症状の原因は、ダブルバインド状況
暢気にしていられない。しかし、どうしていいかわからないので、せめて暢気にしていたい。これはかなり辛いダブルバインド状況です。症状の原因が、「仕事がうまくいかなくても暢気にしていられた幸せの否定」だとすると、暢気にしていられなくなると症状は好転するはずです。しかし、まったく好転していないそうなので、症状の原因は、ダブルバインド状況と考えた方が自然ではないでしょうか?暢気にしていられない状況で暢気にしていろというのは無理がありますから、暢気な気持ちを高めることによって、状況が変わるのを待てるようにする、これがおそらく最適な治療法になるでしょう。症状が大幅に好転すれば、状況が変わるでしょうし、なかなか症状が好転しなければ、状況が変わるまで待てるような考え方に変える、もしくは本人の意向に沿った形で状況を変える方向で治療するわけです。幸福否定理論と感情の演技法は、優れた心理療法ではありますが、おそらく効果を発揮できるのは3割程度です。なので半年おこなって効果が見られないようなら速やかに別の考えに基づいて行う必要があるということです。