばかりとも言えないと思うけどな・・・

吉田松陰先生も、隆元のことを「平重盛のように素行端正」と
評しておられるし。

「あっ、う~ん、重盛か、なるほどねひらめき

と思ったな。さすが松陰先生。
ちょっとばかり「物は言いよう」って言葉も頭をかすめたけど・・・



その他、義隆は隆元の結婚の世話もしてやった。

隆元の正室・尾崎局(おざきのつぼね)は大内家随一の重臣・内藤興盛の三女で
義隆の養女となり、天文十八年に隆元に嫁いだ。

内藤家の長女は義隆の側室であり、
次女は安芸の武将・宍戸元秀(毛利元就の外孫)に嫁いでいる。

 【長女が先君の側室となり、その子が非業の死を遂げる。二女は地味だが
  堅実な存在である。三女が次代の権力者の正室となり、その子が家督を継ぐ】

というところから、内藤家の娘たちは浅井三姉妹を連想させると
『目で見る大内文化』(大内文化研究会発行)の中で
山本一成氏が述べておられて、面白い。
ちなみにこの内藤家は、藤原秀郷の子孫であると称している。


権力者が重臣や一族の娘を養女にして他家に嫁がせるってのは
よくある話だけどね、義隆の場合は養女は尾崎局ただ一人。
だから、相当隆元のことを気に入ってのことだったのかもしれない。



さて、龍福寺資料館で大内・毛利の三者が対面している間には、
実はこれが置いてある。


       毛利家から大内家への進物


あ~あ~、皆こんなとこに小銭なんか捧げちゃって・・・
てか、これってお賽銭?人形に?(笑)
しっかし、このシチュエーションって・・・

  隆元:「ち・・・父上、大内様への献上は、
      これっぽっちの小銭だけですか!?」

  元就:「仕方なかろう、弱小毛利じゃけぇ~」

  義隆:「・・・・・・・・・・雫

って勝手にセリフ付けて遊んでました、ハイうっしっし
 
  

お遊びはともかく・・・

上の写真の対面の場面である天文18年(1549)2月、
元就は山口へやって来た。
お世話になってる大内家へのお礼、それから元就の隠居の挨拶のために。
表向きはね。

お供はどうも元春ちゃんと隆景ちゃんみたいなんだけど、
ここでは隆元になってるなあ・・・

義隆はこれを歓迎し、3月、

  五日、元就を饗す。
  十二日、元就其旅館浄光寺に招飲す。
  廿六日、薬湯を設け元就を招く。

「薬湯」とあるのは、元就の具合が悪くなったからと思われる。
3月以降も、

  五月十五日、元就を招飲す。
    十七日、元就の旅館に赴く。
    十八日、発程帰国す。
    (いずれも『大内氏實録』より)

ともてなしている。
しかし、義隆の好意とは裏腹に、陰ではキナ臭い話が進行していた。



実は、元就を山口へと誘ったのは陶隆房だという。
そして隆房の息子が夜な夜な、元就の宿所へ夜這い・・・じゃなくて、
訪問しては文箱を持ち帰っていたという話がある。

この天文18年というのは、「大寧寺の変」の2年前にあたる。


陶隆房が大内義隆を滅ぼした「大寧寺の変」は、
数ある裏切り事件の中でも、日本一有名な裏切り「本能寺の変」に次ぐ
ビッグ裏切りと言っても過言ではない位の大事件。

かつての寵臣であった隆房が決起に至った理由については色々と説があるが、
この年は隆房がある国人と勝手に兄弟契約を結んだことで
義隆の詰問を受けたりと、主従の関係はかなり雲行きが怪しくなってきていた。

隆房が謀反を企てた時期は、天文17年(1548)から天文18年といわれ、
現在残る書状から天文20年(1551)の変までの間に
隆房が時間をかけて多数派工作を行っていたと推測されている。

その多数派工作のうちのひとつが、元就を筆頭とする安芸国人衆の取り込みであり、
元就の山口への招待だった。
現に山口滞在中には、隆房と元春ちゃんの間で義兄弟の契りも交わされている。


翌年の日付のある、安芸の天野隆綱や吉川元春の文書およびその後の経過から見るに、
どうやら天野・吉川の両者は隆房に対し所領を要求していたようで、
それは隆房へ加担することへの見返りじゃないのか?
ここからも天文19年の時点ですでに毛利家は陶隆房のクーデターに
加担していたことが窺われる、というのが近年の研究結果らしい。


結局途中で病にかかった元就は、都合3ヶ月を山口で過ごすんだけど、
これすら

「時間を稼ぐための仮病じゃねーの?」

と疑りたくもなってくる。
そして帰国してからの元就は、来るべきXデーに向けて、
毛利家中およびその周辺の大掃除を始める。


う~ん、毛利元就ってのは、やっぱり恐ろしい男ですよ・・・ショック
戸次鑑連(立花道雪)なんかは、隆房の謀反そのものが
元就の謀略によるものだって言ってるし。



資料館にある人形を、建前通り「隠居の挨拶と日頃のお礼」の場面として見るのと、

「表でいい顔しながら、毎晩目の前にいる主君を滅ぼす相談を
してたのかこのオヤジ・・・
そして、クーデターの情報は掴んでたのに
あえて何もしなかった義隆って・・・」


ってウラを考えながら見るのとでは、印象が全く違う。

何とも言えない複雑な感情と、もどかしい思いとを抱えながら
誰もいない資料館でしばしリアル人形を眺め・・・・・・


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最終更新日  2013年09月02日 17時28分14秒
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